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米国株、不安定な展開続くか

2020/03/09 13:31

「週間ベースは小幅高」

ジェットコースターのようでした。先週のアメリカの株式相場は、急上昇と急落を繰り返す目まぐるしい展開。新型コロナウイルスの感染拡大、連邦準備理事会(FRB)による0.5%の緊急利下げ、過去最低を連日更新した米10年物国債利回りをにらみ投資家心理は大きく揺れました。

週末を控えた金曜日に株安になる傾向が続いていますが、先週末もそのパターンとなりました。ただ、取引時間終了前の25分で急速に買い戻され、ダウ工業株30種平均は下げ幅を大幅に縮めました。結果、ダウは週間ベースで1.8%上昇しました。終値は455.2ポイント高の2万5864ドル78セントでした。

銀行株の比重が大きいS&P500種株価平均は前週比0.6%高の2972.37。テクノロジー株の影響が大きいナスダック総合株価指数は0.1%高の8575.62で1週間の取引を終えました。

S&P500は月曜日に4.6%上昇、火曜日は2.8%下落。民主党予備選が集中した「スーパーチューズデー」でバイデン前副大統領が躍進したことを受けて水曜日は4.2%高。そして、木曜日は3.4%反落。金曜日は一時4%下落しましたが、結局1.7%安で引けました。

バロンズは、1929年以降で1日に株式相場が4.2%以上動いた日は121あるが、その後に上昇基調に転じたことは65日で約50%。半分の平均は14.5%の下落。残り半分は平均で18.1%上昇していると伝えました。どちらかに大きく振れることを示唆。先週金曜日に下げ幅を急速に縮めたが、まだ安定したと考えない方がいいとしています。

「新型コロナウイルスと企業」

CNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、今週のアメリカ株式市場では引き続き新型コロナウイルスが最大の材料だとしています。特に、月曜日の相場は週末のニュースに大きく影響されるとしています。

ニューヨーク州が週末に非常事態を宣言しました。首都ワシントンでも初の感染者が確認されました。アメリカの感染者は537人と、日本の感染者を超えました。感染者数が7375人と韓国を超えたイタリアは、富裕層が多く住む北部地域で移動を制限する措置を発表。約1600万人が影響を受けました。フランスとドイツの感染者は1000人を超えました。検査キットが幅広く配布され、今後感染者数は急増することが予想されます。世界保健機関(WHO)がまだ認定していませんが、パンデミック(疾病の世界的流行)に発展したと見てよいでしょう。

今週は、スポーツ用品小売りのディックス、化粧品小売りのアルタ、半導体のブロードコム、PDFファイルで知られるアドビ、アパレル大手のギャップなどが決算発表を予定しています。企業が新型コロナウイルスの影響をどう見通すかが注目です。

「民主党予備選」

アメリカ大統領選を11月に控え、先週の「スーパーチューズデー」で民主党の候補者選びはバイデン前副大統領とサンダース上院議員の2人に絞られました。ブルームバーグ元ニューヨーク市長、インディアナ州サウスベント市のブティジェッジ前市長、クロブシャー上院議員に次いで、週末にハリス上院議員がバイデン氏支持を表明。一方、ウォーレン上院議員はサンダース氏を支持しました。

バイデン氏が優勢のようにみえますが、サンダース氏は巻き返しに動いていて、予断を許しません。今週10日にはミシガン州など6つの州、来週17日にフロリダ州やオハイオ州など4州で予備選が予定されています。

民主社会主義を掲げるサンダース氏が候補者に選ばれた場合、株式相場にネガティブに影響するとみられています。バイデン前副大統領は「安全な候補」とされていますが、財政赤字を縮小するため法人と富裕層の増税に動くとの見方があります。

ウォール街はトランプ大統領の再選が株式相場にとって最も好ましいと考えています。ただ、新型コロナウイルスの影響でアメリカがリセッション(景気後退)入りするとの予想が増えています。不透明感がさらに強まれば、トランプ大統領の再選は危うくなる可能性があり、ウォール街は、民主党予備選の状況と新型コロナウイルスの経済的影響を注視しています。サンダース氏が次期大統領になるとの見方が再び広がれば、金融市場はさらに揺れるかもしれません。新型コロナウイルスの感染者数と死者数がアメリカ国内で急増するなか、サンダース氏が主張する国民皆保険への関心が高まりつつあります。

[March 08, 2020 NY193]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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