岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/09/25 14:06感情抜きのシステム発注で先物買いが入る?

日経225 現物指数 終値 20296.45円(9月22日)
安値 20122.00円(9月19日)/高値 20481.27円(9月21日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/9/22

(先週の振り返り)

「年内は2万円無理じゃないか?」と大半の市場関係者が見ていましたが、いとも容易く(?)今週2万円の大台を回復し、高値では20481円まで上昇。うなぎ並みに掴みどころの無い日経225・・・。前週の週間634円高に続き、先週も386円高で、わずか2週間で1000円強の上昇となりました。2週間で1000円強の上昇は今年初。現物の日経225は9月21日に年初来高値を更新しました。

3連休明けの19日(火)、いきなり1カ月半ぶりとなる2万円台を回復して始まります。連休中も米国株、米ドルともに上昇。リスクテイクの流れ継続を受け、日経225で2万円台回復は想定されていました。そこに、18日や19日の全国紙各紙で「衆議院解散」の意向を安倍首相が持っているとの報道が上乗せ。「選挙は買い」の号令のもとか、海外投資家の日本株買いに拍車がかかったといえます。ほぼ寄り付きを底に上げ幅を拡大。これまで一番上がりにくかった業種である銀行株を軸に、大型株が商いを伴って上昇。これが指数を引っ張る「なんとかラリー」とその後に名付けられるような相場の初動に似た動きに。東証1部の売買代金は3.1兆円と3カ月ぶりの大きな商いとなり、日経225は389円高に(先週の上昇幅は386円ですので、先週の上昇の全てがこの日の上昇分)。

20日(水)も小幅続伸。この日の現物市場は、東証1部の大型株指数だけプラス、中型、小型はマイナスという形で、これまでの相場とは真逆の構図です。NYダウが8連騰で史上最高値を更新するなど強い米国株の支えもあったほか、スプリントの急騰を受けて指数ウエイトの大きいソフトバンク株が大幅高したことも寄与しました。ただ、足元のリバウンド局面では無視されていた北朝鮮リスクが少し浮上。国連総会で初の一般討論演説をしたトランプ大統領が「ロケットマンが自殺行為となる任務を進めている」「北朝鮮は完全に破壊される」と発言したことが発端です。ただ、この日もそこまで意識されず・・・。

先週の高値を付けたのは21日(木)の午前中でした。FOMCでFRBが10月からのバランスシートの正常化プログラム開始を発表。政策に対するFRBメンバーの姿勢がタカ派的だったこともあり、12月利上げの確率上昇とともに初期反応では米ドルが全面高に。円安を通じて日経225は買いですから、午前中は足元の勢いを保っていました。この日出る日銀の金融政策決定会合の結果については、市場参加者の多くは基本ノーマークでした。

今回より2名の新委員を加えた満場一致型の決定会合が想定されていたなか、現物市場が昼休みの12時15分ころ会合結果が出ました。長短金利操作(以下YCC)、資産買い入れ方針とも現状維持で、結果としてはノーサプライズ。この結果を受けた直後の反応は鈍かったのですが、後場の時間帯は上げ幅を縮める展開となりました(高値から安値まで158円ほど下落)。今回の会合で発生したプチサプライズは、YCCに関しては「反対1」がついたこと。反対したのは、今回より加わった片岡委員でしたが、反対理由は「現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は、2019年度頃に2%の物価上昇率を達成するには不十分」。前任の木内委員とは“正反対の反対票”で、リフレ派ならでは“2%達成のためにもっと緩和すべき”という意味でしょう。とはいえ、現状維持に賛成が8で、反対は1。片岡委員の意見は少数派であって、満場一致型の日銀会合であることに変わりなし。

先週唯一の下落となった週末22日(金)ですが、寄り付きは(先週は毎日となる)ギャップアップで始まりました。前の日の米国株は反落でしたが、米10年債利回りは2.276%に上昇。金利サイドでいわゆる「日米の金融政策の方向性の違い」が復活しており、メガバンクの上昇がスタート段階では指数を支えます。ただ、雲行きが怪しくなったのが、9時40分頃に聯合ニュースが流した北朝鮮に関する報道でした。国連総会でのトランプ大統領の発言に対し、金正恩労働党委員長が「史上最高の超強硬対抗措置を断行することを慎重に検討する」と声明を発表していましたが、その“超強硬対抗措置”について北朝鮮の外相が「太平洋上で水爆実験を行うことではないか」と述べたという内容。足元で大きく上昇していたこともあり、これが売り転換の口実となった格好で前日比マイナスへ。ただ、真偽が定かではないこと、この手の北朝鮮リスクで下げてもすぐに戻すことを市場参加者も悟っていることもあり、後場は凪といった感じでした。そのなかで、前場にTOPIXが0.3%下げていたことで日銀のETF買いが発動。9月6日以来ひさびさの日銀砲で、指数の下げ幅拡大を食い止めた格好にもなりました。

(今週の見通し)

わずか2週間で1000円幅も上昇した日経225。北朝鮮の外相が水爆実験を示唆したことで、「超強硬対抗措置」に対する警戒は燻っています。これは北朝鮮リスクが高まるとき、日本では条件反射的に買われる石川製作所株などの防衛関連株の異様な上昇が表しています。ただ、この動きと日経225など全体相場の逆相関は消えています。意に介さず状態。なぜか?といえば、この話を「薄気味悪いな」と感じる日本人の感性とは違う判断を下に、海外ヘッジファンドがシステム発注をしているため。大義の無い解散総選挙に対し、国民の6割以上が反対しています。この選挙実施の浮上が先週のような買い反応をするというのは、正直ピンと来ない・・・日本の市場参加者はほとんどそう感じています。それでも買われているのは、前述の通り「選挙は買い」という過去の経験則を基に、感情抜きでシステム発注されているためです。

この「選挙は買い」というのは、先週の前半に、証券会社各社が、過去の衆議院選挙時の「解散日前から解散日」「解散日から選挙日」「選挙後」の日経225やTOPIXのパフォーマンスを分析したレポートを相次いで出したことがきっかけになっています。その結果は、「解散日前から解散日」「解散日から選挙日」が上昇する傾向があり、「選挙後」だけ反落する傾向が強いとなります。この定量分析だけをもとに、先週はいち早く日経225などの先物を買う形で上昇インパクトをもたらしたといえます。

そういう意味では、「解散日前から解散日」の期待リターン分を先取った短期筋のポジションは、一旦、週初25日(月)午後の安倍首相による記者会見で手仕舞われる可能性があるでしょう。ただし、定量分析でいえば、その次の「解散日から選挙日」も上昇が見込めると判断されています。25日付の一部朝刊では、「2兆円規模の新たな経済対策を年内に策定する方針」と報じています。安倍政権がこれまで実施してきた経済対策の評判は高くないですが、そんなことは気にもしない定性判断でシステム発注されるのが日経225です。10月22日といわれていますが、投開票までは「選挙は買い」的な動きが継続すると見ておいたほうが良いと思います。

日経225は、下げるも先物主導、上げるも先物主導。上げるときの先物主導は、手前で売った分の買い戻しが多いため、買い戻しは短時間で一気に入る傾向もあり、戻しはスピードが速いのも特徴です。先週末に発表された9月第3週(今年最大の上昇幅になった週)、外国人は8週連続で現物株を4172億円売り越していました。外国人は現物株売り越しだったの?という感じもするでしょうが、先物が凄い!先物は日経225とTOPIX合わせて1兆2476億円の買い越し!ぶっちぎりで今年最大の買い越しで、現物+先物で8000億円規模となりました。先物は手前で大幅売り越しでしたので、やはり「先物の買い戻し」が今回のリバーサルの理由。5月第3週以降に売り越した先物分からすれば、買い戻したといってもこの週だけではまだ全体の半分程度です。買い戻し余地はまだあること、「選挙は買い」という日本人の感性とは別のロジックで新規の先物買いが入る可能性があることを意識しておくべきでしょう。なお、今週は27日(水)に日経225で134円程度の配当権利落ちがあります。そちらも踏まえて今週の想定レンジを20000円~20600円、今後1カ月のレンジを19700円~21000円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

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