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弱いガイダンスとドル安、テクノロジー株圧迫

2020/07/27 09:26

「売られたインテル」

3月の安値からの大幅反発をけん引したテクノロジー株が売られる展開が先週後半に強まりました。マイクロソフト、インテル、アップルといった主力のテクノロジー株、電気自動車(EV)のテスラが目立って下落。インテルは24日の取引で16.24%急落しました。

テクノロジー株の寄与度が大きいナスダック総合株価指数は前週比1.3%安で先週の取引を終えました。S&P500種株価指数は0.3%安。ダウ工業株30種平均は0.8%下げ、2万6469ドル89セントで引けました。

テスラやマイクロソフトは第2四半期(4~6月)の業績が予想を上回ったものの、ガイダンス(見通し)が慎重でした。アナリストの予想を下回る見通しを示したことで失望売りが出ました。バリュエーションが高いと警戒感が強まったことも影響、売りが加速しました。

バロンズは米ドル安地合いもテクノロジー株の下落に寄与したと解説しました。6つの主要通貨に対する米ドルの強さを示すドル指数(DXY)は先週、節目の95を割ったことで低下傾向が強まりました。欧州連合(EU)が復興基金で合意したことを受けユーロ買い・米ドル売りが加速、DXYを押し下げました。

米ドル安は価格競争力が強くなるため、輸出に有利になります。一方で、アメリカ企業にとって海外製品・部品の価格が高くなります。米ドル安が継続すると、投資家が海外の金融資産に資金を移動する傾向が強まり、テクノロジー株に不利に働く可能性が指摘されています。

「決算とFOMC」

7月27日の週のニューヨーク株式市場は今後の株式相場の方向を決める重要な週になる可能性があります。

29日にフェイスブック、30日がグーグルの親会社のアルファベットとアマゾン・ドットコム。注目のテクノロジー企業、いわゆるFANGの一角が四半期(4~6月)決算を発表します。さらに医薬品大手のメルク、ファイザー、イーライリリー。消費関連ではスターバックス、マクドナルド、プロクター&ギャンブル。石油大手のエクソン・モービルとシェブロンが決算発表を予定しています。

連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を28~29日に開催します。政策を据え置くと幅広く予想されています。新型コロナウイルスのアメリカ国内の感染再拡大が深刻化するなか、パウエル議長が経済の行方をどうみているのか注目を集めています。議長の景況感が株式相場に影響する可能性があります。

追加支援策に関する議会の動きも材料になりそう。民主党が3兆ドル規模の追加支援法案を発表しましたが、共和党は代替案を公表予定。今月末で切れる失業保険の上乗せ措置の行方が焦点。協議の行方が株式相場に影響することが予想されます。

「米中関係」

先週は、アメリカがヒューストンの中国領事館がスパイ拠点だとして閉鎖を命じ、対抗措置として中国が成都のアメリカ領事館の閉鎖措置を決めました。ポンペオ国務長官が中国の習近平国家主席を名指しで批判するなど、アメリカの対中強硬姿勢が強まっています。

ロサンゼルス・タイムズは、11月のアメリカ大統領選前に双方が外交官の追放や大使館の閉鎖に動く可能性があると解説しました。中国に厳しい態度を示すことは共和党と民主党の一致した姿勢であり、「中国は便利な敵」とする専門家の意見を引用しました。中国がアメリカ産大豆の購入を停止する可能性があるが、専門家が最悪シナリオとしているのは南シナ海で米中が軍事衝突することだと伝えました。

バロンズは、米中が過去最悪の関係にあり、緊張がさらに深刻化した場合、株式市場にネガティブに影響する可能性があると報じました。アップルやテスラは成長を中国市場に大きく依存しているとしています。ストラテジストのほとんどは、11月のアメリカ大統領選までトランプ政権が対中強硬路線をエスカレートさせないと予想するが、財務省の元高官でビーコン・ポリシー・アドバイザーズの幹部は追加制裁があると予想しているとしています。バロンズは外国為替市場が米中緊張に敏感に反応していると加えました。

[July 26, 2020 NY213]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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