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追加策への期待と「バイデン税」への警戒

2020/10/05 09:47

「大幅下げ消す」

アメリカのトランプ大統領夫妻が新型コロナウイルスに感染。政治の不透明感が強まり、2日のニューヨーク株式相場は売りが先行。ダウ工業株30種平均は一時400ポイント超下げました。しかし、後半の取引で下げ幅を大幅に縮めました。底値の堅さを示しました。

週間ベースでは上昇しました。ダウは508ポイント高、率にして前週比1.9%高の2万7682ドルでした。S&P500種株価指数は1.5%高の3348。ナスダック総合株価指数は前週比1.5%上昇し11075で取引を終えました。

相場の底値を支えたのは、新型コロナウイルスの打撃に対応する追加経済対策への期待でした。週前半に民主党下院のペロシ議長とムニューシン財務長官がいずれも前向きな発言。週末までに合意に至りませんでしたが、トランプ大統領がメリーランド州のウォルター・リード病院に入院したことが伝わっても、期待が後退することはありませんでした。ペロシ議長はトランプ氏の入院で「状況が変化する」と述べましたが、市場関係者はこの発言も前向きに受け止めました。

バロンズは、「S&P500は3200~3400のレンジで推移。3200を上回る水準で買い手がいる。3425を超えると投資家の心理がさらに上向く」とのマイクロ・リスク・アドバイザーズのテクニカル・アナリストのコメントを紹介しました。政局不安でも株価は上昇する可能性があるとしています。

「大統領の健康とコロナ追加策」

今週のアメリカの株式市場は、トランプ大統領の健康問題、それが選挙戦に与える影響をめぐる観測が相場を動かしそうです。

トランプ氏の症状について医師団の発表とホワイトハウスのメドウズ大統領首席補佐官の発言に食い違いがあり混乱しました。トランプ氏が2日に血液中の酸素が不足する事態に陥り、酸素吸入を受けていたことが、3日の医師団の会見で明らかになりました。ただ、CNNは「医師団が何かを隠している」と報じていて、政権の情報の正確性を疑問視しています。

7日にユタ大学で大統領選の副大統領候補による討論会が開かれます。ペンス氏が大統領の症状をどう話し、新型コロナウイルス対策をどう説明するのか注目です。最高裁判事の承認手続きの見通しに両候補がどう言及するのかも注目です。

政権内と共和党で感染者が多数確認される中、ムニューシン財務長官とペロシ議長はコロナ検査で陰性でした。今週は、トランプ氏の感染が追加経済対策の協議にどう影響したかを見極める週にもなりそうです。トランプ氏は病院から議会が追加策を通過させるよう求めるツイートを投稿しました。

「差開いた支持率」

ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCが4日に発表した大統領選に関する最新の世論調査で、民主党大統領候補のバイデン氏のリードが広がりました。

53%対39%。バイデン氏と共和党候補であるトランプ氏の支持率の差は14ポイントでした。7月時点の差は11ポイント。先月は8ポイントに差が縮まりましたが、再び拡大しました。調査は第1回目のテレビ討論会の直後に実施されたため、討論会が影響したとみられます。

ウォール・ストリート・ジャーナルは別の記事で、バイデン氏が提案している税制改革案が株式相場をけん引してきたテクノロジー株を不安定にする可能性があると伝えました。

バイデン氏は連邦税の法人所得税率を21%から28%へ引き上げることを提案しています。アメリカ企業に新たなミニマム税、アメリカに本社がある国際的企業の外国での所得に対する増税も提案しています。バンク・オブ・アメリカは、「バイデン税」によりIT企業、通信関連会社、日用消費財を主力とする企業の利益が2桁超減少すると試算しているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。「バイデン大統領」の確率が上がれば上がるほど、主力のテクノロジー株が売られ、市場全体を圧迫する可能性があります。

[October 04, 2020 NY223]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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