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ダウ2万7千ドル台、強い勢い続くか

2020/06/08 10:03

「週間で6.8%高」

アメリカの株式市場の上昇の勢いが増しました。5日に発表された5月の雇用統計が予想外に改善したことでダウ工業株30種平均が800ドル超上げました。

企業が雇用を維持することが連邦政府の支援を受ける条件になっている。見た目ほど労働市場が改善していないとの指摘が少なくありません。しかし、予想を上回るペースでアメリカ経済が回復していると受け止められました。

ダウは先週1727ドル、率にして6.8%上昇し、2万7110ドルで取引を終えました。S&P500株価指数は4.9%高。ナスダック総合株価指数は3.4%上げました。ナスダック100指数は最高値を更新しました。

ほぼ全面高の展開でしたが、特にアメリカン航空やカーニバルなど旅行関連株、銀行株の上昇が目立ちました。

「株式市場はいつも正しい」。先週の相場を伝えるバロンズの記事のタイトルです。世界保健機関(WTO)がパンデミック(疾病の世界的流行)宣言する前の3月11日の前から株式相場が大幅に下落。先週は、失業率が予想外に低下した統計が発表される前に株価が大幅続伸していたとしています。

バロンズはただ、市場は完璧ではないとも解説しました。市場が織り込んでいる追加支援策が議会を通過しないリスクがある。経済回復が早すぎると、連邦準備理事会(FRB)が超緩和スタンスを転換する可能性を示唆するかもしれない。米10年物国債の利回りは先月末の0.65%から0.90%台に大幅上昇しました。

「FRB会合」

8日の週のニューヨーク株式市場の注目材料は9日と10日に開催されるFRBの連邦公開市場員会(FOMC)です。会合後に、パウエル議長がリモート会見します。市場は、景気刺激を長期間続けることを期待していますが、予想外に改善した雇用統計についてどう言及するか注目です。

経済指標では11日発表の新規失業保険申請件数が相場に影響する可能性があります。

株式相場がブル(強気)相場に転じたとの見方が増えつつあります。新型コロナウイルスの感染が最も深刻なニューヨークで経済活動の一部が8日から再開されます。ウォール街関係者の心理改善につながる可能性があります。

一方で、最近の株式市場の上昇は過剰との警戒感もあります。大幅高を受けて利益を確定する投資家が増えることが予想されます。

株式市場は引き続き、経済活動再開の動き、経済支援策をめぐる議会、米中対立の動きをにらんだ展開になるとみられます。上昇の勢いが継続するか注目です。

「抗議デモ拡大」

ミネソタ州ミネアポリスで先月25日、白人警官の暴行で黒人のジョージ・フロイトさんが死亡。事件に抗議するデモが拡大しています。

抗議デモは7日で13日目。混乱に便乗した略奪行為や警察との衝突はほぼなくなり、抗議デモは平和的。ただ、規模が大きくなっています。ロサンゼルスでは、市長と警察のトップも抗議デモに賛同する意向を示し、幅広い人種、民族、職種、年齢層を巻き込んだ抗議デモに発展しています。「黒人の命が大切」というのがスローガンですが、警察の改革、さらにはアメリカ全体の改革も訴えています。過去になかった「うねり」だと主要メディアが評しています。

抗議デモが大企業に与える影響はほとんどないとされ、株式市場への影響は今のところありません。ただ、抗議デモが長期化、さらに拡大した場合は、政権の交代、政策の大幅修正につながる可能性があります。ゴールドマン・サックスをはじめウォール街の一部が民主党の大統領が誕生する可能性が高まったとして、本格的な分析を開始しました。

[June 07, 2020 NY206]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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