岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/01/09 13:202018年相場は始まったばかり、焦って飛び乗る必要はない?

日経225 現物指数 終値23714.53円(1月5日)
安値 23065.20円(1月4日)/高値 23730.47円(1月5日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/1/5

(先週の振り返り)

あけましておめでとうございます。昨年末・・・海外勢のクリスマス休暇入り後、日本株市場は閑散となりました。そんななか、多くの市場関係者は、来年(今年のこと)の相場見通しを語る際に相場の格言「戌笑う」を紹介していました。まあ、干支で相場を占うというのは、この業界の慣習。今年も笑う1年になればいいな、程度でしたが・・・蓋を開ければ満点大笑い状態。わずか2営業日の取引ながら、日経225は週間で949円も上昇。多くの市場参加者が年明け早々、日経225に対する水準感を破壊されるという、笑ってもいられない幕開けとなりました。

日本が正月休みに入っていた間も欧米、アジア圏の株価が大きく上昇。NYダウは3日の時点で25000ドルまであと58ドルに迫り、史上最高値を連日更新していました。また、北朝鮮が平昌冬季五輪への参加意向を示したことで、北朝鮮の地政学リスクが後退したとも捉えられたようです。大発会4日(木)の日経225は、いきなり昨年末終値比308円高の23073円でギャップアップスタート。そしてそこからが凄かった・・・。現物の大引けまで、ほぼ右肩上がりで上昇。寄り付きから433円も上がり、しかも高値引けで大発会を終えるという、漫画のような展開になりました。ちなみに大発会の上げ幅は741円で、これは1996年の大発会以来22年ぶりだそうです。これだけ上げた需給的な理由については、後述いたします。

翌5日(金)も続伸。熱狂の大発会から一夜明けても、熱冷めやらぬといった雰囲気で始まります。これも、前日のNYダウが152ドル高で3日続伸し、節目の25000ドルをいとも容易くブレイクしてしまったおかげでしょうか。米国市場の寄り付き前に発表された12月のADP雇用レポートが25万人増と高い伸び率になったことなど、強い経済指標がリスクオンムードをさらに高めます。米長期金利が一時2.48%まで上昇したこともあり、この日のNYダウ構成銘柄ではゴールドマンやJPモルガンなど金融株が値上がり寄与上位に。日本も、朝からメガバンクなど金融株が指数をけん引。高寄り後は一旦上げ幅を縮めるも、後場に入ると何の材料も無いなかで急に騰勢を強めた日経225。14時15分にこの日の高値23730円まで上昇すると、最後まで日中高値圏を保ちました。3連休前で、米雇用統計の発表直前。平常時であれば、買いポジションを減らしておきたいプレーヤーが多そうなタイミングですが、そんなことも言っていられない好地合いになっているのでしょう。むしろ、週明けもギャップアップスタートしそうという相場感から、手持ちの売りポジションを買い戻しておこうというインセンティブが勝っていたともいえそうです。

(今週の見通し)

見通しの前に、まずはロケットスタートを切った先週の動きを自分なりに解釈してみたいと思います。

まず、741円高した大発会。この日に大きく上昇した理由はいくつか考えられます。トリガーは寄り付きから前日比(昨年末比)で300円以上のギャップを開けたことになります。これで、手持ちのポジションを調整する必要に迫られたプレーヤーが相当数存在したものと想像されます。

例えば、これは日経平均のVI(ボラティリティ・インデックス)の推移からも説明できます。昨年末の12月最終週(12月25日~大納会12月29日)、この週は5日連続で日経平均VIは上昇していました。12月第3週の週末が13.49で、大納会が16.03ですので、かなりボラが上がっていたといえます。この間の日経225自体は137円安と小幅な下落程度。では、なぜボラが上がっていたのか?

これは、アベノミクス相場以降の経験則から、「新年1月相場は崩れやすい」というイメージが根強かったからと見られます。年末年始の5連休という、普段の土日より3日分多いマーケットリスクに加えて、新年相場が弱いイメージも強く、売りヘッジ(アウトの日経225オプションのコール売り、プット買い)がある程度構築されていたからだと推測されます。それが新年早々、寄り付きから300円以上のギャップアップで始まったことで、売りヘッジが不要になりました。このヘッジ分の解消が日経225の押し上げ要因になったといえます。

また、オプション売買をしない投資家層でみても、年末に一回ポジションをフラット化(手持ちの現物株買いポジションを一旦整理)した向きが多かったとみられます。フラットな状態からマーケットに臨んだ短期勢は、強い上昇モメンタムが形成されて始まったことを確認し、新年を「新規買い」でエントリーした投資家も多かったことも要因でしょう。さらには、取引時間中に昨年11月ザラバ高値を更新したことで、モメンタムフォローの短期ヘッジファンドの買いも巻き込んだといえそうです。

そして、そうした短期筋が集まるのが、流動性の高い指数先物。その側面もかなり強かったからこそ、TOPIXより日経225が強い形での大幅上昇(NT拡大)になった所以といえます。大納会時点では12.52倍だったNT倍率は、大発会で12.61倍まで拡大。しかも日経225の高値引けと一緒に、NT倍率も高値引け。これだけの大幅高となると、買い手は間違いなく外国人投資家でしょうが、その外国人が急いで買ったのが日経225だったといえます。

これは、翌5日も同じ。後場から急に上がり始めましたが、前場こそ12.57倍まで低下していたNT倍率が再上昇。日経225が高値を付けた14時15分とほぼ同タイミングでNT倍率は12.62倍の高値を付けています。東証1部の売買代金も大発会の4日、翌5日とも3兆円を超える大商いですが、外国人が急いで買ったのは現物株ではなく、「日経225」である可能性が高いことは間違いありません。

「日本企業の業績が良好だから」という理由で今年の株高を期待する向きは多いですが、たしかに3月期決算の見通しが出る5月に向け、決算を期待したプレポジションは作られるでしょう。ただ、それをわざわざ大発会の株価が大きく上がっているところで作る必要があるのか?そんなことを海外年金のような長い資金がするのか?という点には疑問が残ります。そして、業績を理由に買うなら、日経225なのか?という点に違和感もあります。

強烈なモメンタムは上方向にかかっています。調整したら買いたい向きも(これは日本の個人投資家中心に)多く、ETF買いの年間枠がリセットされ6兆円が丸ごと復活した日銀の存在もあり、随分高くなったからという理由だけでの安易なショートは厳禁でしょう。とはいえ、需給が変化することも多いSQ(今週はオプションSQ)も週末控えるなか、日経225に“買わざるリスク”を感じ、焦って飛び乗る必要もないのではないでしょうか。調整しそうだけど、調整するタイミングが予想しにくい・・・だから「上げ潮に乗っちゃえ」的なトレードは、「よくわからないけどビットコインを買う」のと変わりません。まだ2018年相場は始まったばかりです。今週の想定レンジは23500円~24300円、今後1カ月のレンジは23200円~24500円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「岡村友哉の日経225ここだけの話」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

株価指数CFDをご検討の方へ マネースクエアはあなたの資産運用のパートナーとして、革新的なアイデアを提供し続けます。
各種取引ツール M2J株価指数CFDでご利用いただく取引ツールについてご案内します。 各種トレードツール
ページトップへ