株価指数ウィークリー・レポート市場調査室
日経平均がレンジを抜けるには材料が必要!?
2018/12/04 15:27
(過去1週間のレビュー)
11月28日~12月4日の日経平均は、堅調に推移。12月3日には一時22698.79円へと上昇し、10月18日以来の高値を記録しました。11月28~30日は12月1日の米中首脳会談に対する期待感が日経平均の支援材料となりました。首脳会談では両国の対立激化が避けられ、それが3日の日経平均の上昇要因でした。日経平均は本日(4日)、8営業日ぶりに反落しました。ポジション調整との見方があります。
(今後の見通し)
トランプ米大統領と習近平中国国家主席は12月1日、ブエノスアイレスで会談。米国が来年1月に予定していた2000億米ドル相当の中国製品に対する追加関税の引き上げ(10%から25%へ)を延期し、知的財産権保護などに関して90日間を期限に交渉することで米中首脳は合意しました。米国は90日以内に交渉の進展がなければ、対中追加関税を25%に引き上げる方針です。
米中が90日間の通商協議中に合意できるかは不透明です。今後、通商協議の先行き不透明感が市場で意識された場合、日経平均の上値を抑える要因になる可能性があります。米中の通商政策に関するニュース(例えばトランプ大統領の発言)には注意が必要です。
米中の通商政策に関するニュースが新たに出てこなければ、日経平均は米国株や米ドル/円相場の動向の影響を受けやすい地合いになりそうです。また、原油価格が大きく変動した場合、それも材料になる可能性があります。OPEC(石油輸出国機構)は6日、定例総会を開催。原油の協調減産を協議するとみられます。
日足チャートをみると、日経平均は21500~23000円のレンジで上下動を繰り返しています。そのため、レンジ下限に近づけば押し目買い意欲が強まるとみられる一方、レンジ上限に近づけば利益確定売り圧力が強まる可能性があります。日経平均がレンジの上下どちらかを抜けるには、さらに強い材料が必要かもしれません。
※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。
(出所:トムソン・ロイターより作成)
*次回は12月11日(火)配信予定です。
(シニアアナリスト 八代和也)
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※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。
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