岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/05/08 15:00日経225の目先の判断材料はユーロ/米ドルの動き!?

日経225 現物指数 終値19445.70円(5月2日)
安値 19144.62円(5月1日)/高値19464.30円(5月2日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/5/2
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

 日本は、ひさびさの大型連休(5連休)の谷間でした。取引は2営業日に限られましたが、113円高、135円高といずれも上昇。GWの谷間の営業日は、1営業日~3営業日で年によって異なりますが、今年のように続伸となったのは珍しいこと。谷間で2日続伸になったのは、2009年のGW以来です。GW明けの日経225がギャップアップで始まるのではないか?その可能性(売り方にとってはリスク)を想定して動く市場参加者が多かったということです。

 5月の月替わり初日でもある1日(月)は、ややラッキーな上昇といった側面がありました。前週末に北朝鮮のミサイル発射もありながら、小じっかりでスタート。この日の日経225先物は売り優勢だったように思われましたが(ファーストリテイリングやファナックなどが大き目の下落=先物売りに伴う裁定解消売りなどが影響)、取引時間中に指数はジワジワ上げ幅を拡大。日経225の高ウエイト銘柄である東京エレクトロン、日東電工などの好決算が重なり、これら少数銘柄が指数を強く引っ張り上げたためです。前週末に強いガイダンスを示した東京エレクトロンが前日比1730円高、日東電工が同497円高、NTTデータが同300円高となりました。この3銘柄の日経225値上がり寄与度は、それぞれ65.777円、18.897円、11.406円。この3銘柄だけで96.08円の押し上げ効果ということで、この日の上昇幅の84%が3銘柄の急騰が理由でした。とはいえ、「月の初日が上昇」というパターンが今回で11カ月連続となっています。日経225の月初上昇はかなり強いジンクスになりつつあります。

 5連休を前にした翌2日(火)も続伸。前の日の海外市場は米国以外ほとんど休場。その米国では、ムニューシン財務長官が超長期債について「完全に理にかなうだろう」と発言したことで米長期金利が2.32%に上昇。また、トランプ大統領が「インフラ投資を今後2~3週間のうちに提出するだろう」など複数の発言内容が伝わっていました。そのなかで、日本市場で関心がもたれたのは、北朝鮮の金正恩に対し「彼に会うことが適切なら、間違いなく私はそうするつもりだ」「話がしてみたい」と対話の意向を示した発言。日本市場を覆っている北朝鮮リスクのベストシナリオは、平和的に対話で解決してくれること。この発言だけで現実になると期待するのは早計ですが、GW前に好感されたのは間違いないと思われます(朝から防衛関連株が急落で始まったことがよく表しています)。

 前日に米VIXが一時10を割れていました。これは、2007年2月14日以来のこと。連休前だからといって、実現可能性の低いリスクばかり気にしても意味が無いことをVIXが示していました。GW中には、FOMCや米雇用統計が予定されていました。ただ、FOMCは現状維持がコンセンサスだし、雇用統計も前月が9.8万人増でもネガティブサプライズは生じなかったわけで、今回悪くても市場は驚かないだろうことが想定できていました(逆に反動で強めの数字が出ても驚かない)。つまり、重要そうなイベントはあっても、実際は重要ではなかったわけで、それをわかっていた日本の市場参加者もリスクオンでこの日は市場に対峙していたといえます。5連休前だからといって何もしないのがリスク。GW中に米ドル/円の上昇が進み、リスクオンが進展することがリスクなわけで、買いヘッジに回った向きが多かったようです。東京時間の2日午後、米ドル/円は約1カ月ぶりとなる112円に乗せました。

(今週の見通し)

 日本の5連休中、海外では複数のイベントが消化されましたが、いずれも無難に消化していきました。3日のADP雇用統計やISM非製造業景況指数は市場予想を上回り、順方向(米ドル/円上昇、米長期金利上昇)で反応。4日(米国時間3日)のFOMCでは、経済情勢にかなり楽観的な姿勢が示され(1-3月GDPの悪化も「一過性」と一蹴)、6月利上げ確率が9割超に上昇。6月利上げが確実視される状況になったことを受け、こちらも順方向で反応。また、米下院ではオバマケアの代替案を修正した法案を賛成多数で可決しました。さらに、週末5日の4月の米雇用統計も強い数字。失業率が4.4%(市場予想4.5%)。非農業部門の雇用者数増が21.1万人増(同19万人増)で、前月(9.8万人増→7.9万人増に下方修正)と比べてかなりのリバウンドとなりました。ただ、強い雇用統計を受けながら、米ドルはやや利食いモードに・・・。

 そして、GW明けとなる8日(月)早朝。フランス大統領の決戦投票でマクロン氏の勝利が確実と伝わり、ユーロ/米ドルが1.0995ドルに上昇。米ドル/円も報道直後に112.88円まで上昇と、マクロン仏大統領の誕生をリスクオンで歓迎しました。ただ、東京時間が始まると、ユーロ/米ドルは1.097ドル割れまで下落。残っていた売りポジションの買戻しが一巡すると、反応的には「事実で売り」的になっている点は気になるところです。もちろん、参加者が限られる時間帯であることも割り引き、冷静に追っていく必要がありますが・・・。

 連休中のイベントを無事通過し、為替も円安方向、海外株も上昇という申し分ないリスクオンの風を受け、日経225はギャップアップでGW明けの取引を始めました。年初来高値(3月高値19656.48円)を更新することで、「さあ、2万円だ!」の気運を証券業界挙げて高めていきそうな雰囲気です。これまで、リスクイベントが重なっていたため、連休明けまでポジションを軽くしていた、ヘッジファンドを含めた短期筋も多そう。ハードルを越えたことをハヤし、このトレンドに追随する動きが短期的に強そうに見えます。日本の個人投資家の動きでいえば、あくまで4月28日時点の数字ですが、信用売り残が8959億円(前週比522億円増加)と4月以降で最大になっています。一方で、信用買い残は2兆3948億円(前週比1220億円減少)で4月以降で最小。足元の上昇局面では、利食い売り、もしくは新規売りで動いた人が多かったことが想像されます(なぜ上がっているか不明なため、下落しそうだという相場感のもとで動いていた?)。週明け早々から年初来高値となれば、こういった短期ショートで入った向きの踏みも巻き込み、オーバーシュート気味になりやすいともいえます。

 ひとまず、日経225は大台(しかも誰もが意識する2万円という節目)目前なわけで、この値段を付けられるかどうかだけ見ておけばいいでしょう。2万円を付けたら重くなるかな?とか、そういった先のことは2万円付けてから考えればいい話。ここで忘れてはいけないのは、日経225が上がっているのは、前述の海外イベントを無難に通過したためであるということです。その最後のイベントであるフランス大統領選挙の決選投票後、最も大きく上下したのはユーロ/米ドルで、これが「事実で売り」的な動きをしたわけですよね。市場で幅広くマクロン勝利は織り込まれてきたわけで、それが事実になったあと、気前よくマーケットはリスクオンを強めるのかどうか?ECBにとっての懸念が後退したことはプラスとはいえ、ユーロにとってどの程度の上昇余地をもたらすものなのか?を確認するほかありません。一番大きな資金が動いたユーロ/米ドルが1.10ドル台の直近高値を再び上回れるか?が日経225にとっての目先的な判断材料。上回れるなら、日経225の2万円を妨げるハードルはあまり無いように思います。

また、連休中に米トランプ大統領のオバマケア代替案の修正法案が下院で可決されました。普通に考えると、トランプ大統領の政策実行力への疑問が後退となり、プラスといえます。これが米国株や金利、米ドルにとってどの程度の上昇余地をもたらすものなのか?も重要です(こちらもマーケットの動きを追っていくしかありません)。今週の想定レンジは19400円~20100円とします。今後1カ月のレンジは19000円~20500円と下限、上限とも再度引き上げます。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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