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中銀支援と大幅減益のせめぎ合い

2020/05/25 10:27

「週間で3%超高」

アメリカの株式市場で、中央銀行である連邦準備理事会(FRB)による資金供給というポジティブ要因と新型コロナウイルス感染拡大を受けた大幅な減益というネガティブ要因のせめぎあいが続いています。

先週前半は、FRBのパウエル議長が元に戻るまで時間がかかるとしながらもやや楽観的な見通し、バイオ製薬会社モデルナの新型コロナウイルスのワクチンの初期の臨床試験で好調な結果が出たとの発表を受け株式相場が大幅に上昇。週後半は、モデルナ社のワクチンのデータが乏しく評価不能との報道や米中対立が激化する兆しがあることを受け軟調でした。

前半の大幅高が寄与、主要な株価指数がいずれも週間ベースで大幅に上昇しました。ダウ工業株30種平均は779ポイント、率にして前週比3.3%高の2万4465ドルで取引を終えました。4月9日に終わった週以降で最大の週間上昇率でした。

S&P500種株価指数は3.2%高の2955。ナスダック総合株価指数は3.4%高。いずれも3%超上昇しました。小型株のラッセル2000指数は週間ベースで7%以上上げました。

バロンズによりますと、S&P500は50日移動平均線がある2730と200日移動平均線がある3000のレンジ内での推移が21日間続きました。50日移動平均と200日移動平均の間での推移が20日間以上続いたことは1928年以降に30回ありました。次の展開が下落トレンドになることを歴史が示唆しています。下落基調に転じる確率は72%あるとするサンダイアル・リサーチのアナリストの見方を引用しました。

「どれほど悪いか」

25日はメモリアルデーでアメリカは祝日。株式市場は休場です。アメリカで「夏の始まり」とされるメモリアルデーの直前、50の全ての州で自粛措置が緩和されました。カリフォルニア州ではビーチ閉鎖が解除され、サンタモニカのビーチは予想以上の人出でした。ほとんどの人が水着でマスク着用。ちょっと異様な光景でした。

メモリアルデー明けは、アメリカ経済の状況に注目が集まりそう。新型コロナウイルス感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)で経済が悪化したことはわかっていますが、どれくらい悪いかわからない。状況を示唆するデータが相次いで発表されます。

26日に3月の住宅価格指数と5月の消費者信頼感指数、28日は耐久財受注と新規失業保険申請件数。そして、29日に個人所得・支出とシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されます。

決算は、小売り大手のコストコやディスカウント・ストアのダラー・ジェネラル、IT系ではHPとデル、そしてセールス・フォース・ドットコムなどが発表を予定しています。

ベージュブックと呼ばれるFRBの地区連銀経済報告が27日に公表されます。26日にニューヨーク証券取引所のフロアが再開されます。

香港の統制を強化する中国の動き、アメリカのトランプ政権がどう対応するか。米中対立の行方が投資家心理に大きく影響する可能性があります。

「死者10万せまる」

ニューヨーク・タイムズは週末版で、新型コロナウイルス感染で10万人近くが死亡したとして、1面全てを使って、そのうち1000人の氏名と年齢、人となりを掲載、「誰一人として単なる数字ではない」としました。

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめでは、アメリカ国内の感染者数は24日時点で163万3076人。死者は9万7430人。増加ペースが鈍化したといっても、ニューヨーク州では過去24時間で84人が死亡しました。アーカンソー州ではプール・パーティーでクラスターが発生。一部の州では感染者増加ペースが上がり、第2波が警戒されています。

トランプ大統領は、感染第2波に見舞われても、アメリカを再び封鎖しない方針を示しました。トランプ政権と州政府や専門家との見解の違いが今後広がる可能性があります。新型コロナウイルスをめぐる幅広い動きが当面の間、投資家心理に影響するとみられます。

[May 24, 2020 NY204]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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