株価指数ウィークリー・レポート市場調査室
株式市場の関心は米金融政策や経済指標に移るか
2019/02/26 15:20
(過去1週間のレビュー)
日経平均は2月20~26日に堅調に推移し、26日に取引時間中として、25日に終値として、約2カ月半ぶりの高値を記録しました。NYダウや米ドル/円が上昇し、日経平均の支援材料となりました。
(今後の見通し)
米国はこれまで、3月1日までに中国と通商協議で合意できなければ、中国からの輸入品2000億米ドル相当に対する関税を引き上げる方針を示していました。
トランプ米大統領は2月24日、対中関税の引き上げ延期を表明。翌25日には、「(米中)両国は合意に極めて近い位置にある」との認識を示しました。
市場では、米中が通商協議で合意するとの期待が一段と高まっており、その期待が引き続き、NYダウの支援材料となる可能性はあります。
一方で、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の半期に一度の議会証言が26-27日に行われます。また、今週(2/25の週)は米国の重要経済指標が発表されます。米株式市場の関心は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策や米経済指標へと移ることも考えられます。
パウエル議長の証言は、1月29-30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)後の会見や、その時の議事録におおむね沿った内容になるとみられます。その場合、NYダウの反応は限定的になる可能性があります。一方、経済情勢に関する見方が1月のFOMCの時から変化した、あるいはFRBの金融政策の先行きやバランスシートの縮小計画について新たな材料が提供された場合、NYダウは反応しそうです。
米経済指標では、とりわけ10-12月期GDP速報値(2/28)、12月PCEコアデフレーター(3/1)、2月ISM製造業景況指数(3/1)に注目です。
日経平均は、依然として国内要因以上にNYダウや米ドル/円の動向に影響を受けやすい地合いです。それらが上昇を続ければ、日経平均は200日移動平均線(2/25時点で22070円水準に位置)に接近する可能性があります。
※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。
*次回は3月5日(火)配信予定です。
(シニアアナリスト 八代和也)
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