岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/10/23 16:44日経225は「チキンレース」の様相?

日経225 現物指数 終値21457.64円(10月20日)
安値 21187.93円(10月16日)/高値 21503.85円(10月19日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/10/20

(先週の振り返り)

21年ぶり高値を付けた日経225。一度付いた勢いはなかなか止まりません・・・のまま、気付けば先週も毎日上昇。これで14連騰を達成し、歴代最長記録に並びました。10月に入り、負け無し14連騰。日銀ETF買いの手も借りず、まさに自力の14連騰。にもかかわらず、連騰記録を伸ばせば伸ばすほど市場参加者のシラケムードも強まっていたように感じます。18日~20日の3日間は、東証1部の値上がり銘柄数より値下がり銘柄数のほうが多い状態でした。強いのは指数(先物)だけ。とある株のディーラーからは、「日経225だけ強い。もう勝手にやってろ(笑)」なんて声も聞かれました。

週初16日(月)も、衆院選を前にした情勢記事が好感されたようです。毎日新聞の電子版が「(自民党が)単独で300議席を超える可能性がある」と報道。これが外国人投資家の指数先物を中心とした買いに弾みを付けたとの解釈がもっぱらでした(当然、上がったことを受けた後講釈として市場関係者がこの解釈で落ち着いたという話)。日経225は100円高で、先週一番上がったのはこの日でした。

ここからは「日経225上がる→欧州株上がる→米国株上がる→日経225上がる・・・」の(新興国株も交えた)世界同時株高サークルの輪の中で、日経225も必然的に水準を切り上げていきます。前日のNYダウが特段目立った材料のないなか2万3000ドルの手前まで上昇。また、米ドル/円が112円台を回復したことも追い風に、17日(火)は100円近いギャップアップとなり21352円で始まります。ただ、そのあと一時21230円まで上げ幅を縮小。今回の日経225上げのシンボルストックだったソフトバンクなど個別株の利食い売りで押されます。東京時間は利益確定売りで重たくなる・・・ただ、この日圧巻だったのが「妙に強い後場」。実際、この日の日経225は、前場の始値(寄り付き)から前引けまでが91円下落、後場の始値(寄り付き)から大引けまでが85円の上昇でした。そのためか、「欧州の投資家が早起きして間に合うのが日本時間の午後。欧州の投資家が日本株買いに動いているのではないか」といった市場関係者の声も聞かれました(実際そういうものなのかの真偽は不明)。

NYダウが初の2万3000ドルの節目突破を受け、18日(水)も小幅高で始まります。この時点で歴代3位タイとなる12連騰に挑戦。この日も、外部環境で寄り付き上げた分を一時全て失うも、かろうじて前日プラスをキープ・・・というような苦しい展開でした。この日まで、日経225の上昇と一緒に、平常時は逆相関になる日経平均VI(インプライド・ボラティリティ←平常時は日経225が下がるときに上昇)も一緒に上昇していました。これは、日経225のコールの売り手(弱気のポジション)が損失確定の買い戻しを迫られる結果、コールのIVが上昇していたためです。ただ、この日は「日経225上昇/日経平均VI大幅低下」と平常時の形に戻っていました。つまり、弱気筋を一掃するような動きが一旦収まっていたと解釈できます。そんなこの日も、後場に急に強含み、一時21400円台に。これは、動きが止まっていたなか、ヘッドラインに「桜井日銀委員、ETF買いの変更考えてない」と流れたため。ややラッキーもありながら、12連騰を達成します。

19日(木)は11時過ぎ辺りから急に強含み、ついに21500円台乗せ(この日付けた21503円が先週の高値)。前日のNYダウが160ドル高と大きめに上昇(そのうちIBM1銘柄で90ドル弱押し上げと中身は「いびつ」)したこと、米ドル/円が113円台に乗せたことが支援となります。21500円より上のアップサイドを買う投資家はさすがに少なく、高値ブレイクしてからの動き方は非常に悪くなっています。また、衆院選の投開票が迫るなか、行使価格21000円のプットなどを買う動きも活発化。選挙後の下げに備えた保険をかける動きも出てきていたようです。この日も日経225は上昇し、アベノミクス後で最長になる13連騰を達成。ただ、ヒヤリとする動きがこの日の夜間取引で起きました。夜8時過ぎ、日経225先物は一時260円安となる21210円まで下落します。

ただ、この夜間の下げの理由が、日経225の売り理由としては微妙過ぎ。スペイン政府と対立しているカタルーニャ自治州に独立宣言の可能性があるとの報道がきっかけと・・・。案の定、翌20日(金)の日経225は夜間より高い21390円と、57円安程度でスタート。米アップル株が2.36%安と大きく下げながらもNYダウは小幅高で何とかしのいでいたほか、東京時間の開始後に時間外のGLOBEXの米株指数先物が上がっていたこともあって、日経225も下げ幅を縮小します。また、10月に入って一度も発動していなかった日銀ETF買いの影が見えたこと。この日は出足が安かったこともあり、「このままいけば後場に日銀ETF買いが入りそう」というムードが広がってもいました。だからこそ、指数の値段は高くても、安易に先物をショートすることも出来ず・・・選挙前ラストだけに、事前に作ったポジションの圧縮も起きていたと思われますが、ポジション圧縮は買っていたものを売るだけではなく、売っていたものを買い戻すこともあるわけです。結局、双方の需給ががっぷり四つのまま、終わってみるとわずか「9円高」ながらも歴代トップに並ぶ14連騰を達成しました。

(今週の見通し)

息継ぎ無しで日経225は歴代最長の15連騰を記録。「少し息継ぎ(=調整)したほうが、上昇も長続きするのでは?」と多くの市場参加者が思っていることでしょう。息継ぎ無しで、上がる、上がる、上がる。買いが買いを呼び、踏みが踏みを呼ぶ・・・まさに日経225のトレーダーによる”チキンレース“の様相です。チキンレースは降りたら負け、そして降りたらもう乗れない相場。時間の経過とともに(脱落者が増え)参加者が減っていき、そのモメンタムも弱っていきます。

週末に投開票のあった衆院選。事前報道通り、与党が3分の2を超える獲得議席を手にする圧勝となりました。その手前の週末の米国市場では、2018年の会計年度の予算案が上院を通過。税制改革への進展を好感するトランプ・ラリーの形から、米株高/米ドル高となり、外部環境の後押しと相まって、週明け23日(月)の日経225は21700円台から始まりました。歴代最長記録を更新する15連騰を達成。報道通りの与党圧勝という結果だけに、「選挙後に一旦材料出尽くし」と見ていた市場参加者が非常に多かったと思います。ただ、実際の初動は「上値の追撃買い」。上がったことで、「安倍政権の基盤がさらに強靭化→来年の自民党総裁で安倍総理3選の可能性UP→黒田日銀総裁の続投可能性もUP」を外国人が好感しているようです。

「選挙は買い」で動いた海外の短期筋(HF)は多く、イベントドリブンですので、選挙後は手仕舞い(売り)。一方で、このスタンスをとる投資家が今非常に多いのですが、「結果が判明し、初動がどう動くか確認して動けばいい」という投資家の新規買いも相当入っているように思います。大きなイベントも、「初動につけばいい」が今の主流で、そして大きく下げる理由は見当たらないため「安易なショートは厳禁」これも主流。そもそも、今回の日経225の連騰中、多くの国内のプレーヤーがチキンレースに参加できなかった(記録を追い駆けていたら気付けば15連騰、21700円台になっていたという感覚が強い相場だったため)と言えます。だからこそ、オシレーター系指標が過熱感のシグナルを発しているほどの過熱感が無いのも事実です。

ヘッジファンド調査会社のHFRが先週発表したところによれば、17年7-9月期のヘッジファンドの運用資産は前四半期比で500億ドル増の3兆1500億ドルになっていたそうです。これで5四半期連続の増加。日本株市場の中心プレーヤーの運用資産自体が、株高の恩恵で自然増し、これが市場に厚みをもたらしています。ここに、日本は突然「解散」というアクセントも付き、想像しなかった高水準に日経225も変貌しました。

ここまでの上昇は、米国株を軸に世界同時で進む株高現象を屋台骨に、プラスαとして選挙があったとすれば、今後も「米国株が大きく崩れなければ」を前提にした日経225水準切り上げを想定しておく必要がありそうです。目先的には、FRBの次期議長の人選に関心があると言われますが、現状ジェローム・パウエルFRB理事の確率が高いと言われていますので、金融政策も現状維持の可能性が高く、日経225の波乱要因とは思えません。米国株がわかりやすい変調をきたすまで、上を見ておくスタンスを前提に、今週の想定レンジは21400円~22000円、今後1カ月のレンジを20900円~22500円に引き上げます。
(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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