岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/04/23 11:214月の日経225、主導していたのは「外国人の買い戻し」?

日経225 現物指数 終値22162.24円(4月20日)
安値 21772.42円(4月17日)/高値 22360.65円(4月19日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/4/20


(先週の振り返り)

今年では最長となる5連騰も交え、驚異的なしぶとさを発揮しながら、3月以降で初の2万2000円台の奪回に成功した日経225。先週末時点で、終値ベースでの2万2000円台滞在日数は3営業日に。2月にも最長で3営業日の滞在はありましたが、そろそろ戻りも終わりそうという空気を一蹴し、値固めモードに転じられるのでしょうか?2万2000円から買いたい人がいる相場というより、2万2000円台だから買い戻している人(外国人)が多いだけ、といった冷めた周囲の声を纏いつつ、日経225の戻り相場は続きます・・・。

日経225先物の売り主導で下げた相場が、日経225先物の買い戻し主導で上がる相場、これが前週に続いて先週も続行しました。週初16日(月)は、米軍によるシリアのアサド政権に対する軍事行動を、世界で最初に東京市場が消化する形に。このタイミングで、時間外の米国株先物が上昇。攻撃後にトランプ米大統領がツイッターで「任務完了」とつぶやいたこともあり、一旦片付いたとの解釈から買い戻しの流れとなります。日経225先物の買い戻しが主導しますので、NT倍率も上昇(12.6倍台に)。

この日の夜のNYダウも反発で212ドル高。ただ、トランプ大統領が「ロシアと中国の通貨切り下げを容認できない」とドル安志向を露骨に示したこともあって、米ドル/円が下落。前日に先に上がっていたこともあって、この日の日経225はイマイチな動きになります。ただ、前場にTOPIXは小幅安となりながらも、日経225はわずかながら上昇で折り返します。やはり、NT倍率の上昇とセットでの日経225上昇となっていて、日経225の買い戻しメインの底堅さ・・・。

一番の見せ場を作ったのは、翌18日(水)でした。この日は外部環境面でいえば、好決算のネットフリックスが急伸し、これが火付け役となったハイテク株主導の米国株高が追い風になりました。また、東京時間が始まる前に、米ワシントンポストが「マイク・ポンペオ国務長官が極秘に北朝鮮を訪問し、金正恩と会談した」と報道。北朝鮮リスクの大幅後退を確信させる報道が流れたことも支援材料に。3月以降、丸1カ月付けられなかった2万2000円台の回復が、ショートポジションを引っ張っていた海外勢の買い戻しのトリガーになったのか、買い戻しが買い戻しを呼ぶ展開になります。「日米首脳会談を見極めたい」と様子見を決めていた向きも多かったことも奏功。東京時間の上げ幅拡大で、日経225は前日比310円高に。

19日(木)も、米ドル/円買い(戻し)・日経225先物買い(戻し)が同時進行。前日に続いて、米朝極秘会談が好感され、日米首脳会談を無難に通過したことも安心材料と解釈されていたようです。連日切り上がるNT倍率は、この日12.69倍まで上昇(※ちなみにNT倍率は、だいたい12.7倍台がピークです)。日経225はガシガシと買いが入る一方、翌週から始まる3月決算企業の決算発表を前に、個別株ベースではガイダンスリスクも気にされます。日経225が一時200円高する地合いのなか、逆行安したのが半導体製造装置関連(以下:SPE)。前日3Q決算を発表した米SPE大手ラムリサーチが、4Qの出荷が前四半期比を下回るとガイダンスを示すと、半導体製造の出荷ピークアウトを連想して東京エレクトロンやディスコ、アドバンテスト、スクリーンなどに飛び火します。

この動きは週末20日(金)に増幅。台湾のTSMC(米アップルのサプライヤー)が、4-6月期の売上見通しを78億~79億ドルと発表。市場予想の88億ドルを下回り、同社株が急落。iPhoneの需要減退の連想がクアルコムやAMD、前日に続いてSPEのラムリサーチなどの大幅連れ安に飛び火。さらにこれが、日本のSPEセクター大手に飛び火します。昨年の花形セクターである半導体関連が総崩れしながらも・・・日経225ウエイト上位のファストリや、内需系の資生堂やテルモ、電通やコナミなどその他日経225型銘柄の妙な強さでカバーする構図に。日経225も前日比プラスに持ち直す場面を作りながら、日経225VIも連日で低下。主力企業の先行き業績が不安、国内政治も不安・・・だけど日経225は(買い戻しで)強いため、実感の無いまま気付いたら2万2000円台・・・そんな1週間でした。

(今週の見通し)

先週に続き、ハイテク株の動向が気になるところです。先週末20日の米国株市場でも、米アップルが4%安で3日続落(NYダウ201ドル安のうち48ドルがアップルの寄与分)。台湾のTSMCのガイダンスから火が付いたiPhoneの需要低迷懸念ですが、ここに火を付けたのが米モルガン・スタンレーのレポートでした。iPhoneの出荷台数予想を下方修正し、18年度の出荷台数が従来予想の2億1700万台を下回る2億1000万台になりそうだと指摘。この懸念が、日本のハイテク株の重石になっています。

そのなかで、今週は米国では23日にアルファベット、25日にフェイスブック、26日にアマゾンなど、FANGの決算発表が相次いで予定されています。国内でも24日の日本電産、25日に東京エレクトロン、26日にファナック、27日にソニー、TDKなどが控える決算ラッシュ週。決算に対するネガティブサイドの反応がやたら大きくなっていることを考えても、見切り発車で買い向かう市場参加者が多いとは到底思えません。

また、米10年債利回りが2.961%へ大きく上昇しています。今年2月の2.949%を上回り、約4年3カ月ぶりの高水準。足元の原油価格(トランプ大統領がOPECに責任があると批判して、やや低下していますが)値上がりが背景にあり、インフレ率上昇を織り込む動きになっています(来週5月1日~2日がFOMC)。金利高も株にはネガティブ要素として心配なところ。一方で、先週末の北朝鮮情勢はさらに改善しています。米朝極秘会談で懸念が大きく後退したうえ、21日から核実験や大陸間弾道ミサイルの発射実験を中止することを北朝鮮が発表。地政学リスクの急激な後退分がプラスとなる形で、前述の不安材料との綱引きになりそうです。ちなみに、26日~27日に日銀会合(新体制では初の会合)が控えていますが、関心度は低そうなので日経225にとってのイベント重要性は低そう。

決算ラッシュへの不安と、地政学リスク後退の狭間で方向感を失いそうな日経225。ただ、国内外を取り巻く要因分析をすると、そもそも4月はずっと動きにくい地合いでした。そのなかで、先週末時点において、4月の日経225は707円も上昇していたわけです。この過程で言えるのは1つで、東証が公表する投資主体別売買動向を見ても「外国人の先物買い戻し」だけが主導していたということ。ボラティリティ低下によって、株のウエイトを戻すファンドがあったとすれば、ボラティリティ低下自体がアンワインド要因(日経225先物の買い戻し要因)だったといえます。これが進み、日経225が上昇する過程でNT倍率もセットで上昇していました。そのNT倍率も、先週本コラムで指摘した通り、過去のピークになりやすい12.7倍手前(先週の高値12.69倍)で上昇がストップ。リバーサルも一巡した可能性があって、「何だかよくわからないけど日経225がしっかり」は一旦終了したと想定します。今週の想定レンジは21600円~22500円に、今後1カ月のレンジを20900円~23000円とします。

(おしまい)

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