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米国株、さらに荒れそう

2020/03/16 11:53

「波乱の1週間」

先週のアメリカの株式相場はジェットコースターのような展開でした。ダウ工業株30種平均は2000ドルを超える過去最大の下げ幅、1987年10月のブラックマンデー以来の下落率を記録。週最後の取引日は2000ドル近く上げ金融危機以来で最大の上昇率を記録して引けました。「パニック」を感じるとは、まさにこういうことだとバロンズが伝えました。

ダウ工業株30種平均は過去最悪の20週の1つになりました。ダウは前週比で2679ポイント安(10.4%)安の2万38185ドル62セントでした。S&P500種株価平均は8.8%安の2711.02。ナスダック総合株価指数は8.2%安い7874.88で波乱の週を終えました。

新型コロナウイルスの感染拡大が強く意識される前のS&P500企業の平均PER(株価収益率)は約18倍でした。急落により、いまは2022年の利益見通しの13倍以下の値がついています。バロンズによりますと、2002年、2016年、2018年の安値の平均株価収益率とほぼ同じ水準です。

ゴールドマン・サックスのアメリカ株ストラテジストはS&P500が2450まで下がると予想。ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のストラテジストはバロンズに対し、S&P500が急反発する前に2700を割ったことに注目、次の節目は2300だとコメントしました。2300を割ってS&P500が下落すると底がみえなくなり、リセッション(景気後退)入りの可能性が高まるとしています。

「新型コロナウイルスとFRB」

今週のアメリカの株式市場も新型コロナウイルスの問題が最大の材料になる見通しです。アナリストの一部は「底を探る展開になる」とみていますが、大きく振れる展開が続くとの見方が優勢です。

首都ワシントン拠点の資産運用会社ファー・ミラー&ワシントンの最高経営責任者(CEO)は、CNBCのサイトに寄稿し「底を打ったと考えない方がいい」との見解を示しました。荒れた展開がまだ続くと予想しました。

連邦準備理事会(FRB)は15日に緊急会合を開き、1%の大幅利下げに踏み切りました。政策金利の誘導目標はゼロ~0.25%。米国債などを大量に購入する量的緩和の復活も決めました。今後さらなる刺激策を打つのかに注目です。

16日にニューヨーク連銀製造業指数、17日は小売売上高、19日にフィラデルフィア連銀の製造業景気指数などが発表されます。新型コロナウイルスの感染拡大の初期の影響がどうでているか注目です。

CNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、株式市場の鍵となるのは、新型コロナウイルスをめぐるネガティブなニュースがどれほど出るかだと語りました。
「広がる恐怖」

週末に議会が新型コロナウイルスの検査の無料提供や労働者を支援することなどを盛り込んだ法案で合意しました。週前半に法案は議会を通過する見通し。

トランプ大統領はグーグルが開発した検査に関するツールが直ぐに利用できると述べましたが、それと矛盾する声が上がっています。検査が幅広く受けられるようになったとペンス副大統領は説明しましたが、現場が混乱しほとんどの人は検査を受けることが出来ていません。

イタリアに続き、感染者が急増したスペインとフランスが非常事態を宣言。人とモノの移動を制限し、国家全体が事実上閉鎖されました。ドイツは国境を閉鎖しました。

「ヨーロッパのようになる日が近い」。国家非常事態下の週末のアメリカで恐怖が広がりました。全米のスーパーマーケットの商品棚から、トイレットペーパー、ミネラルウォーター、長期保存できるパスタやライス、缶詰、冷凍食品などが消えました。少なくとも19州で全ての学校が休校を決め、全米第2位規模のロサンゼルスを含め多くの学区とほぼ全ての大学がバーチャル授業に切り替えました。主要企業の多くが自宅勤務を推奨しています。アップルに続きナイキが主要国の店舗の閉店を発表しました。

世界の新型コロナウイルスの感染者は15日時点で15万6400人。アメリカの感染者は3244人に達しました。全米49州と首都ワシントンで感染が確認されました。死者は62人。いずれ検査が幅広く受けられるようになれば、感染者数が急増するとみられます。オハイオ州の知事はすでに10万人が感染している恐れがあると警告しています。FRBの「サプライズ」を除けば、週末のニュースはネガティブなものばかり。新型コロナウイルスをめぐる恐怖心理がウォール街をさらに揺さぶる可能性がありそうです。

[March 15, 2020 NY194]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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