岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/06/18 12:29方向感の出にくい日経225、今週はどうなる!?

日経225 現物指数 終値22851.75円(6月15日)
安値 22667.30円(6月11日)/高値 23011.57円(6月12日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/6/15

(先週の振り返り)

 重要イベント満載の週として身構えられていた先週ですが・・・終わってみると、毎度の動かない週でした。週間の上下値幅は344円と、前週の523円と比べてむしろ縮小。米朝首脳会談、FOMC、ECB、日銀を全て消化した先の日経225は、前週末の水準から157円ほど切り上がっただけでした。とはいえ、日経225の堅調地合いは維持。堅調ながら上値が重く、値幅は狭い・・・日経225のレバETF含め、日経225トレード離れが進んでいます。

前週末9日閉幕のG7は、後味の悪いものに。首脳宣言のわずか3時間後、トランプ米大統領が合意内容を不承認するという、異例の表明(ツイッターで)。逆に貿易摩擦懸念を広げる格好になったわけですが、そんなこと意に介さず(?)、そんなムードで週明け11日(月)の日経225は推移します。小幅安で始まったあとからプラスに切り返し、結局109円高に。翌日に米朝首脳会談を控えるなか、翌日の値動きを想像するうえで指標になるのは4月27日の南北首脳会談。この日の日経225が上昇し、高値引けとなった残像から、直前での買いヘッジ、もしくは売りポジションの買い戻しが優勢だったようです。実際、この日の先物手口でも、日経225先物は野村證券、TOPIX先物はSMBC日興証券が買い筆頭でした。これら国内証券の顧客である国内機関投資家に、翌日の上昇を見越した先物買い(買いヘッジ)を入れていた向きが多かったと推測できます。

重要イベント週の一発目、米朝首脳会談が実現した12日(火)。会談後の上昇を見込んで、前日から続いた日経225先物買いは、11日夜、そしてこの日の先物オープン直後まで継続しました。日経225先物は、開始直後に22970円。現物の日経225も開始直後に23000円台に乗せます。ただ、結局ピークはここ・・・東京時間は、米朝首脳会談の模様を投機筋がトレード材料にしただけといった1日になりました。世界中がテレビに釘付けになっていた10時に向け、急速に上げ幅を縮小。ただ、10時に米朝トップが握手する映像が流れると、10時ジャストを日中安値(日経225先物で22740円)にして再度上昇。昼食会の時間は方向感を失うも、後場の時間帯にトランプ大統領の発言「これから署名する」「みなさんの予想以上のもの」などヘッドラインが流れると、再び23000円を試すような動きに・・・。これら全て、米朝首脳会談をネタに短期筋が指数売買をガチャガチャやっただけとしか言えません。そう断言できる理由も、歴史的な1日の売買エネルギーが先物に偏っていたため。23000円台乗せた日でもありながら、東証1部の売買代金は前日比2割増、一方で日経225先物の売買高は前日比6割増でした。

13日(水)も小幅高で3日続伸となりました。前日発表された5月の米CPIが前年同月比2.8%上昇と、6年3カ月ぶりの高水準。次の関心がFOMCに移るなか、強いCPIを受けて年4回利上げにコンセンサスが傾き、米ドル/円が上昇。その追い風を受けて、日経225も23000円をまた試しにいきます(試すものの、ニアミスするだけで付けられないのですが)。そしてFOMCでは・・・市場予想通り、0.25%の追加利上げが決定し、ドットチャートでは今年の利上げ回数が4回に増えることが示されます。コンセンサス通りではありますが、米ドル/円は上昇し、米金利も上昇(債券売り)、米株は下落と教科書通りの反応に。

夜間に米株と一緒に下げていた日経225は、14日(木)は反落となります。23000円手前ということで、利益確定に動きたい向きも多かったのでしょうか。寄り付きギャップダウン(前日比123円安)から始まると、下げ幅を縮めたり、また広げたりと、東京時間は不安定な動き。とはいえ、東京時間にこれといった手掛かりはありませんでした(日銀が国債買い入れオペ通知で3-5年を300億円減額しましたが、ほぼ反応無し)。ただ、前場にTOPIXが0.4%安となり、6月に入って初となる日銀ETF買いが後場発動。この買いが支えになるかと思われましたが、この日の後場は想像以上に売りが強かったのか、前日比227円で安値引けに。なお、6月の1回当たり買い入れ額は703億円と、5月に買い過ぎた反動か、5月(720億円)より少し減っていました。

14日のECB理事会では、量的緩和の年内縮小が決まった一方、ドラギ総裁が政策金利を少なくとも来年(2019年)夏まで据え置く方針を表明。量的緩和の終了後も、流動性低下を通じて市場に混乱を招かないための配慮でしょう。ドラギ総裁の手腕を評価する声は多いようです。市場もユーロ安、米ドル高で反応し、欧州株も全般上昇。ECBのお膳立てもあり、15日(金)の日経225はギャップアップ(前日比144円高)で始まり、さあオオトリの日銀へ。ただ、こちらへの関心はさっぱりで、日銀会合の結果も“14会合連続”となる「現状維持」。結果判明直後もさほど日経225先物の出来高は膨らまず、結局後場はもみ合いに終始します。なお、この日は現物市場の売買代金が5月31日以来の3兆円越えに。これも、大引けでFTSEの指数入れ替えに伴うリバランスがあったことが理由でした。今回のFTSEのリバランスは、日本株から約600億円の資金流出要因と試算されていました。その影響もあってか、指数はプラスながら、東証1部の6割に相当する1254銘柄が値下がり。下がった株が多いのに指数はプラスという歪な日でもありました。NT倍率は、終値ベースで今年最高となる12.77倍に上昇。

(今週の見通し)

重要イベント目白押しで、ボラが上がると見られた先週ですら、結局は方向感が出なかった日経225。一見すると重要そうなイベントですら動かないだけに、なお一層、投資家は動きがとりづらくなっています。ファーストアクションで大きくポジションをとる投資家が不在なため、様子見(周りの行動を探っている)の投資家が動くきっかけも生まれず、商いが増えず、値段的に代わり映えしない・・・これは日本だけのことでは無さそうです。

週末15日(金)のNYダウは84ドル安でした。この日、トランプ米政権が、中国の知的財産権侵害に対する制裁措置として、計1102品目、500億ドル相当の中国製品に25%の追加関税をかけると発表しました。すると、翌16日に中国政府も、米国製品に同額の報復措置を課すと表明。いわゆる貿易摩擦懸念は上がり、マーケットにもネガティブ材料です。ただ、NYダウは一時(270ドル安で)25000ドルを割り込んだあと、急速に戻しました。前述の84ドル安も、84ドルしか下げずに終わったとも言えそうです。

なぜか?・・・こちらについても、「あくまでトランプ流の交渉戦術で、実際に貿易戦争には発展しないだろうから」と楽観的に解釈する市場関係者もいるのでしょう。ただし、この日は米国市場のSQで、NYSEの出来高も23.7万株と大商い(平常時の8倍以上)でした。SQだったことを理由にした需給要因で、この程度の下げで済んだ可能性も高いといえます。マーケットがさほど下げてないから大丈夫、とも言えないのが実情だと思います。この貿易摩擦懸念でいえば、11月の中間選挙に向け、支持率アップを目的とした小分けの関税引き上げが続く可能性はありそう。市場のリスク要因として残します。

そうしたリスク要因を残しながらも、日銀による巨額ETF買いなどで、実際の投資家のセンチメントがわからなくなっているのが今の日経225。リスクでいえば、目下では、千葉県沖で「スロースリップ」という現象が起きていることから、関東圏での地震発生が心配されています。そうした矢先、週明け18日(月)の午前7時58分頃、大阪府北部を震源とする大きな地震も起きました。自然災害の多い日本にとって、地震のリスクが日経225の下落要因として潜伏していることも改めて考えさせられます。それでも、地震を嫌気して18日の午前中下げると、後場には日銀が700億円超もの資金をETF購入に投じるのでしょう(もっと他の使い道が無いのでしょうか)。この繰り返しが、薄商いになりがちの市場でレンジを狭める効果を生むことを市場は理解しています。結果、ますます(まともな)投資家の参加意欲が低下していくだろうことが心配です。23000円での戻り売り圧力(売り手は国内機関投資家であることが多い)も強く、一方で下値を支える存在もいることから、今週の想定レンジは22300円~23100円に、今後1カ月のレンジを21900円~23400円とします。

(おしまい)

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※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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