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NY株式相場、先週の下げはちょっと違う

2020/06/29 09:30

「前週比3.3%安」

ニューヨーク株式相場が週間ベースで下落しました。ダウ工業株30種平均は先週855ドル、率にして3.3%下げました。S&P500種株価指数は2.9%安。ナスダック総合株価指数は1.9%下落しました。

バロンズは、主要3指数の下げは驚くような規模ではないが、注目に値する下げだと解説しました。新型コロナウイルスの感染が初めて確認されて以降、株式相場の下落背景を説明することは簡単だったが、先週の下げはやや違うとしています。

先週後半、連邦準備理事会(FRB)が銀行のストレステスト(健全性の検査)の結果を公表しました。第3四半期(7~9月)の配当に制限を設け、将来の配当は銀行の利益次第だと発表しました。

新型コロナウイルスの感染が抑えられていればFRBの発表は問題なかったのですが、発表された26日にはフロリダ州とアリゾナ州で新規感染が記録的な増加、テキサス州知事が経済活動の再開を一時停止する方針を示しました。感染が拡大すれば銀行の利益が減る、結果的に配当が出ないとの観測を強める結果になりました。

バロンズは、銀行株の下落は株式市場全体にとってネガティブだと解説しました。株式相場が転換点を迎えた可能性があるとしています。

「雇用統計」

6月28日の週の株式市場は4日間だけの短縮取引になります。アメリカの独立記念日が今年は土曜日ですが、ニューヨーク株式市場は前日の3日金曜日が休場になります。これにより、6月の雇用統計が2日木曜日に発表されます。

5月の雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想外に250万人増加しました。6月は300万人増えると予想されています。新型コロナウイルス感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)が解除され、経済活動が再開された6月に雇用がどこまで改善したか。注目されています。

議会における景気支援策をめぐる動きが株式相場に影響する可能性があります。新たな1200ドルの支援金が議題になり、7月末で期限を迎える失業保険の週600ドルの上乗せ策をめぐる協議の行方をウォール街が注目しています。6月30日には、パウエルFRB議長とムニューシン米財務長官が議会で証言します。

新型コロナウイルスの感染状況と州政府や企業の対応、そして、大統領選に関するニュースを株式市場が意識しはじめています。

「7月相場」

CNBCがウォール街関係者4人に7月の見通しを聞きました。

JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジストは、「不透明な要素が多く、株式相場が調整される危険がある」とCNBCにコメントしました。

ブラックロックの債券担当の投資責任者は、「一部の業種で、雇用回復に時間がかかる可能性がある」と慎重な見方を示しました。

強気な見方もありました。ベイン・キャピタル・マネジメントの社長は、経済が予想以上に強い可能性があるとみています。アトラス・マーチャント・キャピタルの最高経営責任者(CEO)は、FRBと財務省の対応を評価、経済が既に回復しはじめたとの見方を示しました。

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、経済指標に対する反応が鈍くなりました。ロックダウン(都市封鎖)解除を受けて調査へ参加する企業が増え、経済指標の精度が上がります。再び相場を動かす材料になりつつあります。6月の雇用統計をはじめ今月発表される経済指標が相場を動かすことが増えそうです。

[June 28, 2020 NY209]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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