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最高値更新でも沸かないウォール街

2020/08/24 09:58

「S&P500最高値」

ニューヨーク証券取引所の幅広い業種と銘柄で構成されるS&P500種株価指数は前週比0.7%高の3397.16で先週の取引を終えました。週間ベースで2.65%上昇したナスダックと並び過去最高値を更新しました。ダウ工業株30種平均は260ポイント、率にして0.9%安で1週間の取引を終えました。

テクノロジー株が市場全体をけん引しました。特にアップル。バロンズによりますと、S&P500の上昇分の約60%はアップルが寄与したもの。アップルは先週8.2%上昇しました。

アップルはマイクロソフトと時価総額の首位を競っていましたが、いまは2社の時価総額に大きな開きが出来ました。アップルの時価総額は先週2兆ドルを突破。マイクロソフトは1.6兆ドルにとどまっています。

「共和党大会、FRB、新学期」

今週のニューヨーク株式市場の最大の材料になりそうなのが、連邦準備理事会(FRB)のジャクソンホール会議です。新型コロナウイルスのパンデミック(疾病の大流行)の影響でバーチャル会議。27日に予定されているFRBのパウエル議長の演説にウォール街の注目が集まっています。

FRBは先週公表した会合議事録で政策を微調整する可能性を示唆しました。利回りを調整するイールド・カーブ・コントロール(YCC)には否定的でしたが、フォワード・ガイダンスとインフレ目標を微調する可能性があるとの見方が広がりました。パウエル議長が演説で政策変更にどう触れるかが焦点になります。

新型コロナウイルスの打撃を受けた経済を支援する追加策をめぐるホワイトハウスと民主党の動きも相場に影響する可能性があります。共和党が24日から全国党大会を開くので、協議が停滞する恐れがあります。双方の主張に依然として大きな開きがあり、予断を許さない状況です。

共和党の党大会では、民主党候補のバイデン氏とハリス氏を狙った批判が相次ぐとみられます。トランプ大統領が毎日登場する見通しです。

アメリカの経済指標では、住宅関連、耐久財受注、新規失業保険申請件数、個人消費支出、消費者信頼感指数などが今週発表されます。新規失業保険申請件数(27日)と個人消費支出(28日)が特に材料になる可能性があります。

「ゆがんだ最高値」

アップルがS&P500を最高値に押し上げましたが、他にアマゾン・ドットコム、マイクロソフト、グーグルの親会社アルファベット、フェイスブックの計5銘柄がS&P500全体の時価総額の25%を占めています。一方で、S&P500を構成する企業の60%超はコロナ前の水準を下回ったまま。指数が最高値を更新したにもかかわらず、ウォール街が沸かない背景となっています。

ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、5社の時価総額が全体の4分の1を占めるのは1970年以来のことです。1970年の時価総額上位5社は、IBM、AT&T、ゼネラル・モーターズ(GM)、エクソン、コダックでした。

アップルをはじめとした「ビッグ5」にネットフリックスとエヌビデアを加えた7社への依存があまりにも大きいことは危険だとウォール・ストリート・ジャーナルが解説しました。

新型コロナウイルスで打撃を受けたアメリカ経済を支援するためFRBが歴史的な低金利を導入。低い金利で社債を発行することが可能になり、コロナの打撃が少ない7社がFRBの政策の恩恵を享受しています。ただ、政策金利が低いまま維持されても、米国債利回りが上昇する可能性があり警戒が必要だとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました。社債金利は米国債の利回りを参考に決められます。

[August 23, 2020 NY217]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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