株価指数ウィークリー・レポート市場調査室
今週末、米中首脳会談の予定。日経平均に影響しそう
2018/11/27 16:05
(過去1週間のレビュー)
11月21~27日の日経平均は、底堅く推移しました。NYダウが下げ渋ったほか、米ドル/円の上昇(円安・米ドル高)が日経平均の支援材料となりました。米ドル/円は20日に一時112.29円へと下落した後に反発。昨日(26日)、一時113.61円へと上昇し、11日ぶりの高値を記録しました。
(今後の見通し)
金融市場の関心は今後、米国と中国の貿易摩擦の行方に向く可能性があります。
米WSJ紙(ウォール・ストリート・ジャーナル)が11月26日、「トランプ米大統領は、2000億米ドル相当の中国製品に対する関税を現行の10%から25%に引き上げる意向」であり、「(トランプ大統領が)中国からの関税引き上げの見送り要請を受け入れる可能性は非常に低い」と報じました。米国は9月24日、対中追加関税の第3弾を発動し、中国からの輸入品2000億米ドル相当に10%の関税を上乗せしました。
トランプ米大統領と習近平中国国家主席が、11月30日~12月1日のG20サミット(首脳会議)に合わせて会談する予定です。 トランプ大統領は首脳会談で中国と合意できなければ、新たに2670億米ドル相当に対する追加関税(対中追加関税第4弾)の発動に踏み切る構えです。仮に発動されれば、中国からの輸入品全てが追加関税の対象になります。
米中首脳会談で、両国の貿易摩擦の解消に向けて前進がみられれば、リスク回避の動きが後退して、日経平均の上昇要因となる可能性があります。外為市場では、円安が進行することも考えられ、その通りになれば、日経平均にとってさらなる追い風になりそうです。一方、首脳会談で両国の対立が改めて浮き彫りになれば、リスク回避の動きが加速するとともに、円高が進行するかもしれません。その場合、日経平均への下落圧力は一段と強まる可能性があります。
※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。
*次回は12月4日(火)配信予定です。
(シニアアナリスト 八代和也)
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