岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/11/20 14:23警戒感強まり、下値メドは難しい!?

日経225 現物指数 終値22396.80円(11月17日)
安値 21972.34円(11月16日)/高値 22757.40円(11月17日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/11/17

(先週の振り返り)

日経225は株価指数のため、ファンダメンタルズ的なアプローチも出来ます。ただ、今は無理ですね。需給でしか動いていない。その意味では、ビットコインと大差無いレベル。そう割り切り、需給だけで上下した日経225の先週の動きを振り返ります。

週初13日(月)の東京時間の出足は、比較的落ち着いた雰囲気でした。前場のTOPIXは0.49%の下落だったため、後場は日銀ETF買いが確実視される状況。このまま穏便に終わるかと思いきや、大引けに向けて値が崩れ、日銀ETF買いも歯が立たず、日経225は安値引け。この日の先物手口では、日経225先物をモルガンスタンレーが1833枚売り越し、クレディスイスが961枚売り越し。また、TOPIX先物はJPモルガンが3437枚の大幅売り越しでした。ヘッジファンドを中心とした海外勢が、すでに先物売りに姿勢を転じていることを示唆する手口といえます。

前の週(9日の高値波乱で)ボラティリティが復活した日経225に、短期の投資家が群がり始め、値動きが短期の需給に支配され翻弄され始めます。こうなると、海外株、金利、為替の変動が日経225の価格決定要素として非常に弱いものになっていきます。14日(火)も前場のTOPIXが0.14%の下落で、日銀のレートチェックの条件的には(今月でいえば)買いそうな下落率。それにもかかわらず・・・この日も大引けにかけて崩れ、「14時半以降の下げ」に対する警戒感が強まります。先物主導でランダムに値段が替わるため、「ポジションを長く持てない」状態になり、ほぼ全員が短期筋になるため。連日で夜間に日中より安い値段を付けていたこともあり、日中取引が終わるまでに短期ロングを外す動きが引けにかけて出やすくなっていたようにも思われます。

これは15日(水)も続きます。この日まで日経225は6日続落。これまでの上昇も先物主導、だからこそ6日続落の場面も先物主導になります。その先物では、前日分の手口ではTOPIX先物をJPモルガンが8428枚売り越しでした。先物主導でも、外国人の先物買いが変調していることを想像させるには十分な手口。この日はTOPIX主導で下げを広げ、日経225も大きく崩れながら、TOPIXのほうが大きく下がる形でNT倍率が上昇(一般的に悪いNT拡大と言われます)。前場のTOPIXが1.4%と大きい下落率となるなか、後場は連日の日銀ETF買い。まさに、ラリーが始まる前、9月前半までの通常時の相場付きに逆戻りしました。

買い手の中心はこの3日間、日銀になりました。前の週の週末を含めると、4日連続で日銀ETF買いが入り、そして大引けにかけて崩れていました。連日で15時~15時15分の先物タイムに下げていたこと、そして16時半から始まるナイトセッションで下げ幅を広げていたことが共通点。ということは、先物の売り手は現物市場が閉じた時間帯に売り崩そうとする意図を持っていることが透けて見えます。現物市場が閉じれば、裁定取引ができません。また、1発700億円強の日銀ETF買いも需給的な下支えとして強力。これが入る後場の時間帯を避け、日銀不在で崩れやすくなった時間に売りを入れてきていることが想像されます。なお、TOPIX主導で崩れた15日も、先物手口ではTOPIX先物をゴールドマンサックスが2148枚売り越し、JPモルガンが2137枚売り越しと、海外勢のロング縮小が進み始めていることを意識させるものでした。

一転して反発したのが翌16日(木)。前日夜の米国株指数は小幅安で、VIX指数も大きく上昇して返ってきます。税制改革案の下院の投票を控え、イベントに備えるような動き。これを米国時間で確認できたことが、逆に東京時間では「イベント通過→巻き戻し」を先回るような雰囲気にしたように思います。11月に入って4日で926円上昇したあと、前日まで6日で909円下落。ほぼ全て溶かしたこともあり、リバーサルが一旦広がるタイミングになったようです。この日は322円高、特に理由もなく・・・。

米国下院では、法人税率を35%から来年20%に引き下げることを盛り込んだ税制改革案を可決。トランプ米大統領が目指す年内の税制改革実現に向けて前進したとの解釈から、米国株は上昇で反応しました。とりわけ、NASDAQやラッセル2000の上昇率が大きくなっていましたので、(ウォルマートの好決算や10月の鉱工業生産指数の強い伸びなども重なりましたが)税制改革を巡る警戒感の緩和による巻き戻しが上昇のカタリストといえるでしょう。受けた17日(金)の日経225も、月曜~水曜で653円下げた分を、前日とこの日で全部取り返す格好に。ただ、この日の上げも需給主導でオーバーアクション気味。東京時間が始まると、米ドル/円が一貫して下落しているなかでも10時過ぎまでほぼ無視、日経225だけ指数買い主導で上昇。ここで週間高値を付けましたが、唐突に需給が急変。10時過ぎに付けた高値から、日中安値まで、短時間で400円超も水準が低下します。13時過ぎ、安倍首相による所信表明演説が始まったタイミング辺りまで売り仕掛けが継続。その後幾分持ち直すも、相変わらず上下に値動きが粗すぎる(雑過ぎる?)日経225・・・。


(今週の見通し)

やはり、11月9日の乱高下はひとつのターニングポイントになったといえます。日経225が上下859円動いた高値波乱を経て(しかも今年のザラバ高値もあの時の23382円)、むやみな上昇に対する警戒感が強くなったといえそうです。

値動きが上下に激し過ぎる、しかも材料や為替無視で単体の需給で脈絡なく動いている・・・。これを目の当たりにし、多くのプレーヤーが先物売買のエントリーを避け始めているように思います(参加者が減少)。当然、この動きの中では1日のレンジを決められないため、指値を入れる人も激減します。そのため、常時、板が薄い状態になっています。だからこそ、ヘッジファンドによる短期の仕掛け的な売り買いでますます振れやすくなる・・・そしてまた遠ざかる投資家が増える・・・これの堂々巡り。

そのなかにあって今後のレンジを決めるのは難しいことですが、ひとまず①「先週10週ぶりに週間上昇がストップした」②「先々週(日経225が高値を付けた週)に外国人投資家が9週ぶりに売り越しに転じていた」、この2点だけを理由に、ラリーは終了したと判定したいと思います。業績発表が出揃い、日経平均のEPSが1530円台まで拡大した・・・業績相場だからまだ上がる、というような意見も目にしますが、EPSは確かに上がりましたが指数もそれ以上に上がっています。こういう意見は無視し、需給を最優先するなら、小幅とはいえ外国人が売り越しに転じたことは大いに意味があるでしょう。年末までのレンジ上限を2万3000円で固定。

一方で、下値メドが難しいところ。例えば、大きく調整が入った先週、日経225が2万2500円を割れ、2万2000円を割れる過程で空売り比率が43%レベルまで上がりました。これまで空売り比率43%というのは、その前後の安値を付ける過程で記録していた数値です。それが、年初来高値圏といえる2万2000円台で記録するようになっているのが今の相場。この程度の調整でも新規売りが作られているということで、ここで作られた売りがこの先の買い戻し余力として機能するのも相場です。上昇が止まった途端、連日日銀ETF買いが入っていますが、これが下支え効果を持つのも不変。このことから、今後1カ月のレンジは21500円~23000円とします。ここからも大崩れは起きないでしょう。

今週は23日に感謝祭の休場があります。休暇に入る投資家が手前で作ったポジションを縮小することが予想されます(実際縮小するかどうかは別として)。日経225にまつわるポジションは売り買い交錯しているように思われ、ポジションの縮小自体が単純にロング外し=下落要因とは言えないでしょう。ただ、先週末に発表されたCFTCの投機筋の円売りポジション(通貨先物)が、11月14日時点で13万5999枚とさらに拡大。過去のピーク水準に迫る円売りが溜まっていることは視覚に訴えるものがあります。米ドル/円が上がりにくそうだ、という相場感を働かせるプレーヤーが多そうで、これが重しになりそう。今週の想定レンジは21900円~22600円とします。


(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

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