岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/05/29 13:48先週と同様に「短期のレンジトレード」が有効か

日経225 現物指数 終値19686.84円(5月26日)
安値 19585.54円(5月23日)/高値19850.93円(5月25日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/5/26
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

 「日経225が上がらなくても、任天堂が上がっていればいいんじゃないの?」、そんな声も聞こえそうな1週間でした。日経225の売買エネルギーは細り、その養分を任天堂、ソフトバンク、日替わりで盛り上がる中小株が吸い取る、そんな1週間。日経225の週間上下値幅は265.39円で、3月第2週以来今年2番目の狭さ。週間売買代金は10.5兆円と前週比で約2割減でした。週間では0.49%の上昇となりましたが、同じ期間で任天堂は10.59%、ソフトバンクは6.18%の大幅上昇!

 「ロシアゲート」問題に揺れた前の週から一転し、週末の欧米株が上昇、VIXが急低下しました。これを受け、極端なリスクオフを一部オフ(=リスクオン)するといった雰囲気で週初22日(月)はスタートします。ただ、外部要因でギャップアップすると、東京時間の上昇が止まってしまうのもいつものパターン。前日の夕方5時ごろ、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した件は無視。ただ、「ロシアゲート」の問題について「米捜査当局がホワイトハウス関係者を重要参考人として捜査している」と報じられていた点を気にする声は聞かれました(娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏ではないか?という憶測など)。日中は日経225先物が動かず、当然ながら指数はこう着。この感じが1週間続きます。

 米国株リバウンドの流れは続くも、23日(火)の東京時間の早朝に米ドル/円が一時111円割れ。英マンチェスターアリーナでの爆発が伝わると、条件反射的に米ドル/円が売られます。リスクオフムードを嫌って日経225は下落。ただ、前週末19日に日銀がTOPIXの前場下落率0.07%でETF買いを発動。売っても響かない指数を売り叩く投機筋も限られるわけで、これが強い抑止力になります。翌24日(水)は再度ギャップアップでスタート(寄り付き164円高)。トランプ政権初の予算教書自体は材料になりませんでしたが、OPEC総会を前に原油が51ドル台に続伸。短期の動きを理屈で解釈するなら、原油価格上昇→インフレ圧力上昇→米長期金利上昇、米ドル/円上昇になります。米ドル/円が112円に接近したことでとりあえず上がります。ただ、円安を理由にしながら、トヨタが寄り付き天井・・・。気勢が削がれ、わずか92円の日中値幅でもみ合いとなりました。

 週間高値を付けたのが25日(木)。前日発表された5月2日~3日開催のFOMC議事録では「ほとんどのFOMCメンバーがすぐに引き締めるのが適切と見ている」との意見が示され、市場は6月利上げの確信度を強めます。ただ、バランスシートの縮小について、極めてゆっくり段階的に再投資縮小を計画している案が提示されたことを受け、米ドル/円はやや下落。相場の転換点につながるような材料にもならず、日経225も横ばいで始まります。この日、ちょっとあり得ないような話で日経225は上がった説があります。米エヌビディア株を40億ドル保有していると一部で報じられたソフトバンクグループ。この株について、午前中に資産200億円の著名投資家がツイッターでソフトバンク株を一気に大人買いしたとつぶやきました。その直後から完全に追随買いムードが生まれ、同社株が大きく上昇。この銘柄が日経225、TOPIXとも値上がり寄与度トップになりました。その程度で市場全体が動くのか?と普通なら思う話ですが、実際動いたように思います。それだけ市場の厚みが薄い(短期の投機家だらけ)証左ともいえそうですが・・・。

 週末26日(金)は大き目の反落。前日のOPEC総会では、減産の9カ月延長で合意しました。ただ、事前に伝わっていた通りだったためか、原油先物が急落。節目の50ドルもあっさり割り込みます。一方で、かつては相関関係にあった原油と米国株ですが、今や逆相関にある米国株は上昇。S&P500は史上最高値を更新してしまい、こちらはロシアゲート問題で下げた分をあっさり取戻してしまいます。外部環境頼みの日本株としては、この逆相関をどう判断材料とすべきか迷います。迷った結果が指数は売りで、全体である日経225(いわゆる森)と連動しない個別銘柄(森を見ずに木を見よ、というやつ)に矛先を大勢が向けていたような動きでした。任天堂が大商いで、昨年7月のポケモンGOでバブル化した際の高値を突破しました。

(今週の見通し)

日経225について、今週も大きな動きは発生しないだろうことを前提にトレードしたほうが良いでしょう。このところ株と原油は逆相関になっていますが、株と為替(日経225と米ドル/円)はブレず相関関係にあります。その米ドル/円について、ロシアゲート問題が出た割に下落しませんし、OPEC総会前の原油上昇局面でもさほど動きませんでした。ユーロ買い/米ドル売りの動きも再三話題になりましたが、結局は大きな水準変化は起こしていません。週末に開かれたG7サミットだって、トランプ政権の保護主義的な志向を再確認するイベントだっただけにも思えます。それでも動きません。米ドルは、下落局面で随時押し目買いが入っているのでしょう。

では、なぜ押し目買いが入っているのか?と考えても理屈で言える理由は正直思い付きません。それよりは、単にそういったプログラムが組まれていて「アルゴリズムが動いているだけなのではないか?」これが本質に近いようにも思われます。すごくざっくりと言えば、米ドル/円が111円を割れると買うアルゴが走り、112円を上回ると売るアルゴが走る・・・今はそれにコントロールされているだけなのではないか?というような・・・。何か新しい刺激材料が出てくるまで、この動きは変わらないのではないかと思えて仕方ないです。29日の早朝に北朝鮮がまたミサイルを発射(これで3週連続)していましたが、まるで無視するのも、この手の地政学リスクに人間の投資家が慣れ、人間が動かないことで市場に方向性を与えないから(だから機械がレンジトレードをしているだけに見える)ではないでしょうか。

なお、ロシアゲート問題について、週末に現地報道で、トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏について「義理の息子は身を引くときが来たようだ」と報じていました。ロシアゲート問題に関する捜査の中心人物はクシュナー氏のようですが(トランプ大統領はツイッターで「でっち上げられた嘘」とすぐ反論)、これが問題化していくのであればトランプ政権にとって大きな打撃といえますので、米ドル/円の刺激になるのかもしれません(し、ならないかもしれません・・・)。

 前述の為替の動きと同様のことは、日経225でも言えると思います。あれだけ2万円の壁と喧伝されていますので、今のレンジは上限が20000円。ただ、無機質な押し目買いも入っています。これはアルゴかもしれませんし、レンジ内で逆張りで動いている短期筋かもしれません。また、日経225については、下げると日銀も逆張り型で動きます。象徴的だったのが、先週発表された5月第3週の投資主体別売買動向。急に流行語化した“ロシアゲート”の問題で下落した週でしたが、この週の海外勢は現物と先物合算で1080億円の売り越しに転じていました。外国人は売りに回ったのですが、一方で、すかさず買い手に回ったのが日銀のETF買い(3回で2181億円買い越し)。何か刺激材料が生まれても、それをきっかけにした短期売りを日銀が吸い上げてしまう構図です。

何があれば大幅安するのか・・・ブラックスワンの発生を強引に描く妄想力でも無い限り、その回答を導き出すのも困難です。先週と同じですが、19500円割れは短期の買い場、20000円接近は短期の売り場と判断した短期のレンジトレードが有効と考えます。今週の想定レンジは19400円~20000円、今後1カ月のレンジは19000円~20500円とも据え置きます。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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