岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/10/30 11:23外国人売りのタイミングを探る一方、日銀ETF買いにも注意か

日経225 現物指数 終値22008.45円(10月27日)
安値 21614.51円(10月23日)/高値 22016.50円(10月27日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/10/27

(先週の振り返り)

週末を2万2000円台でフィニッシュ、凄まじいの一言です。先週のコラムではレンジ上限を2万2000円にしてはいましたが、実際に届くとは思っていませんでしたから・・・。アベノミクス相場が始まり、日経225は2万円を付けました。そこから10月13日の2万1000円に乗せるまで、1000円幅上げるのに約2年半かかりました。その2万1000円に乗せてからが凄まじい速さ。2万2000円までの1000円幅にかかった日数はわずか「10営業日」でした。凄まじい・・・。

日経225の歴代最長となる連騰記録更新がかかった23日(月)。前日投開票のあった衆議院選挙で、与党の獲得議席が3分の2の310議席を超えたことを受け、250円強のギャップアップで始まります(始値21709円)。このギャップアップした分の半分程度は、前週末の米国株高が材料でした。2018会計年度の予算案の上院通過を受け、税制改革の実現への期待から米株高、米ドル高が進み、夜間に先物で21560円まで上げていたからです。それでも夜間より高く始まったのは、海外勢による選挙通過を受けた買いが旺盛だったことを示唆しています。「選挙は買い」で動いたイベントドリブン型のヘッジファンドが、選挙通過後に売りでぶつけたことを想定すると、それを吸収しても買いが勝っていたということ。この日は、安倍政権の基盤が盤石になり、来年の自民党総裁選での安倍氏の3選、黒田日銀総裁の続投への期待値が高まったことなどを挙げる声も聞かれました。

24日(火)は、「今日こそ連騰記録ストップか?」と誰もが思ったのではないでしょうか(実際はまるっきり真逆の展開でした)。日本の早朝4時過ぎ、「北朝鮮が生物兵器を開発している可能性がある」とNYポストが報じたことを受け、直後に米ドル/円と米株が下落。一旦調整に入るのでは?と誰もが意識した東京市場のスタートでしたが、寄り付きから26円安と下げは軽微でした。むしろ、ひさびさの調整(15連騰中でギャップダウンしたのは3回だけ)を受け、指数ではなく、出遅れ業種の銀行や商社などを物色する動きが目立ち始めます。動きの悪いバリュー株の代表であるメガバンクが上がり始めると、日本株市場は投資マインドが明るくなる傾向があります。まさにこの日はそうでした。銀行株主導で上げ始め、ひさびさにNT倍率も低下。NT拡大が収まりつつ、日経225は上げ幅を100円強に広げ、まさかの「高値引け」のオマケ付きで取引を終えました。なお、この日のNT縮小は先物の手口からも露骨。先週来買い越しが目立っていたモルガンスタンレーが「日経225先物1822枚売り越し/TOPIX先物2647枚買い越し」(NTショートの形)でした。

翌25日(水)も、ある意味予期せぬ展開に。この日は毎度の米国株高を受けて上昇・・・の朝ですが、そのなかでも文句なしトップクラスの好環境。世界景気のバロメーターとされる米キャタピラーが文句なし好決算(今年3度目の通期売上見通しの上方修正もセット)で5%高。NYダウの167ドル高は、10月では最大の上昇幅でした。また、米長期金利の上昇で米ドル買いも進み、「17連騰に死角無し!」そんなムードでしたが・・・100円弱のギャップアップで始まると(始値21900円)、そこから上値の重い展開に。寄り付き比で100円程度下げたあと、そこから大引けにかけて追加で100円下げ、歴史的な連騰記録も途絶えました。ここまでは「14時過ぎから上がる」という傾向がありました。欧州勢の参加が増えると見られる時間帯だけに、「14時過ぎから買っているのは欧州勢だろう」と噂され、この日も14時過ぎから上げ始めるのでは?と見られていました。その時間帯から、フイを突く先物売りが目立ち、結果的に短期筋が売りで追随したといった感じでした。ただ、これらは仮需の動き。実需勢(海外年金など)は銀行株などの買いで動いていたのでは?と想像させるのが現物(東証1部)の売買代金でした。この日、終日で売買代金は3.3兆円と5月以来の大商いでした。

NYダウが一時200ドル近い下げを見せるなど、不穏な気配を受ける格好になった26日(木)。ただ、この日も東京時間の寄り付きは小幅安程度で、終日しっかり。日経平均ウエイト上位のファナックが、好決算を受けて大幅高で発進したことも指数の支えになりました。とはいえ、高値圏で売り買い交錯。この辺りで止まったか?と匂わせつつ・・・週末27日(金)は160円強の大幅ギャップアップでスタート。全然止まりません。ECB理事会で来年1月以降の量的緩和縮小を決定するも、株の趨勢に影響無し。対ユーロで買われた米ドルが対円でも買われ、円安が日経225にプラス。また、米長期金利の上昇基調も継続し、これも日本の銀行株にプラス。決算発表したアマゾン・ドットコムが時間外で約8%も上昇したことを受け、「週末の米国株も強いだろう」と日本時間の朝の段階で想像できたこともプラス。週明けのギャップアップまで織り込み、海外短期筋中心に買い上がっていくような気配になり、そのまま東京時間の午後2万2000円台に到達。

凄まじい・・・。

 

(今週の見通し)

「米国株がわかりやすい変調をきたすまで、上を見ておくスタンス」と指摘してきましたが、今週は上値追いには慎重スタンスに変更します。ただ、文句なしに日経225は強く、モメンタムは上方向。ここから新規売りで入るのも得策ではありません。上値追いなら短期スパン、新規売りは見送りでいいと思います。

上昇モメンタムは強く、チープなAI分析では「今週も上昇」なんて予想になっていますが、これは直近のトラックレコードから「上昇」としか予想しようがないため。そのなかで一旦様子見が賢明と思う理由は、あまりに上昇モメンタムが持続し過ぎたためです。まず、先週まで日経225は7週連続で上昇しています(この間の上昇幅は2733円)。7週連続上昇というのは、アベノミクス相場が始まった2013年以降でも、昨年のトランプラリー時と今回の「2回だけ」と非常にレアケース。トランプラリーですら、週間上昇は「7」で止まりました。

この間に買った投資家は、トランプラリー時と同じ外国人ですよね。ただ、外国人が買った玉を一部利益確定し、その玉を国内投資家が押し目買いするというような、買い主体の分散化がほとんど進んでいない(=日柄整理ができていない)ともいえます。まだ、日本の投資家に「バスに乗り遅れるな」という空気は全く出ておらず、「外国人売り/個人投資家買い」の形に攻守交代が起きていない・・・だからこそ、まだ上がるという見方も出来ます。ただ、外国人が永久に日本株を買うわけもなく、個人投資家がいつから買いに転じるか?というより、どの辺りで外国人が売りに転じるか?を探る局面に入っているように思います。

そういう意味では、すでに相当なところまで来ているように思います。「外国人が買っているから・・・」という理由で日経225上昇を想定していましたが、既に「外国人が凄まじく買ったあとだから・・・」のステージに移行しています。これは、先週データが出た10月第3週の外国人動向を踏まえて言えることです。外国人の買い越しが始まった9月第3週~10月第3週まで6週間の累計買い越し額は、現物+先物で「4兆4578億円」に上ります。まさに外国人一手買い状態で作られた上昇です。

ただ、これほどの短期間で4兆円を超えるような買い越し規模に達したのは、そうそう多い事例ではありません。アベノミクス初期の2013年を除けば、直近では、前述で指摘したトランプラリー(16年11月第2週~17年1月第1週)時に9週間で累計4兆1472億円買い越しがあります。その前では、14年10月最終週~14年11月第3週。黒田バズーカ2&GPIF改革が重なったタイミングに、わずか4週間で累計4兆5908億円買い越しでした。2014年以降でもこの2回だけ。金額的にはこの2度の”理由を伴った上昇相場“時に並んでいます。今回は手前で売っていた分の買い戻しが相当含まれているといえそうですが、それでもデータ上はいいところまで来ている、野球のイニングでいえば8回くらいなんじゃないでしょうか。

とはいえ、じゃ、売りましょうと言えない日経225。これは、耳にたこができるほど書いてきましたが、日本株の最大の買い主体は「日銀」であるというのが揺るぎない事実。その日銀が、歴代最長の16連騰中も含め、10月に入って一度もETFを買っていないわけですから。ETF買いの残り枠(年末までに約1.4兆円)を未消化のまま10月を終えようとしています。11月と12月の残り2カ月で消化するわけですから、月間7000億円ペースで買うことができる・・・これは脅威ですね。この21年ぶり高値水準からこれまでの巡航速度(月間5000億円ペース)より早いペースで買わないといけないわけで、①1回当たり買い付け金額の増額、②買い付け基準の緩和(例えば前場TOPIXが0.1%未満の下落率でも買う、など)が想定されます。これが押し目買いをしたい日本の投資家に押し目買いのチャンスを潰す形で、下支え役になることでしょう。なお、今週は、国内企業の決算発表シーズンに入るうえ、30日~31日に日銀金融政策決定会合が予定。米国でもアップルなど決算発表は多く、週末には雇用統計、またFRBの次期議長の人選もそろそろ出てくる見通し。今週の想定レンジは21800円~22300円、今後1カ月のレンジを21200円~22900円に引き上げます。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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