岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/02/19 11:22日経225、現時点では売り買い拮抗か

日経225 現物指数 終値21720.25円(2月16日)
安値 21679.20円(2月13日)/高値 21866.37円(2月16日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/2/16

(先週の振り返り)

週間ベースで先週の日経225は上昇。ただ、同じ先週、NYダウが1028ドル高となったのに対して、日経225は337円高。震源地の米国株が半値戻しを果たすなど、落ち着きを取り戻していることを思うと、幅的に3分の1程度に留まった日経225の戻りは物足りない印象も。ひたすら“円高”(輸出企業の利益押し下げ要因→来期の増益期待後退、場合によっては減益懸念)に苦しめられる1週間でした。

3連休明けの13日(火)は、9日、そして12日にNYダウが続伸したことを好感(真似?)して高く始まります。世界同時株安の震源地となった米国ですが、NYダウはこの2日間で740ドルの上げ幅と大幅リバウンド。これを受け、幅的にNYダウに見習う日経225もリバウンド・・・のはずでしたが、戻りはイマイチでした。朝イチこそ強くぶつかるも、東京時間に入ると急に上値を重くします。前週の急落時に逆張りで買いエントリーした個人投資家が多く、この買い分が短期的な戻り売り圧力化していたのは間違いなさそう(日経225のみならず、マザーズなどの個別の新興株も安かった)。また、日本の内部要因としては、前週末に日銀の総裁人事について「黒田総裁の再任」を各紙が相次いで報じていたこともありました。よりリフレ色が強まる人事になるかもしれない、というサプライズの可能性で売り方が委縮していた部分があっただけに、売り方にとっては売りで入りやすくなった面もあったように思われます。

14日(水)も寄り付きはしっかりでスタート。米国株の上昇を受け、朝イチは21350円を付けるも、そこから失速してマイナスへ・・・。東証の昼休み中に21000円を割れる場面を作るなど、この日も円高を売り手掛かりにしつつ、需給面では戻り売り+新規売り(先物売りや空売り)でいいとこ無しの展開になります。米国株と相関せず、ひたすら円高と相関(107円割れ目掛けて円高だけグイグイ進行)。連日の東京時間の弱さを受け、「東京時間のリバウンド狙いは危険すぎる」なる認識だけは日本のデイトレーダーにも共有され始めます。なお、前日までの先物手口で、日経225はクレディ・スイスが連日の大幅売り越しで目立っていました。クレディ・スイス経由の先物売りが収まるまで底入れしにくい、と見る向きも多かったといえます。

15日(木)は終日で310円高と大幅反発になります。米金利の上昇に神経質となっていたなかで注目された米CPIは市場予想を上回る強い数値。これを受け、理屈通り米長期金利は上昇(2.9%台)します。債券売り、そして米ドル売り・・・ただし、米株売りではなく、この日の米株は買いで返ってきます。VIX指数も適温相場期に戻ったかのように節目の20割れ。米国株の落ち着きを理由に夜間に日経225先物が上昇しましたので、それにサヤ寄せする格好で朝は高く始まる日経225。ただ、この日も東京時間に進む円高が上値の重しにもなり、買い戻しと円高懸念の売りの綱引き状態に。米ドル/円は106円台に突入。

週末16日(金)には米ドル/円が105円台まで突っ込みます。それでも、日経225は255円高と続伸となりました。為替の影響も無く上がった、とは言えないものの、円高を売り口実として日経225先物を売るようなトレードが減ってきていることを意味しているのでしょう。この日の話題は、日銀の正副総裁人事。16日2時に日経が雨宮理事と早大の若田部教授で検討中と報道。実際、11時に政府が提示した人事案も報道通りでした。報道通りだったことを受けたマーケット反応は限定的。ただ、為替についてはどちらかといえば円高に動いていました。これは、節目の106円を切ったことによるストップロスなど需給要因が大きかったといえそうです。

 

(今週の見通し)

ひとまず、これまで起きた現象の逆流に転じています。一番の安心材料は、米国株の上昇。金利上昇を嫌って下げ始めたことが“変調”だったとすれば、先週は金利上昇と一緒に米国株も上がる(適温相場期の)姿に戻っています。株から債券へ・・・の流れが緩んでいるとすれば、単純に米国株との比較感も使えるでしょう。リバウンドで初動遅れた分がありますので、そのキャッチアップ的な動きがどこまで続くかが焦点。

そもそも、この波乱相場から「一旦落ち着いた」と表現できるのが、日経225でどの辺りを指すのか?このコンセンサスが出来ていないようです。21500円越えで落ち着いたといえるのか、22000円超なのか?・・・こうした場面では、直近でエネルギーが一番膨らんだ場面がいつで、その時の価格帯がいくらか?を見直すのがシンプルで有効だと思います。2月に入って起きた波乱相場で、日経225先物の出来高が膨らんだのは2月6日の15万4217枚、そして7日の11万7766枚。それ以降は出来高が減少傾向で、おそらく売り手が減ったなか、買い戻しが入っていることが需給的に戻しやすくしている理由といえます。

では、その高エネルギーがかかった6日と7日の日経225の4本値を一本化しましょう。始値は6日の21700円で、安値も6日の21050円。高値は7日の22340円で、終値は7日の21610円。この2日分の4本値をローソク足にすると、高値と安値の価格差で1790円ありますから、かなり大きめ。そして、実体(終値-始値)は陰線ですが、サイズは90円ほどと小さめ。上ヒゲの長さは640円、下ヒゲの長さは560円で、均衡しているといえます。このローソク足こそ、今回の波乱で起きた売り手と買い手の殴り合いの象徴。その中間が21700円レベルにあるわけで、足元で東京時間の戻り売り圧力となっている逆張りでの買い方の損益分岐点もこの辺りとメドが立ちます。21700円辺りが落ち着いたといえる目安。さらに、落ち着いた状態から、急落局面で買った人全員の買い値を上回るとすれば、日経225でいえば22340円。ここを上回ると、買い方のマインド好転だけでなく、売り方が劣勢になったと判断できそう。

ただし、言い方を変えると、現時点ではまだ売り買い拮抗で、ここからどちらに動きやすいかの判定はまだ出来ないともいえます。たしかに円高に対する耐久性を見せているとはいえ、これは現時点では・・・の話。企業自体も円高に耐性を付けているとはいわれるものの、3カ月後の3月決算企業の本決算時にも、現状のような米ドル/円が105円台で推移しているとすれば、かなりきついのも事実です。輸出企業の今期利益は増益ですが、期中の為替レートは112円くらいで推移しています。それが、2019年3月期予想に切り換える段階になり、慎重を期して100円程度で想定レートを設定する企業が多かった場合・・・心の拠り所にされている「PERで割安だから」的な論調も意味を持たなくなります(例えば、トヨタでいえば5000億円前後の営業減益要因になり得るため)。そして、株が数カ月先を織り込む習性があることを思えば、円高無視で輸出株のリバウンドを狙う人が今のように存在し続けるとは到底思えません(実際、電力や紙・パルプ、食品など円高メリット株が明らかに買われ始めている)。

単に「壊れた分の一部を修復しているだけ」と割り切り、今週の戻り高値も2月7日高値レベルまでに設定。今週の想定レンジは21500円~22350円に、今後1カ月のレンジを20900円~22800円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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