岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/12/04 12:50外国人買いが止まっても、大きくは下げない日経225


日経225 現物指数 終値22819.03円(12月1日)
安値 22363.94円(11月20日)/高値 22994.31円(11月22日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/12/1

 

(先週の振り返り)

1年で最も上がりやすい週といえる「11月最終週」ですが、やはり強かった・・・。先週は週間268円高でした。また、週末1日は12月の月初営業日。この日も94円高となり、「月初の日経225が上昇」は18カ月連続に記録を伸ばしています。安易にショートでエントリーするのはやはり危険でしたね。11月最終週は上がりやすい、これは来年のこの時期にも忘れないようにしてください。そして、月初の日経225が上がる習性を持っていることは来月もお忘れなく!

週初27日(月)の日経225は、前日比100円高と強くぶつかってスタート。感謝祭明けの米国株が短縮取引の中でも堅調に高値を更新したこと、心配されていた円高も一服したことを受けて好発進。ただ、最近の毎度のパターン(レンジ形成時の典型パターン)で、高くぶつかると押し戻されます。ほぼ寄り付き天井で、そのままマイナス圏へ・・・。足元で崩れていた中国株が下落スタートしたことも、売りに拍車をかけました。この日のTOPIXの前場下落率は0.09%で、日銀ETF買いは見送られていました(おそらく、今の買い入れ基準は前場0.1%以上TOPIXが下落した日)。


28日(火)は、下げる→上げる→下げる、と忙しない動きに。この日は、指数構成銘柄の中でも、東京エレクトロンを筆頭に、これまで上がっていたハイテク株の下げが強烈でした。かなり大きな投資家が、大規模な利益確定売りに動いたのは確実。一方で、出遅れていたメガバンクを中心に鉄鋼などバリュー株に買い資金が流入。何かが売られても何かが買われれば、日経225など指数においてはニュートラルです。米ドル/円が110円台と円高方向にもかかわらず、バリュー株に該当するトヨタやホンダなど自動車株は買われていたので、為替無視のセクターローテーション的な動き、もしくは、ロングショートの大規模な解消が起きているといえます。

29日(水)は大幅ギャップアップでスタート。この日は早朝3時台に北朝鮮が2カ月ぶりのミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に着水。北朝鮮リスク再燃ですが、株式市場はほぼ無視状態でした。それよりも、前日のNYダウが255ドル高となったことによるリスクオンが圧勝。次期FRB議長のパウエル氏が公聴会で、今後の金融政策運営は緩やかに正常化へ向かわせるイエレン議長の路線を踏襲すること、そして銀行規制については「現在、十分に厳しい」として今後緩和していく姿勢を示したことが手掛かりでした。米国ではJPモルガンやゴールドマン、ウェルスファーゴなど金融株が一斉高。日本も連日、銀行株が主導する形で始まります。なお、東京時間内では東証の昼休み中「北朝鮮国営メディアが午後零時半から重大報道を行うと予告した」と伝わりました。昼の先物タイムに伝わったことで、短期筋が米ドル/円売り、日経225売りで動きましたが、内容は早朝のミサイル発射に関することだったため、ここで作られた短期のショートが買い戻される形で大勢に影響なし。

11月最終日の30日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方、NASDAQ総合指数が実に3カ月半ぶりとなる1%を超える大きめの下落率に。世界的な半導体株売り、ハイテク株売りの流れが雲行きを怪しくしていたなか、追い打ちをかけるように日本でも東京エレクトロンや安川電機に売りが殺到(ややセリングクライマックス感も)。一方で、この日もメガバンク中心にバリュー株は買いで始まります。やや過剰気味な反応で始まったハイテク売り/金融株買いの動きも一巡したあとは、前場はTOPIXの下落率0.16%で終えます。日銀ETF買いが後場入ったこと、あとはハイテク株が下げ渋る展開になったこともあって、後場に急速に上げ幅を拡大。大引けでは、MSCIの定期銘柄入れ替えに伴うリバランスで商いも膨らみ、終日の売買代金は4.5兆円にのぼりました。

下がると見せて、短期のショートを呼び込み、そのショートを燃料に後場上がる―この動きが前日に続いて週末1日(金)も繰り返されます。前日のNYダウが331ドル高となり、米長期金利も上昇。主導するのは金融株と、まさにトランプラリーの形で返ってきたことを受け、日経225も朝イチでは22900円台を超えて始まります。前日夜の米国市場のリスクオンは、上院の税制改革法案に反対していた共和党のジョン・マケイン上院議員が賛成に回ると報道されたことが理由とされていました。その上院本会議の採決が、東京時間が始まって少ししたタイミングで「1日程度先送りされた」と伝わり、空気は一変。23000円にワンタッチしていた日経225先物は、高値から安値まで実に330円幅で下落します。つまり、「下がると見せて・・・」というやつですね。ここで短期ショートが作られたといえるわけですが、その売りを燃料に後場戻します。前場のTOPIXが0.12%安と程よい下落率になったこともあり、後場は日銀ETF買いと短期筋のショートカバーで持ち上がった、そんな需給環境にあったといえそうです。


(今週の見通し)

9月以降のラリーにおけるリーディングストックといえば、東京エレクトロン。この銘柄が先週10.9%も下落したほか、日経225の非採用銘柄でも任天堂やキーエンスが大幅調整。ラリー時に買い越していた外国人投資家が買っていたと目される銘柄が大きく下げているわけで、なんらかのポジション調整が進んでいるのは明らかですね。一方で、出遅れていたメガバンク中心に買われるセクターも出ていますので、今起きているのはリターンリバーサル。何かが売られても何かが買われることで、日本株市場からの資金流出は回避しているため、日経225など指数にはニュートラル。ただ、やはりポジション圧縮、利益確定が進んでいるとすれば、日経225は利食い売り対象なのではないかとも思いますが・・・。

先週末2日に、米議会上院で減税案が可決されました。これを受け、週明け4日早朝の時間外取引で、CMEの日経225先物は22940円という高値を付けています。この時間帯には米ドル/円も113円に接近。順方向に反応はしましたが、これで強くぶつかっても、上値を買う人が出てこないのは最近のパターンです。ヘッドラインに短期筋(アルゴ?)は初動を作りにいくものの、それに追随してリスクをとる人間がいない、という感じでしょうか。人間は考えます。次に上下両院で両院協議会を開く見通しですが、「法人税の引き下げはいつからなのか?」を人間は気にします。こちらについては、ブローカー予想でも「上院の2019年で折り合いを付ける」というコンセンサスがあるようです。税制改革法案が成立に向かっていることはポジティブといえ、コンセンサス通りの着地点を見出すなら、一旦の出尽くしを人間は意識するのではないでしょうか。

週末の米国市場では、またしてもロシアゲート問題(前大統領補佐官のマイケル・フリン氏がトランプ氏にロシア接触を指示されたと裁判所で答弁へと報じられたため)が浮上しています。これ自体は日本株の売り材料になるのかわかりませんが、米国では8日(金)に暫定予算の期限を迎えます。また、週末8日の雇用統計に向けて経済指標が続くほか(材料としては弱い)、日本では週末8日がメジャーSQでもあります。これまで作ったポジションの巻き戻しが進むタイミングになりやすいともいえるでしょう。上値は重たいのが前提。

一方で、前場のTOPIXが0.1%以上の下落率で日銀はETF買いを行うようになっています。これは、10月に消化不良を起こした反動で、買い付けペースを上げているためです。先週発表された投資主体別売買動向をみても、11月第3週は外国人と個人が売っていながら、日銀ETF買いと自社株買いで支えて週間では154円高を実現していました。外国人買いは止まっても、大きく下げない(むしろ上がっている)相場が変化するとも到底思えず、引き続きショートから入るのは厳禁でしょう。

米国では先週、ゴールドマン・サックス・グループのレポートが注目されました。株式の高く押し上げられたバリュエーションを指摘し、「楽しいことは必ず終わりが訪れる。弱気相場がやがて訪れるだろう」と警告。日本でも同じことがやがて声高に指摘されるのでしょうが、それが来年にも表面化してくるのか?どういう形で襲い掛かってくるのか?は来年以降におあずけでしょうね。想定レンジは22300円~23000円に100円ずつレンジを引き上げ、今後1カ月のレンジを21900円~23400円とします。

(おしまい)

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