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米株、上げて下げるパターン

2020/05/18 10:06

「週間で2.7%安」

先週のニューヨーク株式相場は最初の3日間に大幅に下落。残りの2日間も売りが先行したものの、終盤に戻し上昇して取引を終えました。

前半の下げが大きかったため、ダウ工業株30種平均は645ポイント、率にして2.7%安の2万3685ドルで引けました。S&P500指数は2.3%安。ナスダック総合株価指数は前週比1.2%下落しました。ダウとナスダックが4月3日に終わった週以来の下落率、S&P500は3月20日終了の週以来の下落率を記録しました。

売り材料が山積みでした。米中の対立が激化、週後半にはアメリカ商務省が中国通信機器最大手ファーウェイに対する半導体の禁輸措置を強化しました。小売売上高が予想以上に落ち込み、新規失業保険申請件数が予想を超えて増加。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、マイナス金利の可能性を否定すると同時に、景気低迷が長期化すると言及。連邦議会で支援策をめぐる与野党の見解の違いが表面化しました。

バロンズ紙によりますと、S&P500は4月高値の2939を複数回試したが失敗しました。チャートの節目を超えられなかったことが、一段安を意味するわけではありません。ただ、当面の天井を形成したとバロンズは解説しました。

低水準の上値を超えらず下落、その後反発しても勢いがなく抵抗線を超えられない。再び下げに転じるパターンが繰り返される可能性が指摘されています。

「小売大手の決算」

18日の週は、小売り各社の四半期決算の発表が相次ぎます。

19日はホームセンター最大手のホームデポ、小売り最大手のウォルマート、小売り大手のコールズが決算を発表。20日はターゲットとロウズなど。21日はディスカウント小売り大手のTJマックスと家電量販店のベストバイ、さらには半導体のエヌヴィディアが四半期決算を予定しています。21日の中国のアリババの決算も注目を集めるとみられます。

CNBCの人気コメンテーターのクレイマー氏は、新型コロナウイルスの責任が中国にあるとして、トランプ政権が中国に対する報復戦略をさらに示す可能性があり、市場関係者が株価下落に賭けているとコメントしました。ロイター通信は、アメリカ国内で経済活動が再開される中、貿易をめぐる緊張が高まり、株式相場が荒れることに投資家が備えていると伝えました。

「2021年末まで回復しないシナリオ」

FRBのパウエル議長の発言が週明けの株式市場に影響しそうです。議長は先週13日に講演しましたが、その後にCBCの報道番組「60ミニッツ」のインタビューに答えました。

17日に放送されたインタビューの中でパウエル議長は、新型コロナウイルスのワクチンが開発を終え流通するまでアメリカ経済が完全に回復しないとの見通しを示しました。

「感染第2波が起きないと仮定すると、アメリカ経済が今年後半に着実に回復に向かう」とした上で、「経済が完全回復するには、ワクチンを待つ必要がある」と述べました。「時間がかかる。回復が来年末までかかる可能性がある」と語りました。

景気回復に時間がかかるとの見方は講演でも示されましたが、CBCのインタビューでは「2021年末までかかる可能性」と具体的な時期を示したことが新しい点です。

ウォール街は年後半から勢いよく回復すると予想。トランプ政権はさらに強気。アメリカ経済が今年末までに完全回復すると繰り返し主張しています。投資家がパウエル議長の見通しを信じるか、それともトランプ大統領に賛成するか。それが株式相場の方向を決めることになりそうです。

[May 17, 2020 NY203]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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