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決算に続く好材料、株高続く

2020/08/10 09:46

「マイナス金利」

ニューヨーク株式相場が堅調に推移しています。

ダウ工業株30種平均は先週1005ポイント、率にして3.8%上昇しました。S&P500は2.5%高。ナスダックは前週比で2.5%上げました。

主要企業の第2四半期(4~6月)の決算発表のピークが過ぎました。バロンズによりますと、82%の企業がアナリストの予想を上回る業績を発表しました。第1四半期(1~3月)でアナリスト予想を上振れたのは71%。アメリカ企業の業績が期待以上に強いことを示しています。

アメリカ労働省が6日に発表した週間ベースの新規失業保険申請件数が予想を下振れ。7月の雇用統計は就業者数が予想以上に増加しました。新型コロナウイルスのアメリカ国内の感染が再拡大しているため、慎重な見方が少なくありませんが、雇用関連のデータが株式市場の好材料になったとみられています。

期待以上の企業業績と労働市場の回復は古いニュース。バロンズは株式市場が新たな買い材料をみつけたと解説しました。名目金利からインフレ期待率を差し引いた実質金利がマイナスになったこと。米10年物国債の利回りが過去最低水準に低下したことを受けマイナス幅が拡大。株の買い材料になっているとバロンズが伝えました。

利回り低下を受け、金利がつかない金の価格が最高値に上昇。半面、米ドル相場が下落。株高・金高・米ドル安の基調になっています。

「追加支援策と米中関係」

10日の週のニューヨーク株式市場では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け企業や個人を支援する追加策の議会の協議が引き続き材料になりそうです。

共和党と民主党が先週末までに合意できなかったことで、トランプ大統領が、失業保険の週400ドル上乗せ、学生ローン受給者への支援、家賃滞納者の強制退去の禁止、そして給与税の一部の支払い猶予の4つを柱にした大統領令に署名しました。

予算権限を持つ議会を飛び越えた強硬手段で、民主党が法的根拠をめぐり提訴する可能性があります。大統領令の支援規模は小さく、失業保険の上乗せ措置の財源は2カ月持たないとされていて批判が多い。ワシントンの混迷を複雑にしました。民主党と共和党は今週も協議を継続、その行方が株式相場に影響しそうです。

米中関係も材料になる可能性があります。トランプ大統領が、通信機器大手ファーウェイに続く形で、2つの中国のソーシャル・メディアをアメリカ市場から締め出す大統領令に署名。アメリカ財務省は、香港の行政長官を含む11人に対する制裁を発表しました。中国政府が強く反発していて、報復に動くことが確実。米中関係がさらに緊張するリスクがあり、株式相場を圧迫する可能性があります。

決算はピークを超えましたが、今週は、ホテル大手のマリオット、石油会社のオクシデンタル・ペトロリアム、ITのシスコ・システムズ、配車サービスのリフトなどが決算発表を予定しています。

経済指標では、12日のアメリカの消費者物価指数(CPI)、13日の新規失業保険申請件数、14日の小売売上高などが材料になる可能性があります。

「500万人突破」

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめでは、新型コロナウイルスのアメリカ国内の感染者が9日までに500万人を突破しました。死者は16万人超。

ワシントン・ポストによりますと、感染者数は6月末から倍増。400万人を超えてから500万人を突破するまで17日しかかかりませんでした。

感染が急増しているにもかかわらず、トランプ大統領は「感染制御に成功している」として楽観視しています。連邦政府の指導力が欠如、州政府と地方自治体が独自に対策を強化しています。

当初はカリフォルニアやフロリダなど西部と南部の感染増が目立ちましたが、いまは中西部や東部で急増しています。検査結果に時間がかかっていること、医療従事者の防護体制が不十分など問題は山積み。

株式市場への影響は限定的ですが、経済活動に再びブレーキがかかることが予想され、今後発表される経済指標への注目度が上がっています。

[August 09, 2020 NY215]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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