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ダウとS&P500、変動率の差が拡大へ

2020/08/31 09:02

「上げが止まらない」

新型コロナウイルス禍の中、株式相場の上昇が止まりません。政治の不透明感、企業と消費者の心理悪化にもかかわらず、株価上昇が続きました。

ダウ工業株30種平均は先週、前週比で723.54ポイント、率にして2.6%高い2万8653ドル87セントで引けました。S&P500種株価指数は3.3%高の3508.01で取引を終え、最高値を更新しました。テクノロジー株の比重が大きいナスダック総合株価指数は3.4%高の11695.63。こちらも最高値、小型株の指数であるラッセル2000は1.7%上昇して1週間の取引を終えました。

何も株高を止めることができなかった。バロンズは先週の相場をこう表現しました。

電気自動車(EV)のテスラと時価総額が2兆ドルを超えたアップルは株式分割発表後の上昇が継続。ダウ指数に採用される企業向けクラウドサービスのセールスフォース・ドットコムが急上昇。中国の短編動画共有アプリTikTok(テックトック)のアメリカ事業買収をめぐりマイクロソフトとの連携を協議した小売最大手のウォルマートが大幅上昇しました。

「9月相場」

今週から9月相場入りします。株式市場の最大の材料になりそうなのが4日発表のアメリカの8月の雇用統計です。

新型コロナウイルスの感染が拡大した8月中旬の労働市場の状況が相場に影響しそうです。エコノミストは非農業部門の雇用者数が140万人増えると予想しています。前月の176万人から減速するとの見通しですが、予想より弱い可能性があります。

決算は、テレビ会議のズーム、税サービスのH&Rブロック、デパート大手のメイシーズ、半導体のブロードコム、食品大手のキャンベル・スープ、電子署名のドキュサインなどが発表を予定しています。

連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長やニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁などが発言する機会があり、新しい政策枠組みについて具体的な言及があるか注目です。

31日月曜日には大きな変更があります。投資家の人気が高いテスラとアップルが正式に株式分割されます。さらに、ダウ指数の構成銘柄からエクソン・モービルが外れセールスフォースが採用されます。ファイザーに代わりアムジェン、レイセオン・テクノロジーズに代わってハネウェル・インターナショナルが正式採用されます。

「テクノロジー株」

新型コロナウイルスのパンデミック(疾病の流行)で、アメリカでは在宅勤務がニューノーマルになりました。仕事の後は映画をストリーミング、友人や家族との会話はソーシャル・メディアで。コロナ禍の勝者はテクノロジー企業。フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグルの親会社のアルファベットのFANG、マイクロソフトや映像系半導体のエヌビディアなどの有力なテクノロジー企業の株式が人気を集めています。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、銘柄入れ替えにより、ダウとS&P500の差が拡大しそうだと報じました。

アップルはダウの上昇の約1500ポイント、マイクロソフトが500ポイント押し上げました。しかし、アップルの1株が4株に分割されることで、株価も4分の1になります。アップルのダウへの寄与度が4分の1に低下します。

エクソンに代わりセールスフォースが採用されましたが、それでもテクノロジー株の寄与度は下がります。アップルを含めたテクノロジー株のダウ指数への寄与度が25%未満に低下する計算です。

ダウと異なり、S&P500は時価総額が指数に大きく影響します。テクノロジー株の寄与度は28%。時価総額が大きいアップルなどが上昇すると、S&P500を大きく押し上げました。

ナスダック総合株価指数も時価総額が影響します。S&P500およびナスダックと、ダウの指数変動率が異なる傾向が31日以降強まります。

[August 30, 2020 NY218]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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