岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/07/24 11:25今週の日経225は米ドル安で抑えられ、日銀砲で支えられる構図が前提か?

日経225 現物指数 終値 20099.75円(7月21日)
安値 19943.14円(7月18日)/高値 20157.11円(7月20日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/7/21
 
(出所:Bloomberg)

 

 

(先週の振り返り)

最近は、「まあ動かないだろう」と予想を立てておけば、それだけは当たりますよね(笑)。先週も大きな変化は起きず、日経225は前週比でわずか19円下げただけ(20118円→20099円)。これで週間変化率が1%未満の状態が7週連続となりました。動かない、下がらない、前向きに見れば「安定感抜群!」の日経225は健在です。

三連休明けの週初18日(火)は、前の週に死守した2万円をいきなり割り込みます。米国の低インフレに関心が向かっていたなか発表された6月米CPI、米小売売上高がともに市場予想を下回る数字。これを「早期利上げ観測の後退」と素直に解釈したような反応(長期金利低下、米ドル売り)で、日経225にとっては円高がマイナス要素に。一方で、早期の利上げ観測後退は米株にとってはプラスですので、こっちが日経225の下支えにもなります。円高と米株高の綱引きではっきりしない・・・。この日は、朝9時半に某外資系通信社が「日銀内でETF買い入れの持続可能性に懸念の声が広がる-関係者」の見出しで記事を出していました。日本株の最大の買い手である日銀に何か変化か?と注目されましたが、中身を読むと「喫緊の課題ではないと見られており、今週の決定会合で修正する可能性は低い」とあり、見出し負けした内容だったため無反応。なお、この日は前場にTOPIXが0.56%下げていたため、後場に日銀のETF買いが発動されました。

18日の米国市場では、決算発表したゴールドマン・サックスが2.59%と大幅安。この1銘柄でNYダウを40ドル押し下げるも、先月のリスクオフ要因とされたFANG銘柄など米ハイテク株の上昇を市場は好意的に受け止めます。6月に大きく下落したナスダック総合指数は、気付けば史上最高値を更新。オバマケア代替法案がまた暗礁に乗り上げたことなど、日本株の参加者には気にも留められていない感じでした。前日に上がっていた日経平均VIは19日(水)に再び低下、この日の安値は史上最低を更新する12.54でした。

日銀金融政策決定会合の結果が出る20日(木)。米ドル/円が111円台と軟調ですが、米国の主要株価指数が最高値付けている状態ならば日経225も大きく崩れることはない、といった漠然とした雰囲気でスタート(もちろん、米株が最高値でもドル円が111円台のため大きく上がることもない)。日銀会合の結果が出たのは12時10分で、結果は長短金利操作の金利水準、国債買入れペースとも現状維持でした。株の参加者が関心を持っている日銀ETF買い枠についても維持。展望リポートでは、17年~18年度のCPIコアの日銀見通しを下方修正。一方で、実質GDPの見通しは上方修正と、事前に日経で報道された通りの修正がなされました。ややサプライズだったのは、「2018年度頃」にしていたCPI2%程度の達成時期を、「2019年度頃」に修正したこと。先送りはこれで6回目、黒田日銀総裁は、任期中での目標達成をギブアップしたということです。なお、これまで反対票を投じていた佐藤委員、木内委員は任期中では最後の会合になりました。この日も2つの議題に対して反対票を投じ、「賛成7、反対2」という結果でした。この二人が抜ける次回9月会合以降、「賛成9、反対0」にしかならないのは確定。政策メンバーにはタカ派とハト派がそれぞれ存在するのが当たり前ですが、日銀はそうではなくなります。まあ、数の論理で結果が決まる会合ですので、佐藤委員や木内委員が反対しても、結果は変わらないのですが・・・。

そんな日銀会合ですから、市場参加者も現状維持を想定していたと思いますが、この結果を受けて意外に日経225は上がりました(高値で20157円まで)。このタイミングで、日経平均VIが思った以上に低下しました。発表直前まで12.7くらいでしたが、結果発表直後から低下し、12時50分に付けた安値12.20まで大きく低下。これほど何も無いことが確定的だった日銀会合ですら、「万が一、ETFの買い入れ枠縮小などが発表されたら大変だ」に備えて、プットオプションを買って売りヘッジしていた投資家が存在したわけです。これは9月以降の日銀会合でも同じこと(=現状維持でも直後は日経225が上がる可能性が高い)が想定されますね。売りヘッジの解消なので、日経225には上昇要因です。

日本に続き、ECB理事会がありましたが、市場予想通り声明文に変更なし。ただ、記者会見でドラギ総裁が「秋にもテーパリングの議論を行う」と発言したことで、9月に議論し、10月にもテーパリングについての方針発表があるのではないかとの解釈からユーロ買いの地合いは継続。そのなかで週末21日(金)の日経225は、前日の日銀会合後の上げで息切れしたのでしょうか。東証1部の売買代金も、先週ではこの日だけ2兆円割れと閑散ぶりが目立ちました。そんな薄商い下、前場のTOPIXが0.22%安という程よい下げとなり、日銀ETF買いが発動。日銀、ブレません・・・(笑)。

(今週の見通し)

毎週末、世論調査の結果が出てきますが、安倍内閣の支持率は日経225と違い低下傾向に。先週末の日経調査では、6月の前回調査に比べて、10ポイント低下の39%に。日経225は下がりませんが、とくに上がってもいません。一方で、上がっているのが不支持率で、安倍政権が発足した2012年12月以来では最高の52%になったと報じていました。かなり深刻な政治リスクを抱えていながら、不問としているような日経225。足元でも一番買っているのは日銀ですから、官製相場に守られているとしか言いようがありません。

先週末も0.22%安でETF買いを発動させていましたが、2万円割れで始まる週初24日(月)も当然発動するのでしょう。人工的に支えている相場、養殖されている日経225、忖度(そんたく)などと揶揄されても仕方ない需給構造ですが、非難しても仕方ない話になっているわけで、見て見ぬフリをするしかないところです。黒田日銀総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、ETF買いについての質問にこう答えていました。「副作用を生んでいるとは思わない」、「コーポレートガバナンスは阻害しない」、(値動きが小さくなっていることについて)「押し目買いができることが良いということではない」-など。

今後のリスク要因として、一番気を付けるべきは、日銀ETF買いのテーパリングです。これは、このコラムを読んでくださっている方にはしっかりわかっていただけていると思います。ただ、それを気にしても意味がないのではないか?と改めて感じました。なぜなら、黒田総裁にそんなつもりが全く無さそうだから・・・。会合の中で議論にもあがっていない感じもあるし、9月以降の新メンバーが加わった会合では尚更ではないかと感じます。株の仕組みに詳しい委員が、日銀のメンバー内にいないから。であるとすれば、歪んだ株式市場、低ボラの株価指数を前提にストラテジーを組むしか今のところ無いわけです。

先週末、米ドル/円の下落が進み、ほぼ1カ月ぶりの1ドル110円台にUターン。オバマケアの廃案法案の暗礁乗り上げにより、トランプラリーのとき描かれた大胆な減税への期待なども泡沫のごとく消えそうな勢いです。これが米10年債利回りの低下要因。今週25~26日はFOMCですが、ECBと違い、FRBが出口に対して足踏みしている状況からも説明できます。円サイドでいえば、日銀がどうこうするから為替が動くことは無さそう。そのなかで、FRBやECBが金融正常化に向けて動いてくれるかどうか次第。正常化に動いてくれたとき、市場が「金融政策のスタンスの違い」と解釈し、金利差拡大で円安になってくれたらラッキー、そんな状況です。ただ、これは今週発生する事象とは到底思えないわけで・・・。米ドル安で抑えられ、日銀砲で支える構図を前提に、アップサイドへの期待値を落とします。今週の想定レンジ19700円~20100円、今後1カ月のレンジ19400円~20500円とします。

なお、次週(7月31日リリース分)については、筆者の事情によりお休みをいただきます。

(おしまい)

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