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はっきりしない背景、テクノロジー株が急落

2020/09/07 10:05

「8月大幅高の反動」

8月に目立って上昇したアメリカの株式相場。大幅高が9月の急落を招いたとバロンズが伝えました。

ニューヨーク株式市場に上場した幅広い業種と銘柄で構成されるS&P500種株価指数は先週、前週比で2.3%下落し3426.96で取引を終えました。連日の最高値更新から一転、幅広い銘柄が売られました。

ダウ工業株30種平均は週間ベースで1.8%安の2万8133ドル31セントで引けました。S&P500とナスダックに続き、最高値まであと一歩のところまで上昇していましたが、更新しないまま下落に転じました。

積極的に売られたのはテクノロジー株。アップルやアマゾンなどのFANG、在宅勤務が業績を後押するとの期待が大きい電子署名のドキュサイン、テレビ会議のズーム、企業向けクラウド・サービスのセールスフォースなど、株式分割した電気自動車(EV)のテスラ。市場全体の上昇をけん引してきた銘柄が急落しました。

テクノロジー株の比重が大きいナスダック総合株価指数は前週比3.3%安の11313.13で1週間の取引を終えました。

株価急落の原因について複数の見方があり、はっきりしません。政局が急変したわけでも、地政学リスクが高まったわけでもない。新型コロナウイルスの感染増加ペースは8月と比べむしろ鈍化。経済指標の急激な悪化も確認できない。

フィナンシャル・タイムズが「ナスダックの鯨」と呼んだソフトバンクのオプション巨額投資。アップルやテスラなど一部の銘柄が集中的に買われ割高感が警戒されていた。アメリカ大統領選まで2カ月を割り政治リスクが意識された。いずれも株価急落の背景の1つとされています。

原因をめぐるコンセンサスがない中で、テクノロジー株への売りが今後も続くのか、下落トレンドのはじまりなのか、もう終わったのか。誰も見通しを示せない状況におかれたと言えそうです。

「レイバーデー明け」

7日はアメリカのレイバーデー(日本の勤労感謝の日に相当)で祝日。今週は4日間の短縮取引になります。

CNBCは、レイバーデーから投資家が戻る今週のアメリカの株式相場は引き続き不安定な展開になりそうだと伝えました。4日の取引終了前に下げが縮まりましたが、利益確定の売りが続く可能性があるとしています。

今週発表される経済指標はやや薄め。株式相場に影響しそうな指標は11日発表の消費者物価指数(CPI)です。前日には生産者物価指数(PPI)が発表されます。

レイバーデー明けに再開する議会の審議が材料になる可能性があります。民主党が過半数を持つ下院と共和党が制する上院は、いずれも新型コロナウイルスの影響を受けた企業や個人に追加支援が必要との認識で一致しています。ただ、民主党は3兆ドル超、共和党が1兆ドルと、それぞれの追加支援案の規模に大きな開きがあります。暫定予算の延長で合意する方向ですが、追加支援の行方は不透明です。

一方、トランプ政権は今週中にも、中国の半導体大手を「ブラックリスト」に乗せる可能性があります。アメリカ商務省の「ブラックリスト」に掲載された中国企業は300社以上にのぼりますが、SMICなどの半導体大手が追加された場合、緊張がさらに高まる可能性があります。

「トランプ相場とバイデン相場」

CBSニュースが9月2日~4日に実施したアメリカ大統領選に関する世論調査は、民主党候補のバイデン氏の支持率が52%だったのに対し、共和党候補のトランプ大統領は42%の支持率にとどまりました。トランプ氏が差を縮める傾向がありましたが、9月に入り差は再び拡大しました。

株式市場にとってトランプ氏の方が良いとされています。ただ、再選後に好き放題するかもしれない。勝利確定後に株価が上がるものの、中期的には株安要因になる可能性がある。ウォール街ではここにきて、バイデン氏が次期大統領になる方が中期的もしくは長期的には株価にプラスになるとの見方が浮上しています。

選挙まであと2カ月。「オクトーバー・サプライズ」という言葉があるくらい、選挙直前に何があるかわからない。ウォール街は大統領選の行方と市場への影響を慎重に分析しています。

[September 06, 2020 NY219]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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