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下がって上がった米株、格言信じる?

2020/05/04 10:44

「2週連続マイナス」

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化、不透明感が強まった3月、アメリカの幅広い業種と銘柄の株価指数であるS&P500指数が高値から34%下落しました。しかし4月は、積極的な金融政策、財政刺激策、抗ウイルス薬「レムデシビル」の良好な臨床試験を受け、1987年以来の月間上昇率を記録しました。急落後に急上昇したV字の回復。

5月相場入りした1日の取引では米中間の緊張が材料になりました。新型コロナウイルスに関する情報を隠蔽、初動対応を誤ったとして、アメリカのトランプ大統領が中国に対し報復する可能性を示唆、具体的な措置を検討しているとされています。追加関税、経済損失の賠償請求、米国債の償還拒否などが選択肢にあると伝えられました。いずれの措置でも米中関係がさらに緊張するのは必至。テクノロジーをはじめアメリカ企業が中国と取引することがさらに難しくなる可能性が警戒されました。

S&P500は先週の最初の3日間で3.6%上昇しましたが、後半の2日間で3.7%下落。週間ベースでは前週比0.2%安でした。2週連続の下落。ダウ工業株30種平均は週間で0.2%下落。テクノロジー株の比率が大きいナスダック総合株価指数は0.3%下げました。ただ、小型株の指数であるラッセル2000は前週比2.2%高と堅調でした。

下げて上げた3月~4月の動きが本物か。前半に上げて後半に下げた先週が今後を占っているのか。見方が分かれています。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、あまりも多くの不透明感があるため、投資家が株式市場に戻ることを躊躇する一方、株価が高く推移したため「乗り遅れる」との恐怖も併せ持っていると解説しました。資産運用のプロの1人が「暗闇の中を飛行している」と現在の市場環境を表現しました。

「セル・イン・メイ」

「Sell in May and Go Away(5月に売って、どこかに行きなさい)」という格言があります。5月に株価が下がるため売って、9月まで相場から離れた方がいいというものです。アノマリー(理屈や根拠が不明な現象)を背景にしたウォール街の言い伝えです。

CNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、「格言にすぎないが、今年の5月はそうなるかもしれない」とコメントしました。株式相場がさらに下がると予想していて、本格的なワクチンが出るころに買った方がいい。「まだそうなっていない」と述べました。

第1四半期(1~3月)の決算発表がピークを超えましたが、今週も有力企業の発表が相次ぎます。

食品大手のタイソン、ウォルト・ディズニー、GM、ドラッグストアのCVS、医薬品のモダーナとブリストル・マイヤーズなどが決算発表を予定しています。

経済指標では、6日のADP全米雇用統計、7日の新規失業保険申請件数、8日の雇用統計と労働市場に関するデータが注目。

「全米の約半分が再開」

アメリカ北東部のフロリダ州が4日に経済活動の一部を再開します。ジョージア州をはじめ共和党の支持率が高い州がすでに自粛措置の緩和を開始、全米の約半分で小売店やレストランの営業が条件付きで再開しました。

感染が最多のニューヨーク州の外出自粛措置が15日に期限を迎えますが、クオモ知事は慎重な姿勢を示していて、延長される可能性が高そう。カリフォルニア州のニューソム知事も非常事態宣言を維持する方針です。

トランプ大統領が所属する共和党寄りの州の多くが経済を再開、民主党寄りの州は自粛措置を継続。対応が大きく分かれました。

今年11月3日にアメリカ大統領選が予定されています。新型コロナウイルスの影響で、郵便やオンラインの投票になるのか、そもそも実施されるのか。不透明感が強い中、最新の世論調査では、民主党の候補になることが確実なバイデン前副大統領がトランプ大統領をリードしています。新型コロナウイルスのブリーフィングのためテレビでの露出が極端に増えていることから、トランプ大統領が有利なように思えますが、暴言や専門家との見方との矛盾が目立ち逆の効果になっています。

株安はトランプ大統領にネガティブ。選挙がさらに近づけば、株価を引き上げる政策を強化する可能性がありそうです。

[May 03, 2020 NY201]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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