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逃避のテクノロジー株買い、ナスダック高い

2020/06/22 09:39

「テクノロジー株がけん引」

新型コロナウイルスのアメリカ国内の新規感染者が1日あたり2万5千~3万人に増えています。フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州の増加ペースは、感染が初めて確認された3月以降で最大を記録しました。30歳以下の若い世代の感染増加が目立ち、経済活動の再開が影響した可能性が高いとみられています。

こうした中、アップルがフロリダなど4つの州の合計11店舗を再び閉めると発表しました。アップルの発表が影響し、19日の取引でダウ工業株30種平均は200ドル超下げました。

週間ベースでは、ダウは265ドル、率にして1%上昇しました。S&P500種株式指数は前週比1.9%高。ナスダック総合株価指数は3.7%上げました。中央銀行である連邦準備理事会(FRB)がETF買い入れに追加する形で、個別の社債を購入すると発表したことが買いを誘いました。

バロンズは、株式相場上昇の背景はFRBへの期待だけではないと解説しました。ダウやS&P500と比べナスダック指数の上昇率が高いことに注目。ドットコム・バブルの際はリスクが高いとされたテクノロジー株が、いまは景気に左右されない銘柄と考えられているとバロンズが伝えました。強固な財務体質、どの経済環境でも成長できるビジネスモデルが「新たな安全株」とみなされているとしています。

今月11日に株式相場が急落しました。ダウが1861ドル(6.9%)安。ナスダックは5.3%下落しました。その後買い戻され、ダウは先週末までに3%反発しました。ナスダックの反発は4.8%とダウの上昇率を上回りました。

「V字回復への期待」

FRBの支援策、主要テクノロジー企業に対する安心感、そして、自粛措置の緩和でアメリカ経済がV字回復するとの期待。アメリカの株式相場を押し上げた材料とされていますが、経済実態との乖離が拡大しているとの指摘も一部あります。

CNBCは、V字回復期待を背景にした買いの勢いが弱まりつつあると解説しました。新たな経済指標が発表されるにつれ、経済回復に時間がかかるとの警戒感が強まる可能性があるとしています。経済が期待ほど回復せず、株式相場が不安定になるとアナリストが警戒していると伝えました。

今週は、住宅関連指標、個人所得・支出のデータ、ミシガン大学の消費者信頼感指数などが発表されます。25日発表の週間ベースの新規失業保険申請件数も材料になる可能性があります。

新型コロナウイルスの感染状況。経済再開の動きも引き続き材料になると予想されています。アップルに続き営業を再停止する動きがあるか。ニューヨーク州では、22日から自粛措置の緩和が次の段階に進みます。

「市場関係者が注目するもの」

マーケット・ウォッチは、市場関係者のツイッターでのコメントを分析すると、新規失業保険申請件数や小売売上高といった伝統的な材料ではなく、新規コロナウイルスの感染拡大前に重視されなかったデータに注目していることがわかったと伝えました。

具体的には、レストランの予約状況、空港での動き、地下鉄やバスなど公共交通機関による人の移動状況、小売店に入店した顧客数、食料品のオンライン注文とデリバリー数。これらのデータを新規コロナウイルスの感染状況と合わせ市場関係者が注視しているとしています。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカの株式市場で、テクノロジー株以外の銘柄が相場をけん引する動きがあると伝えました。日用消費財のクロラックスや製薬会社のイーライリリーが先週の取引で上場来高値を更新したとしています。一部の大手テクノロジー企業に集中していた買いが広がりをみせているとの指摘です。

今週のニューヨーク株式市場では、幅広い銘柄・業種への買いが続くか、新型コロナウイル感染の増加ペース、経済再開の動きが相場の方向を決めそうです。

[June 21, 2020 NY208]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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