岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/12/11 11:50上方向のトレンドに翳りはない?

日経225 現物指数 終値22819.03円(12月1日)
安値 22363.94円(11月20日)/高値 22994.31円(11月22日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/12/1

(先週の振り返り)

11月最終週の終値が22819円だった日経225。それが6日(水)に22119円まで700円幅も落ちながら、終わってみれば前週末8日(金)は22811円でフィニッシュ。週末の高値は22819円と、恐ろしいほど前週末の終値にホールインワンしています。結局、弱気筋をふるい落としただけで、元のレンジに戻った日経225。とはいえ、市場から聞かれるのは「買っとけばよかった日経225」ではなく、「買っとけばよかったビットコイン」。これ一色でもありました。

22800円台で始まり、週央に22100円台まで下がり、22800円台に戻して終了。ほぼパーフェクトとも言える"往って来い“の1週間を振り返ります。まずは週初4日(月)。前週末に米議会上院で税制案が可決されたことを受け、朝イチCMEの日経225先物は22940円まで買われていました。ただ、高く始まると上値をつぶす売りが入るのが東京時間の最近のパターン。寄り付き直後をピークに、マイナス圏に転落していきます。この日の前場のTOPIXは0.09%安。この下落率での日銀ETF買いは見送られていました。

5日(火)も続落。前日のNYダウは最高値を更新するも、ハイテク株売りが警戒されるなかナスダックは下落するチグハグな動きでした。ハイテク株の下げは大規模なリターンリバーサルの継続を連想させ、日本株はネガティブに反応します。一時22522円まで下げるも、現物市場の昼休み中「黒田日銀総裁が首相官邸に入った」と伝わると、日経225先物が日中高値を付ける動きに。半年ぶりのアベクロ会談。その後伝わった会談内容は「世界、日本経済の展望について話した」「次期総裁の話はしていない」など・・・。買う理由はとくにない単なる定例的な会談だったわけですが、後場は日銀のETF買いが入ったこともあって下げはマイルドに(この日の前場のTOPIXは0.11%安。0.1%以上の下落率で後場にETF買いを発動している可能性は濃厚)。

大きく動いたのが6日(水)。米国株が上昇一服していたこともありますが、前日に日銀ETF買いで無理矢理下げを食い止めていた分の反動が出やすかったといえます。朝から軟調・・・ただ、またしても先物タイム(11時半~12時半)に突然大きく動きます、この日は下方向へ。結局この日、一時500円安を超え、終値ベースでは445円安と今年最大の下げ幅になりました。なぜここまで下げたのか?時間的に下げたのが11時過ぎということでいえば、(朝から他のメディアは伝えていましたが)「トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都に認める方針だ」というニュースが流れていました。これを見て人間が売ったというより、買いが止まっていたなかでヘッジファンドが日経225売りをパワープレーで仕掛けてきたという感じでしょう。いわゆる中東リスク・・・。また、この時間帯に上海総合指数など中国株も下げていたからという理由。とはいえ、日経225のほうが下げていましたが・・・。さらには、週末にメジャーSQを控えることに伴う需給波乱。「SQ週の水曜日は荒れる」という都市伝説があるのですが(実際は、今年のSQ週の水曜日は一度も荒れていない)、まさにそんなタイミングで大きく下げました。

7日(木)は前日の日本株の下げがやり過ぎだったことを実証するように、4日ぶりに反発。1日で前日の下げの7割方を取り戻しました。エルサレムの問題を口実に下げたとされていましたが、本来であれば中東情勢に反応が大きく出るはずの欧州株式市場が小幅安。さらに、米国株市場では恐怖指数のVIXが2日連続で低下していたのを見ても、「昨日の日本の下げが間違っていたんだよ」と通告された格好で・・・。ヘッジファンドの先物売り仕掛けを受け、無駄に売らされたポジション、無駄に作らされたヘッジ売りのポジションが多かったということ。その分の買い戻しをメインに上がったのだといえそうです。

週末8日(金)も連日で300円を超える上昇に。米上院で債務上限を延長する歳出法案が、圧倒的賛成多数で可決。政府閉鎖が2週間ほど先送られたことで、米ドル/円は上昇に弾みが付く格好で113円台に乗せました。米国株高と円安の合わせ技で、日経225は寄り付きギャップで上昇。また、この日は12月限のメジャーSQでした。日経225のSQ値は22590.66円で、前日比92.63円高。一方でTOPIXのSQ値は小幅ながらマイナスでした。市場推計によれば、この日のSQに関連する注文は、日経225が約170億円買い越しだったのに対し、TOPIXは約1290億円売り越しだったようです。SQ注文がNTロングの形だったこともあり、SQ要因で安く寄り付いたTOPIXを買い向かう動きが広がった週末でもありました。

(今週の見通し)

先週末発表された11月の米雇用統計は、市場予想を上回る22万8000人増で、賃金上昇率も前月比+0.02%。労働環境に対する消費者のマインドは良く、簡単に腰折れする米景気では無さそう。景気拡大が続くという方向性に何の変化も無さそうで、今週のFOMCでは今年3回目の利上げも確実と見られています。

いわゆる「ファンダメンタルズがしっかりしている」なかで、短期的に弱気になる理由は「下がり始めたから」というような値動き発の理由くらいしか見当りにくくなりつつあります。その売り理由すら、先週すでにハイテク株売りが一服したことで下火に。

とはいえ、短期筋が格好の売り口実にしそうなネタ(先週6日の中東情勢リスクといった類のネタ)に、日経225は世界一脆弱だということがまたしても判明しましたね。最近いつもこのパターン。東証の昼休みなど先物しか売買できない時間帯で仕掛け売り→水準が大きく下がると現物タイムでは裁定解消売りなど誘発、で余計に下げを広げるパターンです。そして、この下げはいわゆる“ばったもん”ですので、すぐに戻す。そういえば、6日の東証1部の空売り比率も42.8%と高水準に上がっていましたね。すごく下げるとき、手持ちの株を売る人が多いのではなく、空売りする人が多い東京市場・・・みんな投機ですね。

そのなかで先週、東証1部の中型株指数、小型株指数は最高値を更新していました。先物の影響を受ける大型株の値動きは安定していませんが、指数ウエイトの低い中型株、小型株は最高値を更新。つまり、上方向のトレンドに一切の翳りはないといえます。この理由も、相場感に関係なく入り続ける日銀ETF買いや自社株買いで説明できます。結局、根本は何も変わりません、日銀ETF買い年6兆円という異次元の世界においては・・・。

今週も、日経平均など指数や大型ハイテク株など今年上昇した銘柄については、クリスマス休暇前のポジション調整で短期的には売られる局面があるかもしれません。ただ、それは大局的な話ではない・・・。大局は東証1部の中型株指数、小型株指数が示すように、株が下げにくい盤石のシステムの中にある・・・。それがつまらないから、ビットコインに全てを捧げようとするプレーヤーも出てきたのかもしれませんね。想定レンジは22400円~23100円に100円ずつレンジを引き上げ、今後1カ月のレンジ22000円~23500円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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