岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/08/28 14:57米韓合同軍事演習を通過すれば、アンワインドが本格化?

日経225 現物指数 終値 19452.61円(8月25日)
安値 19351.92円(8月24日)/高値 19561.32円(8月23日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/8/25


(先週の振り返り)

前の週の嫌な流れを引きずって始まった先週ですが・・・終わってみると週を通じて薄商いが続き、日経225の前週比の変化もわずか17円でした。ジャクソンホール会議を前に様子見の週ともいえますが、実際のところ気にしている声は株サイドのプレーヤーからはあまり聞かれませんでした。これは、週初時点で17.40に上がっていた日経平均VIが、先週末時点で15.20に低下したことが表しています。先週は、ほとんどの変化が寄り付きだけでした。上がって始まると東京時間は基本的には上げ幅を縮めるだけ、下がって始まると東京時間はそれ以上崩れず下げ止まるだけ・・・。上値を買うプレーヤー、下値を売るプレーヤーが出てこなかった週でした。

トランプ大統領の側近であるバノン首席戦略官が退任するという観測で米国株が少し持ち直したことを受け(?)、週初21日(月)は19460円まで上がっていた夜間の日経225先物にサヤ寄せしてスタート。そのまま19500円にワンタッチしましたが、そこをピークに東京時間は上げ幅を縮める展開に。ただ、米韓合同軍事演習が始まったこともあり、北朝鮮リスクが手控え要因に。米国の政治リスク、ジャクソンホール会議を前に金融政策の行方も手控え要因ともいえますが、この日の東証1部の売買代金は1兆7534億円と6月26日以来の低水準となります(薄商いはここから1週間続きます)。この日は前場にTOPIXが0.23%下げていたため、日銀ETF買いが発動。ただ、この日の東証1部の空売り比率は43.2%と、4月6日以来の高水準でした。手持ち株を売るわけではなく、株券を借りた仮需の売りが多かったということ。日銀買いも、投機の売りと相殺され、後場の日経225を持ち上げるには力不足だったようです。

心配された週明けの米国株市場が大きく崩れなかったこともあり、22日(火)の午前中はやや買い戻し優勢に。ムニューシン財務長官が債務上限引き上げについて9月中に議会に要請する方針を示したことで、一時的にリスクオフムードに歯止めがかかったようです。ただ、東京時間が目下気にしているのは他国のことだけ。常に翌日のスタートがいくらか?が気掛かりで、午後に入ると動く人が激減します。この日の後場も日経225の上下値幅はわずか27円とこう着。東証1部の売買代金も前日より減って1兆7142億円に。

23日(水)は朝からガツンと上がります。前日のNYダウが200ドル弱の大幅上昇だったことが手掛かり。トランプ政権のメンバーと共和党議員が税制改革計画で前進しているとの報道をきっかけに、トランプ政権に対する政治リスクで売られた分のアンワインドが促された格好といえます。また、ティラーソン国務長官が国務省の記者会見で、北朝鮮について「国連の安全保障理事会で制裁決議が採択されてから、ミサイルの発射など挑発的な行為を見せていない」「近い将来のどこかで、対話への道が開かれる可能性がある」と発言。北朝鮮リスクで売られた分のアンワインドも同時に促されました。ただ、NYダウが大幅高になったとはいえ、NYSEの総売買高は6億8832万株と今年3番目の超薄商いでした。閑散のなかで買い戻しが入ってリバウンドしたに過ぎないということです。日本も同じ。手前でショートを作っていた投機筋が、大きめのギャップアップで始まったことで買い戻しを入れただけでしょう。現物市場が始まる9時の直前(8時59分)に日経225先物は19550円とこの日の高値を付け、東京時間が始まってからは終始上げ幅を縮めただけでした(結局、日経225は前日比50円高で終了)。

前日に上げ幅が縮小した理由に、アリゾナ州の支持層を前にトランプ大統領が「メキシコとの国境の壁の予算を獲得するためには、政府機関の閉鎖もいとわない」といった発言をしたと伝わっていたこともありました。これを米国市場では売り材料視(米国株売り、米ドル売り)したこともあり、24日(木)も小安くスタート。ただ、この話題は前日に一部消化していたこともあり、安値圏では押し目買いも入った感じでした。この日も超閑散で、東証1部の売買代金は1兆7000億円台。

週末25日(金)は反発。ジャクソンホール会議でのFRBイエレン議長、ECBドラギ総裁の演説を前に模様眺めムードが広がるなか、事前に進んだ米ドル売りの手仕舞いがジワジワ進んだことが支援材料に。また、北朝鮮の記念日である「先軍節」でしたが、北朝鮮による挑発行為などが確認されなかったことも安心材料になりました。とはいえ、買い戻しが主体であることは、東証1部の売買代金1兆7138億円に表れています(この日は昼過ぎからOCNの接続障害が発生し、後場に大手ネット証券がつながらなかった影響も少しはあったといえますが)。なお、週末としては、7月14日以来6週ぶりに上昇。また、プレミアムフライデーが始まった2月から、当日は6回連続下落していましたが、こちらも2月以来7か月ぶりの上昇で終えました。とはいえ、週間ベースでは結局6週連続の下落です。ちなみに、為替サイドで注目されていた先週末のジャクソンホール会議。この場でFRBのイエレン議長、ECBのドラギ総裁ともに今後の金融政策には言及しませんでした。

 

(今週の見通し)

日経225は先週まで、今年初の6週連続下落。そろそろ少しリバウンドしそうな感じですが、「もうはまだなり」という相場の格言がありますからね。感覚は排除して、これまでの経緯、そして経験則から考えてみましょう。

今週は、8月の月末最終日となる31日(木)、9月の月初となる1日(金)が週内に含まれています。この8月は鬼門でした。「8月」というのは、需給的に「海外投資家が日本株を売り越す」という傾向がはっきり見られます。過去5年間の月別外国人動向の平均額をとると約8100億円の売り越し。これは、1年で最も売り越し額が大きい月=8月というデータです。また、現物株でいえば、昨年まで7年連続で売り越し。そして今年も・・・第1週と第2週ともに現物株は売り越し、先物との合算では1兆円超の売り越しと例年通りの厳しい月になりました。

その8月に売りの口実となったのが、8月前半から再度高まった北朝鮮リスクでした。先週末26日も、北朝鮮が短距離ミサイル3発を発射。トランプ大統領の希望的観測の甲斐なく、挑発行為は行われました。ただ、週明けの米ドル/円を見る限り、市場はこれを無視していると考えられます。北朝鮮リスクが本当の意味で後退したのかどうかは定かではありませんが、マーケット的には後退しています。それは、リスクの芽が出た段階で、暴発に備えた対応が進むのがマーケットだからです。

日経225先物売り、権利行使価格の安いアウトの日経225オプションのプットの買いといった手法が主流ですが、直近でわかりやすい事例が空売り比率にありますのでそちらを紹介します。空売り比率というのは、株の売り約定分に占める空売りの比率。これは先週21日(月)に43.25%という今年4月6日(45.30%)以来の高い数値になりました。先週21日といえば米韓合同軍事演習の開始を前に、北朝鮮リスクが売りの口実になったタイミングでした。

空売り比率が今年最高の45%台を付けた4月6日、この日も同じ北朝鮮リスクが売りの口実になったタイミングです。前日4月5日に北朝鮮が挑発的ミサイル発射を行ったことで、4月15日(土)に予定されていた金日成生誕105年の軍事パレードへの警戒レベルが上がったのです。このときがどうだったか?空売り比率が45%を超えた4月6日以降も底入れには向かわず、実際に底入れしたのは4月17日(月)でした。この日付を見てわかると思います。底入れした理由は、「北朝鮮情勢が4月15日の記念日を最悪の事態にならず通過したから」でした。

これを今回に重ねるなら、米韓合同軍事演習が終わる31日(木)を無事通過すれば、アンワインドが本格化すると想定できます。手前でこれを目的に作っていた売りヘッジ、投機の売りポジションは意味をなさなくなるからです。そして、ちょうどこれが鬼門の8月の月末で、翌1日(金)から9月相場に入ります。日経225は月初の営業日、1年以上にわたって上昇している月初です。少なくとも今週の週末は上昇に期待ができ、これは売り方から見れば「上昇するリスクが高い」と考えざるを得ないわけで、投機の売りが減ることも週末に向けたリバウンド実現に影響するとも考えられます。想定レンジは下限だけ100円引き上げ19300円~19700円、今後1カ月のレンジも下限を100円引き上げ19100円~20000円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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