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ダウ押し上げる材料

2020/10/12 09:57

「ダウ前週比3.3%高」

相場に勢いがありました。ダウ工業株30種平均は前週比で904ドル、率にして3.3%高の2万8586ドルで先週の取引を終えました。2週続伸しました。

S&P500種株価指数は3.8%高の3477。テクノロジー株とヘルスケア株の寄与度が大きいナスダック総合株価指数は4.6%高の1万1579でした。小型株の指数であるラッセル2000は前週比で6.4%も上げました。

少し前まで、アップルをはじめとするFANGと呼ばれる主力テクノロジー株に買いが集中しているとの懸念がありました。先週の市場は、幅広い業種、大型株から小型株まで買いが広がったことを示しました。

背景は複数あります。新型コロナウイルス対策の追加経済対策への期待が1つ。民主党とホワイトハウスの交渉は合意に至っていませんが、協議は継続しています。

2つ目は「ブルーウェーブ」。11月3日の大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利し、また下院だけではなく、上院も民主党が制するとの観測が株価を押し上げました。「ブルーウェーブ」になると、一段と大型の追加経済対策が期待できるとの見方です。バイデン氏は、高額所得者、法人所得税、キャピタルゲイン税の大幅引き上げを主張していますが、増税されるのは経済が新型コロナ感染拡大前の水準に戻った後との観測が強まり、相場押し下げ材料でなくなりつつあります。

新型コロナの治療薬への期待も株価を支えているとされています。ワクチンが選挙前に完成するとの期待は萎みましたが、トランプ大統領の治療に使われた抗体薬への期待が高まりました。

バロンズ紙は、「相場は一方向に上昇しないが、押し目買いが入るブル(強気)相場だ」との市場関係者のコメントを紹介しました。

「決算と追加策交渉」

12日の週のニューヨーク株式市場は材料が豊富です。最も相場に影響すると予想されるのが大手金融機関の決算発表です。

13日にJPモルガン・チェース、シティグループ、ブラックロックなど大手金融機関が第3四半期(7~9月)の決算を発表します。ジョンソン&ジョンソンも13日に発表を予定しています。

14日はバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ウェルズファーゴのほか、ユナイテッド・ヘルスやユナイテッド航空が決算を発表。15日はモルガン・スタンレーとウォルグリーン・ブーツなど、16日はバンク・オブ・ニューヨークメロンやカンザスシティ・サザーンが決算を発表予定です。

新型コロナウイルス対応の追加経済対策をめぐる動きも引き続き相場を動かしそうです。最終的に規模が2兆米ドルを超えるとの期待がありますが、選挙前の法案通過が時間の関係で難しくなりつつあります。

経済指標が数多く発表されます。特に16日の小売売上高が相場に影響しそうです。失業保険の上乗せ措置が失効し、追加給付金がないことが、消費者心理にどう影響しているかを見極める重要指標とされています。

CNBCは、追加経済対策の動きが心理に影響するが、決算が株価にポジティブに影響する可能性があるとの見通しを伝えました。

「バイデン勝利確率85%」

ワシントン・ポストとABCニュースの全米の有権者を対象にした最新の共同調査によりますと、54%対42%で民主党候補のバイデン氏の支持率がトランプ大統領を上回りました。

リアルクリア・ポリティクスがまとめた9月24日~10月10日までに発表された各社世論調査は、バイデン氏がトランプ氏を9.8ポイントリードしました。

世論調査を分析したファイブサーティエイトの予測モデルでは、大統領選でバイデン氏が勝利する確率は85%でした。全議席が改選される下院選で民主党が過半数を確保する確率は94%。議席の3分の1が改選される上院で民主党が勝利する確率は68%でした。

いずれもホワイトハウスと上下両院を民主党が制する「ブルーウェーブ」の可能性が高いことを示唆しています。株式市場は引き続き「ブルーウェーブ」を意識した展開になることが予想されます。

[October 11, 2020 NY224]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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