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急落で動揺しない米投資家

2020/06/15 09:56

「前週比5.6%安」

大幅上昇を続けたニューヨーク株式相場が先週、崩れました。

連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が10日の会合後の記者会見で非常に慎重な景気見通しを示したこと、新型コロナウイルス感染の増加ペースが上がる兆候があり第2波が警戒されたこと。2つの組み合わせで心理が悪化、11日の取引でダウ工業株30種平均が1862ドル、率にして6.9%急落しました。恐怖指数であるVIXは約50%上昇し、40台に乗せました。

翌12日に反発しましたが、週間ベースでは大幅な下落を記録しました。ダウは前週比で1505ポイント(5.6%)安。S&P500種株価指数は4.8%下落。ナスダック総合株価指数は2.3%安。小型株の指数であるラッセル2000指数は7.9%安で先週の取引を終えました。

バロンズは、投資家が心配すべきではないと先週の市況を解説しました。売りのきっかけになった2つは新しい材料ではなく、予想外でもないとしています。新型コロナウイルスに関する新たなデータに反応する展開が続く可能性はあるが、第2波の経済的影響は第1波より小さいとみられるとしています。モルガン・スタンレーのストラテジストは、先週の急落後も強気姿勢を変えていないと伝えました。

一方で、株式相場が再び不安定になるとの指摘も一部であります。中小企業支援の追加をめぐる議会の審議が不透明なこと、連邦政府が週当たり600米ドル加算する失業保険支援措置が7月31日で期限を迎えることから、経済が期待ほど回復しないとの警戒感が背景です。バロンズも、新型コロナウイルスの第2波を受けた再規制よりリスクが大きいと解説しています。

「FRB議長と小売売上高」

株式相場が3月の安値から大幅に戻した背景には、若い投資家、いわゆる「ロビンフッド投資家」がいるとの指摘があります。シリコンバレーの企業「ロビンフッド」の証券取引アプリの利用者が急増。投機的な動きが個別銘柄に影響しているとされています。ロビンフッド投資家の動きが今後の相場に影響する可能性があります。

今週発表される経済指標で最も注目されるのは小売売上高。スーパーマーケット大手のクロガーの決算も注目を集めそうです。

17日に予定されるFRBのパウエル議長の議会での証言が相場に影響する可能性があります。FRBの積極的な緩和・支援が株式相場を押し上げていると幅広くみられています。

新型コロナウイルスの感染状況への関心も再び高まっていて、1週間を通してコロナをめぐる動きも相場に影響しそうです。オレゴン州やユタ州などで感染が再び拡大したことを受け、経済活動の再開を見直す動きがあります。

「慎重な見方」

ウォール・ストリート・ジャーナルは週末、株式相場が大幅に反発したことが正常ではないとする投資家が、引き続き慎重なスタンスを維持していると報じました。

ダブルラインを率いるビリオネアのガンドラック氏が「株式は買われすぎ」と主張。ボストンの投資会社の著名なファンド・マネジャーのグラハム氏は「偏った楽観的な見方に株式市場が押された」と述べているとしています。

FRBと欧州中央銀行(ECB)の支援が株式相場を押し上げたとしているものの、それでも株価の上昇レベルは驚きと受け止められているとウォール・ストリート・ジャーナルが解説しました。

企業の業績見通し、株式のバリエーション、FRBなどの動きをにらんで、慎重な投資家が増えるか。今後の相場の方向を決める可能性があります。

[June 14, 2020 NY207]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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