岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/07/18 11:14今週から本格化する米主要企業の決算に注目

日経225 現物指数 終値 20118.86円(7月14日)
安値 20023.03円(7月10日)/高値 20200.88円(7月11日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/7/14
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

 先週は、今年1番動かない週でした。週間の日経225の上下値幅は177.85円。3月第2週の週間値幅202.31円を下回り、週間ベースでは今年最低の値幅でした。自慢するような話ではないですが、とはいえ、ポジティブシンキングで見れば「安定感抜群!」ともいえますでしょうか・・・。

 週初10日(月)は、前週末の米雇用統計後の米ドル/円上昇(114円台乗せ)を活力に、寄り付きから2万円台を回復して始まりました。すでに完全雇用だから20万人台にならないと言われていましたが、6月の非農業部門の雇用者数は22.2万人増と市場予想上ブレ。前週末に日銀が指値オペを実施した後ということも相まって、米ドル/円の上昇気運がより高まっていました。ただ、そこは歴史的な低ボラの日経225。寄り付きギャップで141円も上がると、そもそも上値を買いたい参加者が少ないなかで薄商いな1日に。

 とはいえ、米ドル/円がテクニカル上のターゲットとなる5月11日高値(114.36円)に近付いてきたことで、日経225のプレーヤーも為替にらみの雰囲気を強めていました。10日のロンドン時間に114.29円まで上昇し、一旦は跳ね返されるも、11日(火)の東京時間9時頃から再度上昇。為替サイドの5月高値接近でイケイケ感が確かにあって、この日の前場は日経225もほぼ高値引け(TOPIXは高値引け)で終了。午後に入ると、米ドル/円が念願の(?)114.36円を超え、114.49円まで上昇し、これを後押しに日経225も20200.88円まで引き上げられました(ただし、これが先週のピーク)。このタイミングでは、一部ロシアのメディアが「ロシアが米国の外交官30名を退去させる方針」と報道。どちらかといえばドル売り材料ですが、そんなことは不問といった勢いに。米ドル/円のショート筋による巻き戻しが勝った感じがありました。

 12日(水)の日経225は反落。前日に熱を帯びていた米ドル/円が、NY時間(トランプ・ジュニア氏によるロシアゲート問題を蒸し返すようなメール公開、ブレイナード理事の発言などを売りの口実に)大きく調整したため、急いで日経225も調節が入ったといった感じ。ただ、外部要因で下げる、そしてほどよく下げると、即座に市場参加者が意識するのは「午後の日銀砲」。この日も、前場のTOPIXが0.3%下落というほどよい下げだったこともあり、為替の円高反転による日経225下落に賭けようといった雰囲気は広がりませんでした。そもそもボラが低いうえ、FRBのイエレン議長による議会証言を前にポジションを大きくとらない参加者が多かったと見られます。なお、前週の指値オペに続き、10時過ぎに規模は小さいものの日銀がオペ増額を通知。ただ、前週の劇薬に慣れた債券市場にとって効き目は限られていました。米ドル/円は1円超も下落、それでも日銀ETF買い707億円が入ったことで日経225も97円安に収まったといった感じでした。

 注目されたイエレン議長の議会証言ですが、政策金利水準について「過去と比べて低い水準にとどまる」、バランスシートの縮小については具体的な時期には触れず「比較的早い段階で実施するべき」との見方が示されました。これを市場はハト派的と捉え、米長期金利は2.319%に低下し、米ドル/円は一時113円割れ。米株にはポジティブですから、NYダウは最高値をまた更新します。13日(木)の日経225は朝方こそ、米株高のほうが材料的に勝ったのか高く始まりますが、東京時間にまた米ドル/円が113円を割れたことで上げ幅を縮小。結局はイエレン議長の議会証言でも方向感は出ません(どころかさらに巣篭り状態へ・・・)。

 米ドル売りがやや一服したことで週末14日(金)もギャップアップで始まりましたが、東京時間は緩やかに上げ幅を縮小するのみ。この日は7月限のミニSQで、SQ値は20151.83円でした。SQ値としては、2015年8月SQ以来の2万円台です(SQ関連の注文は、日経平均型で約80億円の買い越し)。この日は、前日に3Q決算を発表した日経225ウエイトトップのファーストリテイリングが大幅安。この1銘柄で日経225を62円強押し下げていたため、これが無ければもう少し日経225も上がっていたといえますが、これが無ければというかファストリは日経225構成銘柄なわけで、そうした表現自体意味がないですね・・・。3連休を前に値動きは安定の緩慢ぶりで、東証1部の売買代金も3日連続で2兆円を割り込んでいました(ちなみに、SQに関する売買代金が日経平均型、TOPIX型合わせて900億円弱と推計されていたため、純粋な売買は一層少ないといえます)。

 (今週の見通し)

 週末終値が大台2万円の±1%のレンジ内に収まる状態が、先週までで7週続いています。この間は、6週連続で週間変化率が1%未満。簡単にいえば、だいたい2万円くらいでずっと推移しているということです。前進もしなければ後退もしない日経225ではありますが、その中で先週は日中安値も含め、一度も2万円を割り込まずに推移した週でした。1週間の間で一度も2万円を割り込まなかったのは、2015年8月以来のことです。

 先週末にSQを通過し、日経平均のVIはまた低下しました。先週末には12.51という、計測史上で最低を更新。より動かなさそう色だけ濃くなった状態で今週に入ります。先行きに対して楽観的な投資家が増えているようには思えませんが、そもそも値動きが緩慢で、なんといっても下がりにくくなっている日経225。それをVIは反映しているわけですが、この閉塞感を打破するきっかけって何かあるのでしょうか?正直、妄想を膨らませることはできますが、合理性のある解説は現時点では無理じゃないでしょうか・・・。

先週末14日に、米国では6月の小売売上高とCPIの発表がありました。米国の低インフレに関心が向かうなか注目されましたが、6月の米小売売上高は前月比0.2%減で、市場予想の0.1%増を下回りました。CPIも前月の1.9%から1.6%へ低下。コアCPI(食品・エネルギー除く)は1.7%で前月比横ばい。これについてはプレーンな解釈(早期の利上げ観測後退)で米ドル売り要因になりました。賃金の上昇が進まないなかでは、消費も伸びないわけで、消費が伸びないから物価も上昇しないわけで、FRBのシナリオに綻びが出ているのは明確といえます。ただ、この反応は、米金利低下、ドル売りの一方、米株買いになります。日本株にとって円高は重石となっても、米株高の分で相殺し、トレンドを作る要素になりません。

今週の予定では、20日にECB理事会、日銀会合も19~20日で予定されています。ドラギ総裁、黒田総裁の記者会見には注目といえば注目ですが、日経VIを見ていると、プレーヤーがそこに警戒している様子は非常に小さいといえます。米CPIが弱かったため、この状態で米国が利上げを躊躇うのではと解釈もでき、それを受けてECBも少しマイルドな緩和解除に切り替わる可能性もありそう。日銀は、黒田総裁が思いも寄らぬ暴走でもしない限り、とくにサプライズは無さそう・・・。転換点になりそうと言うには大袈裟なイベントに思われます。

 米国株が高値にあることが支えであるとすれば、アメリカの主要企業が今週より決算発表シーズンになります(バンカメ、GSなど)。先週のイエレン議長の議会証言の記者会見では、記者に株のことも聞かれていました。その場で、イエレン議長は過去最高値圏の米株について再度「バリュエーションは概して歴史的な高さに近付いている」と指摘。株価の割高感が気になるなかで、好決算が期待されている状態。この状態で発表される好決算は、株価に順方向に反応しない(出尽くしになる)ことも多いといえます。こっちに注目したほうがいいかもしれません。

 最新の世論調査で、また内閣支持率の低下が伝わっています。ただ、こちらについては今週も無視でしょう。スキャンダルに慣れてしまっているのか、そもそも政治家なんぞに賢明な市場参加者は期待していないのか・・・。仮に支持率低下を嫌気して少し安く始まっても、結果的に少し安いことが日銀のETF買いを誘発します。結果、内閣支持率の低下が日経225にとってどの程度マイナス影響なのかを投資家が感じられなくなってしまう・・・。薄商いのなかにあって、日銀ETF買いの影響力が大き過ぎ、価格変化を取り巻く要因分析が本当に難しくなっています。今週の想定レンジ19700円~20300円、今後1カ月のレンジ19400円~20800円ともに据え置きます。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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