株価指数ウィークリー・レポート市場調査室
米中貿易摩擦は一段と激化!?
2019/05/14 15:25
(過去1週間のレビュー)
5月8日~14日の日経平均は軟調に推移。14日には一時20751.45円へと下落し、取引時間中としては約3カ月ぶりの安値を記録しました。米中貿易摩擦が激化するとの懸念が強まり、日経平均への下落圧力となりました。
(今後の見通し)
米国は10日、対中制裁関税の引き上げ(2000億米ドル相当)を実施しました。その報復措置として中国は13日、600億米ドル相当の米国製品に対する関税を6月1日から引き上げると発表。米国は同じく13日、制裁関税の第4弾として、約3000億米ドル相当の中国製品に最大25%の関税を課す計画を表明しました。第4弾は6月末にも発動される可能性があります。
市場では、米中貿易摩擦が激化するとの懸念が高まっています。その懸念を一段と強める報道が出てくれば、主要国株価には下落圧力が加わる可能性があります。米ドル/円の下落(円高・米ドル安)が想定されるため、日経平均の下げは大きくなるかもしれません。
今週は米国の経済指標が多く発表されます。15日の小売売上高(4月)やNY連銀製造業景気指数(5月)、鉱工業生産(4月)、16日のフィラデルフィア連銀製造業景気指数(5月)、17日のミシガン大学消費者信頼感指数(5月)などです。それらの結果次第では、市場の関心は米景気動向にも向く可能性があります。
日経平均は、5月8日に200日移動平均線を割り込み、その後も同移動平均線より下の水準で推移しています。200日移動平均線(5/14時点で21871円水準に位置)が目先の上値メドとして意識され、それに近づく場面では利益確定売り圧力が強まるとみられます。一方、日経平均の下値は、20000円割れを想定しておく必要があるかもしれません。
期間:2018/5/1~2019/5/14
(出所:リフィニティブより作成)
※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。
*次回は5月21日(火)配信予定です。
(シニアアナリスト 八代和也)
※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。
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