岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/12/25 16:09日本株の最大の買い手は来年も日銀か

日経225 現物指数 終値22902.76円(12月22日)
安値 22728.06円(12月21日)/高値 22990.42円(12月19日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/12/22

(先週の振り返り)

就任後、特に成果を残せていなかったトランプ米大統領でしたが、ついに20日、税制改革法案が上下両院で可決されました(大統領の署名後、年明けにも発効する見通し)。レーガン税制改革以来となる約30年ぶりの大規模減税が決まった先週、日経225も週間で349円高と大幅高に。ただ、週明け18日が348円高ですので、先週の上昇分の全てが月曜日の上昇分。その後は、まさにクリスマス休暇前モード、「閑散に売り無し」としか表現しようがない1週間でした。

米国の税制改革法案がまとまる方向になり、前週末の米国株が最高値を更新。特に、下げがきつかった米国のハイテク株の上昇が目立っていたこともあり、週初18日(月)は日経225もロケットスタートに。日本企業にとっては、共和党の修正案で物品税の導入が見送られたことも輸出株にとって買い要因といえます。朝からハイテク株が戻したほか、金融改革への期待から日本の金融株も総じて上昇。減税カウントダウンをハヤした1日でした(ただし、前週に一斉安となった通信キャリア株などは全くリバウンドせず)。この日の上昇幅は348円で、終値は22901.77円。

一足早いサンタクロースラリーの様相になっている強い米国株に引っ張られ、19日(火)も日経225は飛び出し良好。ただ、日経225が22990円を付けると、途端に跳ね返され、結局この日は陰線を引きながら小幅安となりました。なお、この日の前場のTOPIXは0.07%安と、日銀ETF買いが入る「0.1%以上の下落」の基準を満たせず、この日は33円安。

翌20日(水)は、23円高で前日の下げを少しリカバーしました。米税制改革法案が下院で賛成多数にて可決。可決したとはいえ、法案の3か所に問題が見つかったため、採決自体はやり直しに。ただ、やり直すとはいえ結果に影響は無さそうなため「週内の税制改革成立」の確度はアップ。前日夜の米国株はプチ出尽くし的反応ながら、米長期金利が上昇したほか、為替も米ドル/円で113円台に乗せていました。日経225をここから売る理由はほぼ無い状態でした。

日銀の金融政策決定会合の結果待ちとなった21日(木)。政策自体は現状維持がコンセンサスで、無風と見られていましたが・・・11時46分に結果が判明すると、直後は日経225もやや買いで反応。前場のTOPIXが0.17%安で、日銀ETF買いが入ることも確定的だったということも、昼休み中の結果判明後に先物が買い優勢になった理由といえそうです。結局、日銀会合の結果が出た日、日銀がETF買いで後場支えるという、孤軍奮闘(自作自演?)な1日でもありました。この日もクリスマス休暇モードで、日銀以外の積極的な買い手は不在といった雰囲気。日銀会合の結果も出たことで、日経平均のVIも低下しました(終値ベースで9月22日以来となる14ポイント割れ)。日銀会合デーながら、板がスカスカ。さらにボラティリティも低下したわけで、本格的なクリスマス休暇モードを確信させる1日になりました。

週末22日(金)も引き続き売る理由はなし(一方で、23000円がちょっとした壁になっているため買う理由もなし)。米議会下院で来年1月19日までの暫定予算案を可決し、政府閉鎖を年内は避けられる見通しになった点はポジティブといえばポジティブではあるものの、これも既定路線のためノーサプライズ。その中にあって、東京時間における「人通りの減少」だけを感じさせる1日でした。

(今週の見通し)

クリスマス休暇で海外勢が減ることもあって、東京市場もシャッター街の寂しさを纏うこの時期(ビットコインだけは激しくダイブしているため、年末気分そっちのけといった感じですが)。

それにしても日経225、年末まで高値圏から離れることなく価格を維持しましたね。12月第2週まで外国人は6週連続売り越し。その6週間を日経225は「14円高」と、わずかながらプラスで推移できたのは大きいです。自社株買いが多かったこともありますが、なんといっても日銀買いの効果。外国人が売っても下げない日経225、を改めて証明した1年の締めくくりといえそうです。

トランプ米大統領が先週末22日に署名したことで、大型減税法案が成立しました。減税効果によるEPS押し上げが、来年の米株のファンダメンタルズ的な買い要因といわれています。地域別の予想PERは、Quick集計によれば米国が21.2倍です。これに対して、ドイツが15.2倍、フランスが17.3倍、英国が13.8倍、そして日本(東証1部)が16.97倍。米国が高いのは、来期の減税効果をすでに織り込んでいるからです。減税効果はこれから織り込むわけではなく、すでに織り込んでいる・・・そう考えると、やはり高株価を維持している米国株の行方に、来年も一層神経質になりそうではあります。

では仮に、米国株のバリュエーション修正が1割程度の調整という形で進んだとします。今期予想PERで19倍程度まで調整したとして、では日本株もそれに近い1割程度の調整をするか?といえば、そうとも言えないのが今の日本株です。今、日経225のPERは15.16倍(TOPIXより低い)です。「来年も増益で、EPSは1600円を超えるため、これに16倍をかけたら2万5000円は超える」的な解説はよく見ると思いますが、こんな考え方全く意味がありません。なぜか?それは、前述の外国人が売っても下げていない(日銀が買っているから)ことが表す通りで、日本株の最大の買い手はきっと来年も日銀だからです。

その日銀が、PERを意識しながらETF買いを入れていますか?入れていません。常に前場のTOPIXの下落率だけで後場の発動の有無を決めています。この年間6兆円買い付けにおいて、まったくPERなんて考慮されていないのです。米国株が調整し、それに合わせて日経225のPERが14倍まで低下したら、「割安だからたくさん買おう!」という判断を下すわけではない投資主体が日銀です。逆にいえば、米国株がなお上がり、日経225のPERが18倍、20倍とエスカレートして上がっていったとしても、「割高だから売ろう!」という判断を下すわけでもないのです。仮にPER20倍を超えても、前場のTOPIXが下げた日には粛々とETF買い付けを行うのが日銀です。

そんな投資主体の存在が、日経225をファンダメンタルズとは関係なくプライシングしてしまうのが今の日本株市場であって、おそらく来年も同じだろうと推測されます。今年の本コラムで何度も、日経225の安易なショートは厳禁と指摘しましたが、これは来年も変わりません。ここ数年、新年最初に崩れることが多いですよね。今年も初動が悪かった場合、ショートで入りたくなるのがトレーダーの心理だと思います。ただ、これも深追いはやめておいたほうがいいでしょう。価格が割高か、割安か、といった概念を持ち込むだけムダな市場になってしまっているわけですから・・・。

なお、本年最後のレポートになりますので、来年のレンジを考えるうえでのヒントも書いておきます。仮に、年末の日経225が23000円とします。その場合の来年の上値メドは最大28000円、下値メドは最大18000円というメドをまずは立てられます。あまり動かなそうだ、という1年であっても、1年でみれば日経225は結構動きます。日経平均が1万円を超えた2013年以降、5年連続で日経平均の上下値幅は4000円以上になっているのです。今年、2017年は12月22日時点で上下5157円幅です。直近5年の平均をとると4862円。絶対額が大きくなっていることもあり、来年の上下値幅は5000円を基本線にしておくべきでしょう。上値メドを最大28000円というのは、仮に2018年の安値を大発会に付けた場合。逆に、大発会が2018年の高値になり、1年通じて調整した場合の下値メドが18000円という目算になります。

まあ、1年の高値安値を予想するというような、現時点で予想しても不毛なことは占い師に任せておけばいいこと。このコラムを読んでくださっている皆様は、目の前で起きていること、目の前の変化をコツコツ吸収しながら、相場感を養ってください。短期の予測の積み重ねが長期の予測になります。1月第1週までの想定レンジは22300円~23400円、今後1カ月のレンジは22000円~23800円とします。

最後に、今年も1年ありがとうございました。皆様、良き新年をお迎えください。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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