岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/12/18 16:08クリスマス、日経225は押し上げられるか

日経225 現物指数 終値22553.22円(12月15日)
安値 22478.32円(12月15日)/高値 22994.33円(12月12日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/12/15


(先週の振り返り)

クリスマス休暇も近づき、まともな海外投資家は徐々に市場から退出するシーズン。また、海外投資家の一部は、顧客に資金を戻すシーズンでもあります。年初から3500円近く上昇した1年・・・その後始末は「売り」に傾きがちだと考えられますが、まさにそんな雰囲気を週末にかけて漂わせていました。12日(火)~15日(金)まで4日続落で、いずれも日経平均のローソク足は「陰線」。とはいえ、せっせと日銀ETF買いで支える構図にも何も変化はありませんが・・・。

週初11日(月)、早朝のCMEで日経225先物(円建)が一時23085円まで上昇。再び高値へGO!の週になるか?とチラつかせて始まった1週間でした。ただ、大阪取引所の先物は22870円スタートとさほど上がらず、東京時間の現物の開始直後、一度収まっていた東京エレクトロンやSUMCOなどのハイテク売りが突如再開。いきなり気勢は削がれます。ただ、前場のTOPIXがマイナスだったことで、後場は日銀ETF買い効果が発現。年末モードで売買が減るなか、明らかにETF買いで前日比127円高した1日に。週末の雇用統計を評価して買われたと表現するのは到底無理な展開でした。


12日(火)は、FOMC前で様子見ムードもあるなか、メガバンクを中心に銀行株がしっかりでした。セクターローテーションなのか、FOMCでの利上げを想定した金融株買いなのか・・・。日経225は前日比72円安で終えましたが、地合いが悪い印象はとくにないまま終了。プチ波乱が起きたのは翌13日(水)でした。この日も、連日メガバンクが強く、TOPIXがしっかり。地合いは堅調だったのですが、東京時間の午前10時、接戦が予想されていたアラバマ州の上院補欠選挙の投票が締め切られました。

この時点で日経225のVIは上がっておらず(むしろ低下)、イベント自体への警戒感はとくに無かったといえます。ただ、開票結果がメディアを通じて徐々に伝わるなか、序盤リードしていた共和党のムーア候補と民主党のジョーンズ候補の差が縮まっていきます。そして、開票率が8割を超えたところでジョーンズ氏が逆転。上院の1議席が持つ意味は現状大きいこともあり、投票結果のサプライズを受けて日経225に仕掛け売りが加速します。この日の高値22880円から安値22650円まで、上下230円幅で崩れ、結局この日もマイナスで着地。

翌14日(木)は、為替市場で進んだ円高が重しに。米国の11月CPIコア指数が前月比0.1%上昇と予想を下回り、さらにはFOMCを受け円高が進行。政策金利見通しが9月の「2018年3回、2019年2回」から変化が無く、市場予想よりハト派的と捉えられたことで米長期金利が低下。米金融株が下落したことを受け、日本でも前日まで買われていたメガバンクが大幅安に。ただ、前日にアラバマ州の補欠選挙の結果を受けて売られていたこと、税制改革法案の暫定案に上院、下院で合意したと報じられていることもあり、積極的に指数を売る動きにはなり得ません。また、前場のTOPIXが0.1%安と微妙なライン(最近では0.11%安のときは買っているが、0.09%安のときは見送られていたためその中間)でしたが、日銀はETF買いを発動(つまりは0.10%安以上の下げなら買うということが判明)。これも支えになり、この日の日経225も63円安と小幅な下げに留まりました。

ただ、指数は支えられても、その構成銘柄ではソフトバンクやKDDIが大きく値下がりしていました。この日、一部朝刊で楽天の携帯電話事業への参入が報じられ、前引け後に楽天も正式に発表。13年ぶりとなるキャリア参入の報道を受け、競争激化で収益が目減りする懸念がNTTドコモを含めた3社に直撃します。これは、週末も勢いを増し、15日も朝から指数ウエイトの大きいKDDIやソフトバンクが大幅安。15日の前場時点では、通信大手3社で日経225を65円押し下げ、前場200円安となりました。後場に、一部外資系通信社(の、一昨年や昨年に市場をミスリードする記事を会合前に書き有名になった記者)が日銀に関する記事を流したことで、CTAと見られる短期筋が日経225を買い仕掛け。これでまさかのプラス転換(一時22745円まで上昇)となりましたが、このときも単なる指数買い(KDDIなど通信大手の株はほとんど戻していなかった)。買い仕掛けて、一気に売る、という短期筋の動きに翻弄されただけで、結局は14時に付けた高値22745円から大引けまで1時間で190円程度下落。「ビットコインより、よほどひどい・・・」、そんな値動きの週末でした。
 

(今週の見通し)

今年も残すところ2週間、営業日ベースで10営業日。カウントダウンに入るなか、トランプ政権による大型減税という最後のカタリストを消化するのみとなりました。減税規模は10年で1.5兆ドル、「物品税」の導入が見送られた点などは日本の輸出企業にとってもポジティブ。トランプラリーの最大のカタリストでもあった税制改革法案が、ついに今週内にもまとまるようです(まだ否決の可能性もありますが)。採決は下院が早ければ19日、上院が20日とのこと。クリスマス前に決着する粋な展開が有力視されています。

米議会共和党が税制改革案の修正案で合意した先週末も、NYダウは最高値を更新。とりわけナスダック総合指数や半導体のSOX指数が1%以上の大幅高となっていて、法案可決を目掛け、まだ株に対してリスクオンムードです。確実視されてはいるとはいえ、まだ可決していない・・・まだイベントドリブン戦略は完結していないといえます。

それが今週可決した場合、米株がどう動くのか?これが全てです。さらに上昇し、来週からのサンタクロースラリーに弾みを付けるのか、それとも「セル・ザ・ファクト(事実で売り)」で下がるのか・・・これがわからない。その意味では、すごく重要な節目といえますね。減税策の決定を目掛けて米株ロングを積み上げ、決定を確認して売るつもりのプレーヤーが中心なのか?それとも、減税以後のEPS拡大というファンダメンタルズを理由に長期ホールド前提のプレーヤーが中心なのか?強い米国株の真意を探る重要な局面といえます。

なお、日経225でいえば、ここから年末にかけて下げにくい理由もあります。まず、外国人投資家が現物+先物で12月第1週まで5週続けて売り越しであるということ。つまり、価格決定力を持つ外国人は、足元「売り手」であるということ。クリスマス休暇でその外国人の参加者が減ること自体はポジティブですよね、売り手が減るわけですから。「外国人がクリスマス休暇入りするため、上値が重くなる」というありきたりの解説は、間違いです。閑散に売り無し的な空気が作られることは、今の日本株には好条件といえます。

また、日本時間に日経225が上がりやすくなる要素として、「節税対策売り」の存在も挙げられます。今年は一時26年ぶり高値を日経225がとりました。上昇相場だったなかで、実現損益がプラスの投資家とマイナスの投資家を比較すれば、圧倒的に前者が多いでしょう。その前者の実現益は、含み損の株やETFを年内(売買日ベースでは12月26日が最終)に売却しておくと、利益を圧縮することができます。この節税目的の売りは、高値圏にある日経レバETFでは出来ません。損をしているポジション・・・日経225でいえば年初来安値圏にあるダブルインバースETF(日経225の変動率のマイナス2倍動くETF)です。これを損切りする日本の投資家が相当な数存在すると目され、日経225に弱気のポジションの損切り(=先物買い戻しと同等のインパクトをもたらす)が、結果的に日経225を押し上げるという皮肉な需給要因につながる公算は大きいといえます。想定レンジは22500円~23200円に100円ずつレンジを引き上げ、今後1カ月のレンジ22000円~23800円とします。

(おしまい)

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※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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