岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/08/07 14:48日経225は国内政治を気にしない指数?

日経225 現物指数 終値 19952.33円(8月4日)
安値 19891.90円(7月31日)/高値 20113.73円(8月2日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/8/4
 
(出所:Bloomberg)


(先週の振り返り)

毎度になりますが、先週も日経225は小動き。週間変化率1%未満の状態が、先週で9週連続となりました。先週の終値は19952円、その前の週の終値は19959円。1週間でわずか7円下げただけ。そんな1週間を簡単に振り返ってみます。

まず、週初で7月最終日の7月31日(月)。前週末28日に北朝鮮がICBMの発射実験を実施したほか、米ドル/円が110円台前半に下落。それでも寄り付きは前日比26円安で、北朝鮮リスクは気にするそぶりも無く始まりました。この日は、日経225から東芝が除外され、エプソンが新規採用されることに伴うパッシブファンドのリバランス(東芝売り/エプソン買い)を大引けに控えていました。東芝を売却した分ではエプソン株を必要分買えないため、保有するその他の日経225採用銘柄を売却する必要があり、その金額は1200億円程度と試算されていました。日経225にとってかなり大きな売り圧力となるのですが、事前にポジションを組んでいたパッシブファンド以外の投資家による反対売買と相殺され、このリバランスで日経225が崩れるといった形にはなりませんでした。


8月の月初となる1日(火)は、前日の米国株がまちまち、為替も円高状態のなか小幅安で始まります。ただ、好決算銘柄の上昇もあって、プラス圏に切り返すと、「月初は日経225強い」の経験則を意識したのか2万円ジャストまで上昇。ここで一服感は出るも、月初の日経225の上昇記録は14カ月連続に伸ばしました。

2日(水)も続伸で、この日に付けた20113円が先週の高値です。NYダウが6日続伸で最高値を付けており、強い米国株に引っ張ってもらう日経225。一方で米ドル/円の軟調が上値の重石という構図は変わりません。この日については、米国の時間外で米アップルが6%強も上昇。市場予想を上回る決算を示したアップルの好反応は、「NYダウは今晩も上がるだろう」とこの時点で見込めるわけで、その分も先取って動いたわけです。
想定通り、その夜のNYダウは史上初の2万2000ドルを付けて7日続伸。ただ、上がった52ドルのうち48ドルがアップルの値上がり寄与分でした。NYダウの上昇のほぼ全てがアップルの上昇分だったわけで、これ自体は前日の東京時間に織り込めた話。

3日(木)の日経225は朝から小安く始まり、その後は内閣改造待ちといったムード。内閣改造自体は、賢明な市場参加者は材料になるとは微塵も考えていないわけで、期待感から上がることもなく前場のTOPIXは0.31%安に。こうなると、日銀は政策遂行上、機械的にETF買いを入れるわけですが、内閣改造の日に買った形になります。そんなつもりは日銀に毛頭なくとも、第3次安倍内閣の第3次改造の門出を祝う祝砲と捉えられても仕方ないわけです・・・。実際、8月初となるETF買いを実施していたようで、8月の1回当たり買入れ額は7月の707億円より増額された733億円に。後場に下げ幅を縮めた理由も、毎度のことですが日銀ETF買いな1日でした。

週末4日(金)も円高を重石に安くスタート。ISM非製造業景況感指数が弱く、米国の10年債利回りは2.22%に低下し、当然ドルは売られます。東京時間の開始後に米ドル/円はまたしても一時110円割れ。ただ、それでも日経225は明確に崩れるわけではありません。そもそもボラティリティが低いなか参加者も減り、そこに米雇用統計を控えているわけで・・・。なお、この日はトヨタとマツダが資本提携で最終調整に入っていると伝わったほか、前日発表の1Q決算が好決算だったスズキが急騰したこともあって自動車株が上昇。これが指数を支えたほか、前場のTOPIXが0.22%安だったこともあって2日連続で日銀ETF買いが発動。小さいながらも日経225は陽線(始値<終値)を引いて週末を終えました。

(今週の見通し)

先週はコラムをお休みさせていただきましたが、前述の通り、価格的な変化は一切ありませんでしたね。安倍政権の支持率が下がったからといって、日経225が下がるわけではなくなっていると再三指摘させていただきましたが、先週などもまさにといったところ。戦略的に日経225をショートしたヘッジファンドも、さすがにお手上げでしょう。日経225は国内政治を気にしない指数、という認識が十分に共有されたと思います。ということは・・・週末の第3次安倍内閣再々改造後の世論調査では支持率が少し上がっていましたが、これも買い材料と勘違いしないことが大事ということになります。


支持率が下がった理由を思い返せば、なぜ内閣改造で支持率が上がるのか明確ではありませんが、改造後に安倍首相が殊勝にテレビ出演をしていました。これまでの経緯を思い起こせば、どの発言が本当で、何を信じればいいのかも不明ですが、5日(土)の午前中の報道番組で、2019年10月に予定している消費税率10%への引き上げは「予定通り行っていく考え」と発言されていました。発言と行動が一致しないので、100%信じなくても良さそうですが、この発言を聞く限り、デフレ脱却は長期的に無理そうですね。

というような・・・ごく私的な感情は皆様それぞれお持ちと思いますが、それと日経225の相場感は別物。相場感は需給で考えるべきです。先週発表された7月最終週の売買動向も、需給分析に適したデータを提供してくれています。この7月最終週は、前週比139.91円安と7月では週間最大の下落週でした(最大といっても下落率で0.69%程度ですが)。その7月最終週の最大の売り手は外国人。現物と先物合わせて3661億円と、2017年度に入って2番目の大幅売り越しでした。そんな外国人売りにさらされながらも、日経225の下落は139円程度なわけで・・・。大幅安を食い止めたのは、毎度の日銀ETF買い2発(1400億円強)や、企業の自社株買い分がカウントされる事業法人の買い越しでした。この構図が変わらない以上、今週も余程のことが無い限り下値は限られるとしか予想しようが無いわけです。

7月は前日比1%を超える変化をした日が1度もありませんでした。8月に入っても同様。週間での変化率も1%未満の状態が続いていて、その理由も前述の需給的要因で完全に説明が出来ます。予想だにしない天変地異などが起こらないとは言い切れませんが、トレードをする上では極めて低確率の事象を前提にするほど非合理的なことはありません。今週は国内企業の決算発表のピーク週ですが、業績相場に移行して指数が持ち上がるというのは絵空事。7日(月)のソフトバンクは指数インパクトが大きいため注目ですが、それでもこの1社だけで日経225が変貌するわけではありません。仮に何かサプライズがあり、仮に翌日ストップ高になるとしても、ソフトバンク1銘柄で日経225を押し上げられる最大効果は170円程度です。想定レンジは19800円~20300円、今後1カ月のレンジは19500円~20600円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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