岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/03/27 14:31トランプ・オフに気をもむ展開?一方で、今週は下支え要因も!

日経225 現物指数 終値19262.53円(3月24日)
安値18973.75円(3月23日)/高値19485.14円(3月13日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2016/1/1~2017/3/24
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

 日本株にとってプラスといえる話がなかった先週、週間でも259円安となりました。それでも、週末の謎の上昇(177円高)も含め、相変わらずあまり下げない日経225という印象。先週も日銀砲(1回当たり736億円のETF買い)は2発入り、無理矢理、市場の原理とは関係なく下げ止まらせていた部分は確認されました。この日銀の株式市場への介入も、“忖度(そんたく)”があって続いているのかな?なんて妄想してしまうくらい、先週は森友学園問題一色でもありましたね。

 G20も通過した週初21日(火)の日経225は、円高に原油安、さらには森友学園問題がはらむ政治不安などを織り込む形で軟調なスタートになりました。ただ、「外部要因で安く始まる→TOPIXが前場下落→日銀ETF買い発動」のリレーが鉄板化している東京時間。午前の10時過ぎ辺りから日銀EFT買いを意識し、「売りを控える」とか「日銀目掛けて短期買い」とか、そういう思惑が価格にも反映されます。この日もそういった雰囲気でしたが・・・前場のTOPIX下落率0.27%で、日銀ETF買いは入っていませんでした。

 翌22日(水)に朝から急落(現物の日経225で300円強のギャップダウン)。前日の米株市場で主要3指数がそろって今年最大の下落。NYダウは237ドル安(1.1%安)と、昨年10月11日以来起きていなかった1%以上の下落になりました(5カ月にわたって1%下げてなかったこと自体凄い!)。米国の長期金利は2.42%に低下し、トランプラリーの象徴だったゴールドマン・サックスなど金融株も大幅安。米ドル/円も111円台と年初来安値を更新していました。これまで、「円高+米株安」が目立つ形でセットになっていなかったこともあり、ダブルパンチで日本株に影響したといえます。安く始まったあとも、薄商いが継続。この日、あるディーラーは「端末よりWBCの準決勝を見ている」と言っていました。安いところを買いに向かったのはこの日も日銀ETF買い。一方で、先物の売り方では、日経225でクレディスイス(1580枚売り越し)のほか、野村証券が2874億円売り越し。大き目の下げ局面では逆張りの個人投資家が買い向かうケースが過去は多かったのですが、この日の野村の売り手口から察するに、日経平均レバレッジETFの解約売りや日経平均ダブルインバースETFの買いが多かったのではないかと思われます(個人投資家の投資行動も変化しています=下げたら買い!という気持ちが相当薄れている)。

 衆参両院の予算委員会における籠池氏の証人喚問に注目された23日(木)。この日も、米長期金利が一時2.375%まで低下するなど、トランプ大統領が掲げてきた経済政策が遅れることを(今更)織り込みにいく動きが海外市場では継続していました。イギリスのロンドンで発生したテロ事件については反応も限定的。朝方こそ19000円を割り込んだ日経225でしたが、前日に414円下げたこともあって売り込む動きも限られました。籠池氏の証人喚問はどちらかといえば買い戻し要因に。証人喚問の中継中に下げ渋っていたわけですが、この日のTOPIXの前場下落率は0.06%だけですが前日比マイナス。驚きを呼んだのは、この日の夕方、日銀がETF買いを実施していたことを明らかにしたことでした。今年に入り、前場のTOPIX下落率が0.1%以下の状況で、日銀ETF買いが発動したケースはありませんでした。でも、この日に限って買っていたわけで・・・。証人喚問の焦点のひとつだったのが、安倍昭恵夫人による忖度があったかどうかでした。場合によっては安倍政権に大きな打撃を与えかねない証人喚問でしたが、そんな日に限って前場TOPIX0.06%安でもETF買い発動・・・これも何等かの忖度が働いていたのでは?と市場が想像するのも無理はないと思われます(妄想ですが)。

 週末24日(金)は、未だはっきりとした理由がわかりませんが、日経225は大きめの上昇に。注目されたのがオバマケアの代替法案の採決でしたが、反対派を説得できず、まさかの先送りとなりました。不透明感は増していたわけですが、オバマケア代替法案が24日に採決されると報じられていたこともあり、「可決できるのではないか?」という見方が広がっていたのかもしれません。この日の東証1部の空売り比率は35.77%と、先週では最も低い数値に低下(前日23日は38.74%)。日経225も上がったとはいえ、「買われた」というよりは「買い戻された」が正解なのだと想像されます。


(今週の見通し)

 (為替水準と比べた違和感から)なぜ、こんなに日経225は下げないのか?と感じている市場参加者は多かったと思われます。ただ、これも今週の週明けの大幅安で少し解消していくかもしれません。24日(金)のCME日経225先物の清算値は19095円ですが、週明け27日(月)は東京時間の朝方から19000円割れ。米長期金利や米ドル/円などが先行してトランプラリーの後始末を進めていましたが、株式市場も追随し始めています。

 先週末、オバマケアの代替法案をトランプ大統領が取り下げました。共和党内の保守強硬派「フリーダム・コーカス」を抑えきれず、下院で採決できなかったわけです。まさにご破算。看板政策でもあったオバマケア代替法案から、いきなり躓いたトランプ政権。この波紋がどこまで広がるのか?が焦点になります。米長期金利は先行して低下していたため、何を見るべきかでいえば米国株でしょう。米国株がどの程度調整するか?に注目すべき週です。米国株が下げるなら、NY時間に日経225先物は必然的に下がるでしょう。

 日本株に対して万年強気派は、「これからは一番大事な税制改革にシフトしていくはずだ!」と前向きな見解を示していますが、かなり無理があります。「フリーダム・コーカス」は財政緊縮派であり、減税には原則賛成としていますが、政府債務の拡張には徹底的に反対してきます。オバマケアの代替法案ですら通せなかったわけで、大規模減税やインフラ投資のとりまとめが遅れたり、放棄されたりする可能性を無視するわけにはいきません。トランプラリーによるリスクオンを“トランプ・オン”とするなら、“トランプ・オフ”の勢いがどの程度の時間かけ、どの程度の株押し下げ要因として進むかに気を揉む必要があります。

 ただし・・・日経225については今週、凄まじい下支え効果も存在します。前述のようなストラテジーを基に、売り下がればいいという話でもないのが難しいところ。まず、今週も、毎度のことですが日銀ETF買いが入ります。仮に毎日前場に下げて、毎日買ったとしたら週間で最大約3700億円の買い越し要因になります。もうひとつが「配当の再投資」(詳細ついては、先週3月22日放送の「Stock Indexチャンネル」をご覧ください)。今週は3月配当の権利付最終売買日が28日(火)、配当権利落ち日が29日(水)。「28日に向けて配当狙いの買いが入る」と一般的に言われますが、翌日配当が落ちるとわかっているものを買う投資家は少数派でしょう。

そうではなく、この28日と29日の2日間で、GPIFなど配当込みTOPIXをベンチマークとするパッシブファンドや、ETF運用者が配当落ち分を一時的に埋めるために該当指数の先物を購入します。これがこの2日間だけで4000億円近く入ることが確実視できます。普段は存在しない買い需要が存在する特異な週が今週。“トランプ・オフ”による外国人投資家の日本株売りが入っても、その売りにぶつけにいく買い手も想像できます。これも、あくまで機関投資家の事務作業ですので、日本株に押し目買いニーズが強いというわけではありません。ですから、無駄に底上げしている日経225は、タイムラグを置いて今後調整することになるでしょう。今週の想定レンジは18600円~19400円に、今後1カ月のレンジは18000円~19800円とします。


(おしまい)

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