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米株式市場で起こっていること

2020/09/21 10:39

「ハイテクブーム失速」

アメリカの大統領選、新型コロナウイルス、インフレ率。最新号のバロンズは、株式市場に不透明な材料が溢れているが、経済回復について楽観的な見方が浮上していると伝えました。

テクノロジー株とヘルスケア株の比重が大きいナスダック総合株価指数は先週、前週比0.64%下落しました。ダウ工業株30種平均は前週比0.03%安の2万7657ドル42セントで先週の取引を終えました。ニューヨーク株式市場の幅広い業種と銘柄の指数であるS&P500種株価指数は0.64%安の3319.47で引けました。

アップルやアマゾンをはじめ主力のテクノロジー株の大幅な下げが目立ちました。一方で、景気に敏感な銘柄は底堅く推移しました。S&P500の工業株と素材株の2つのセクター(業種)はいずれも前週比で4%超上昇しました。景気に敏感とされる小型株の指数であるラッセル2000は前週比2.64%高で取引を終えました。

新型コロナウイルス禍の影響を受けにくいテクノロジー株が売られた半面、コロナ禍を背景に業績が懸念された景気敏感株が堅調。市場関係者が割高になったIT株を売り、キャタピラーなど景気敏感株の割安銘柄を物色した。先週はそういう展開でした。

「FRB議長とユダヤ教イベント」

21日の週のアメリカの株式市場は、引き続き不安定な展開になるとの見方が優勢です。不確実性の高い要素があまりにも多い。特に11月3日の大統領選については、結果確定が大幅に遅れる可能性があり警戒されています。

株式市場が今週注目しているのは、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長とムニューシン財務長官の議会での証言です。22日から24日まで予定されています。ニューヨーク連銀のウィルアムズ総裁をはじめFRB幹部が発言する機会も多くあります。追加金融緩和策への言及、インフレ見通しなどの発言に反応する可能性があります。

経済指標では23日発表の製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI)が注目。住宅関連指数と耐久財受注も発表されます。

バロンズは、18日に始まり28日のヨム・キプールで終わるユダヤ教の重要行事が相場に影響する可能性があると伝えました。ウォール街では、ユダヤ教の行事のはじめに保有株を売り、行事終了後に買う習慣が一部にあるとしています。コンピューター取引が主流の今も人間の注文が相場に影響することがあると続けました。

このところVIXが上昇傾向にあることが相場変動を示しているとの指摘があります。いわゆる恐怖指数ですが、投資家が11月3日の大統領選の前の10月だけではなく、選挙後も不安定な展開が続くことを示唆しています。

「最高裁判事の人事」

週末のアメリカの主要メディアは、最高裁判事のルース・ギンズバーグ判事の死亡に関するニュース一色でした。リベラル派の代表的存在だったギンズバーグ判事の死去により、最高裁の判事は保守派5人、リベラル派3人になりました。

トランプ大統領は今週中にも後任人事を指名すると発言。保守派の女性判事が候補にあがっていると報じられました。大統領が指名した場合も上院の承認が必要になりますが、与党の共和党上院議員2人が選挙前の指名に反対を表明。後任人事が当面、大きな政治問題になる公算です。民主党のバイデン大統領候補は選挙後に後任人事を決めるべきだと主張しています。

アメリカの最高裁判事は終身のため、後任人事が長期にわたってアメリカの方向に影響することになります。特に、大統領選の結果をトランプ氏が受け入れない可能性があり、最高裁の人事が非常に重要になります。

[September 20, 2020 NY221]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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