岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/07/03 15:38今週は米経済指標が相場材料に?

日経225 現物指数 終値 20033.43円(6月30日)
安値 19946.51円(6月30日)/高値20266.59円(6月29日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/6/30
 
(出所:Bloomberg)

 

 

 

(先週の振り返り)

動きが鈍っている日経225。2万円という、節目となる水準で売り買いが交錯しているように見えますが・・・、一向に売買が増えませんよね。ということは、2万円近辺で売りたい人と買いたい人が「がっぷり四つ」ではないということ。上下とも抜けてしまえば何のことはないような水準ではありますが、ちょうど決め手に欠ける時期だということでしょう。先週も週間の変化率(0.49%安)は前週比1%未満で、この状態が4週連続に・・・。

週初26日(月)の日経225は小幅高でスタート。前週の月曜日同様、取引が始まった直後に謎の買いで理由無く上昇するも、この動きは最初30分程度で一巡。序盤に上げた分を前引けにかけて溶かしながら、後場は完全な凪状態に。この日の日中値幅は77円にとどまり、後場にいたっては上下値幅わずか26円。東証1部の売買代金も1兆7505億円と、3月15日以来の低水準でした。これといって振り返っても書くことが無い1日・・・。

翌27日(火)は、物色の流れに変化が発生。イタリアで中小銀行2行に対し、政府が破たん処理を決め、公的資金を投入すると発表。金融健全化が進むとの解釈で、欧州の銀行株に前向きな材料となり、これが日米の銀行株高にもつながります。また、米ドル/円がひさびさに112円台に接近したことも追い風に。日経225が高値圏にあるなかでも、その足を引っ張っていた2大セクターが銀行と自動車。その2セクターが揃って反転するきっかけを得たことで、日経225も朝イチで20250円まで上昇します。ただ、平常時より外部環境は良かった割に売買は盛り上がらず、いつも通り値動きも緩慢。なお、この日は6月、12月決算企業の配当権利付き最終売買日でもありました(JT、キヤノン、ブリヂストンなど6月決算企業の中間配当銘柄が多め)。

この日はひさびさに欧米市場が荒れ模様。ECBのドラギ総裁がポルトガルで開かれた講演で量的緩和縮小に言及したことでユーロが買われ、米ドルは売られました。ただ、欧州の金利が上がったことで、米長期金利も2.203%に上昇。また、この日は口裏合わせしたかのようなFRB高官(イエレンFRB議長、フィッシャーFRB副議長、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁)による株高けん制発言で、ナスダック総合指数が前日比1.6%安と再び大きな下落に。米国が米ドル安、債券安、株安のトリプル安で返ってきたことを受けた28日(水)の日経225ですが、“鈍感力”を発揮してか(?)さほど崩れることもありませんでしたね。米国に倣ってハイテクセクターなどモメンタム株は崩れましたが、連日で銀行や自動車などバリュー株が上昇したことで一部吸収。日経225で配当権利落ち分が26円程度ありましたが、それを考慮しても健闘した1日でした(94円安)。

前日の下げの火種になった米ハイテク株が反発したことで、日経225も翌29日(木)は切り返します。FRBが銀行に対するストレステストの第2部にあたる包括的資本分析(CCAR)の結果を発表、調査対象の全34行の全てが資本還元計画を承認されたことで時間外でもJPモルガンなど米金融株が大きく上昇していました。この動きが日本のメガバンクを高くスタートさせます。連日でバリュー株優位が続くのか?と思わせつつも、メガバンクはいずれも寄り付き天井に。日経225もほぼ寄り付き天井(このタイミングに先週の高値を付ける)、後場は毎度の凪状態でした。

日経225がひさびさに寄り付きギャップを大きくしたのが週末30日(金)。前日のリバウンドは何だったのか?レベルで米国株が大きく下落。米国市場ではVIX指数が一時15台まで急騰(終値は11.44)しました。またしても強い米国株のシンボルだったハイテク株が下げたほか、公益や生活必需品などディフェンシブ株まで安く、金融株を除くほぼ全てが下落。米長期金利は2.266%まで上昇(一時2.297%)、利上げ局面ながら米ドルが売られ、1日置いてまたまた「トリプル安」に。夜間の時点で日経225先物は2万円割れ、東京時間でも現物の日経225が今週初の2万円割れとなります。

ただ・・・そもそも、米国のハイテク株売り再開の理由が今イチはっきりしていませんでした。おとといの「FRB高官の株高発言が効いて、利益確定売りが優勢」などと記事にはなっていましたが、だったら前日に一回反発したのは何だったの?という話。しかも、ナスダックの出来高も平常時と変わらない20億株程度で、相場の転換点を示唆しているとは到底思えない動きでした。そのなかで、日本はこの日が配当金の支払い集中日(この日だけで1.1兆円相当)でしたので、一部再投資による需給効果があったように思われます(安く始まった後の、マザーズやジャスダックの株価指数の下げ幅縮小ぶりは圧巻だった!)。また、都議選前に株価を下げさせないのでは?との思惑はあったと思いますが、実際、前場にTOPIXが0.88%安をしていたため日銀のETF買いも発動。日経225が月初の第1営業日に12カ月連続で上昇している経験則もあり、月初高を前に売りを控える短期筋も多かったと見られ、週末/月末/半期末が重なる特殊な日取りが2万円割れでの着地を阻止したような1日になりました。この日の日経225は前場終値がジャスト2万円、後場終値が20033円。2万円割れを阻止する見えざる力がかかっていたかのような動きだことで・・・。

 

 

(今週の見通し)

今週から7月になり、年の後半(下期)になります。7月は波乱がありそう、と身構えた声が多いようにも思われます。でも、それを言えば、6月もそうでしたからね・・・。その6月も、各種イベントを通過しながら、月間では日経225は382円高。これで3カ月連続の上昇となっています。2016年以降の月間上昇の最長は3カ月連続です。この辺りで一息入れそう、といった考えは持っておいたほうがいいかもしれませんね。ちなみに、年の前半(1月~6月)と後半(7月~12月)に分けてみても、外国人の買い基調が止まった2014年以降3年連続で前半と後半が逆方向に動いています。今年は年前半に日経225は919円上昇、逆方向ということは「下落」となるのでしょうか・・・。

まあ、こういったことはあくまで経験則であって、年毎に取り巻く環境はまったく異なります。今がどうなのか?を踏まえつつ、地に足を付けて相場に臨んでいきたいものですね。年後半の株はどうなる?的な長い予測もよく目にしますが、そんなものを予測できる人がいるわけないわけで、1週間~1カ月程度の期間でコツコツ考えていくことが大事だと思います。

さて、今週は・・・まずは(都民ではない私にとって)結構な驚きの結果になった東京都議会選挙をどう解釈するか?から始まります。都民ファーストの会が49議席を獲得して都議会の第1党になり、公明党との連立では過半数を超えました。自民党の獲得議席は過去最低の23で惨敗。普通に考えると、安倍政権の求心力が大きく落ちたという解釈になりますし、「米国や欧州より日本の政治は安定しているから日本株が買われていた」という論調は結構聞きましたので、日本株にとっては「下落要因」(為替は円高要因?)といえます。

ただ、これはあくまで日本人目線の話。メインプレーヤーである外国人が嫌気するのではないか?というのはあくまで日本人の想像です。現時点で外資系のブローカーから都議選を受けた日本株評価見直しといったレポートが出ているわけでもなく、都議選が注目されているのかどうかも不明です。もちろん、内閣支持率低下がさらに進むのであれば、海外投資家からの日本株売り基調ははっきりしてくるのでしょう。ただ、都議選の結果で、初めて内閣支持率が低下していることを知ったわけではないですよね。もう1カ月前から内閣支持率は低下していたし、その状況で日経225は高値をとっていたわけです。週明けの新聞やテレビのニュースを見ていると、大事が起きているように映りますが、これもある程度距離を置いておいたほうが良さそうですね。

先週末、米長期金利が2.3%まで上昇。欧州、米国の中央銀行幹部が金融引き締めを意識させる発言をしている効果が出ています。日本のどうでもいい政治家に対するニュースは無視し、今週多く発表される米国の経済指標(週末の米雇用統計)を確認しつつ、12日のイエレンFRB議長の議会証言を重視したいところ。その米国が3日は半日立会、4日は休場のため東京市場のフローも少ないと見られますが、仮に外国人投資家が都議選結果で売り越しに回っていたとしても・・・それに伴う下落場面は日銀ETF買いで吸収してしまう。これこそ日経225が手に入れてしまった現状、最大の問題点です。今週も前週比1%程度の変化を想定し、想定レンジは19700円~20300円、今後1カ月のレンジは19400円~20800円とします。

 

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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