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米株上昇余地あるとの見方、不透明要因も

2020/08/03 11:49

「テクノロジー株に買い」

主要企業の決算発表が本格化。7月31日までにS&P500種株価指数を構成する企業の300社以上が四半期(4~6月)の決算を発表しました。

バロンズによりますと、決算を発表した企業の85%がウォール街の予想を上回りました。予想を平均22%上振れ。前の四半期(1~3月)は約70%の企業が予想を平均で3%上回りました。

前期比や前年同期と比べて4~6月の決算が予想を大幅に上回ったことが、株式相場が高水準にあることを裏付けています。バロンズは、決算の数字は非常に大きいと解説しました。

ダウ工業株30種平均は7月31日までの1週間で0.2%下落、2万6248ドル32セントで取引を終えました。S&P500は1.7%高。テクノロジー株の比率が大きいナスダック総合株価指数は3.7%上昇しました。

主要な金融機関が決算を発表した前週はダウが約2%下落、S&P500はほぼ横ばいでした。先週は、決算を発表したアップル、アマゾン・ドットコム、フェイスブックなど主力テクノロジー企業が相場を押し上げました。

テクノロジー株が強い決算を背景に大幅上昇したのと対照的に、重工業のボーイング、レイセオン・テクノロジーズ、ゼネラル・エレクトリックの決算は期待ほど回復しませんでした。ゼネラル・モーターズとフォードの自動車2社は決算が予想を上回ったにもかかわらず、株価は軟調でした。

主要株価指数が示すほど株価上昇が全体に広がっていません。FANGなど一部の銘柄に買いが集中しています。買いが幅広い銘柄・業種に広がるかに注目です。

新型コロナウイルスという特殊要因。バロンズは、コロナ・ブル(強気)相場が11月の大統領選まで継続する可能性があると伝えました。

「決算、雇用統計、議会」

8月3日の週のニューヨーク株式市場では、引き続き主要企業の決算が材料になるほか、7月の雇用統計が相場に影響する可能性があります。

今週は、保険のAIG、除菌ワイプのトップメーカーであるクロロックス、娯楽大手のウォルト・ディズニー、医薬品大手のブリストルマイヤーズ・スクイブ、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ、旅行予約サイトのブッキング・ホールディングスなどが四半期決算の発表を予定しています。3日には自動車メーカー各社が7月の新車販売台数を発表します。

経済指標の発表も相次ぎます。製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI)とADPの全米雇用報告が材料になりそう。最も注目を集めると予想されるのは7日発表の7月の雇用統計です。新型コロナウイルスの感染再拡大が労働市場にどう影響したか。週間ベースの新規失業保険申請件数などが雇用の回復ペースの鈍化を示唆しています。

新型コロナウイルスに関連する追加支援をめぐる連邦議会の動きが相場に大きく影響する可能性があります。共和党と民主党の案は規模と内容で大きな差があります。特に、先週失効した失業保険の加算措置の延長の行方が投資家の心理に影響するとみられます。

CNBCによると、大統領選の年の8月は63%の確率で株式相場が上昇、再選がかかる選挙の年の上昇確率は73%とのことでした。

「米中緊張」

アメリカのポンペオ国務長官は8月2日、FOXニュースのインタビューで、トランプ大統領が近日中に中国のソフトウェア会社に関する発表をすると述べました。

トランプ大統領は7月31日、安全保障上の理由で中国の動画共有アプリのティックトックのアメリカ国内での使用を禁止する可能性を示唆しました。マイクロソフトがティックトックを買収するとの報道が一部ありましたが、政治決断が影響する可能性があり不透明です。

追加関税に加え、査証(ビザ)の制限、香港の特別優遇措置の撤廃、テキサス州ヒューストンの中国総領事館の封鎖、中国人ハッカーの逮捕など。トランプ政権の中国に対する報復がエスカレートしています。ティックトックの禁止に動けば、報復が中国の文化にも及ぶことになります。米中関係の動きが投資家心理に影響しそうです。

[August 02, 2020 NY214]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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