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金曜日に下がる米株

2020/02/17 11:30

「ダウは週間で1%高」

アメリカの株式相場が堅調です。

ダウ工業株30種平均は先週、前週比で295.57ポイント(1%)高い2万9398ドル08セントで取引を終えました。S&P500種株価指数は1.6%高の3380.16。ナスダック総合株式指数は週間ベースで2.2%上昇し、9731.18で引けました。

バロンズは、週間ベースで上昇したものの、ダウが14日金曜日に0.1%安で取引を終えたことに注目しました。金曜日の下落は4週連続。特に意味はないかもしれないが、新型コロナウイルスと大統領選が影響している可能性があると指摘しました。

新型コロナウイルスの感染が世界で拡大しています。中国本土の感染者数と死者数は大幅に増加。週末には中国本土以外で4例目となる死者がフランスで確認されました。横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船者の感染が急増。アメリカ政府はアメリカ人を帰国させるため、チャーター機を派遣。カナダと香港もチャーター機を日本に送ることを決めました。

日本のメディアは「帰国させるため」と表現しましたが、欧米メディアは「日本から避難するため」と伝えました。微妙な表現の違いですが、新型コロナウイルスをめぐる日本政府の対応に海外の不信感が高まっています。金曜日に投資家が主要な株式を売ったのは、日本を含めた感染拡大を警戒した可能性があります。

投資家は今年11月に実施されるアメリカ大統領選の行方も警戒しています。最新の世論調査では、サンダース上院議員とバイデン前副大統領に次いで、民主党の候補者選びに遅れて参戦するブルームバーグ前ニューヨーク市長が3位に浮上しました。アメリカの主要テレビではブルームバーグ氏の政治宣伝が目立ちます。ニューハンプシャー州で躍進したインディアナ州サウスベンドのブティジェッジ前市長とクロブシャー上院議員が支持率を伸ばし、ウォーレン上院議員も健闘しています。

共和党の候補者となる現役のトランプ大統領の対抗馬は誰になるか。本選で接戦が予想されるだけに、ウォール街は民主党の候補者選びの行方に注目しています。

民主社会主義者とされるサンダース上院議員もしくは大企業を敵視するウォーレン上院議員が民主党候補に選ばれた場合は株式市場にネガティブに影響。ハーバード大卒で有力コンサルティング会社に勤務経験があるブティジェッジ氏は未知数、バイデン前副大統領とブルームバーグ前市長は中立とみられます。ただ、ウォール街はトランプ大統領が再選されることが株式市場にとって最も好ましいと考えています。先週は、トランプ政権が中間層の減税などを含めた新会計年度の予算案を議会に提出しました。現実を無視した予算案だと批判されましたが、株高を狙った案であることは明白でした。

「決算と新型コロナウイルス」

17日月曜日はプレジデントデーのためのアメリカは連邦祝日。ニューヨーク市場は休場になります。

今週は18日からの4日間の取引になりますが、小売最大手のウォルマートが四半期決算の発表とアナリスト・ミーティングを予定しているほか、衛星放送のディッシュ・ネットワーク、メディア大手のバイアコムCBS、ドミノピザ、農機具大手のディーアなどが決算を発表します。

ただ、CNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、決算よりも新型コロナウイルスをめぐる動きが日々の相場に影響すると予想しました。ウイルス感染拡大が終息するまで相場を動かすことになるとしています。

アメリカ国内の感染者数はこれまでのところ15人。チャーター便で帰国するアメリカ人約400人が14日間隔離されますが、帰国者の感染状況が投資家の心理に影響する可能性があります。中国国内の感染拡大が続くか、中国に次いで感染が目立つ日本の状況、中国に派遣された世界保健機関(WHO)の専門家チームの見解も相場に影響する可能性があります。

民主党の候補者を選ぶ予備選は、今週以降、ラテン系有権者が多いネバダ州、黒人が多いサウスカロライナ州、そして大票田のカリフォルニア州を含む14州の予備選が集中する3月3日のスパーチューズデーが続きます。注目度が上がりそうです。

「米ドル資産バブル?」

週末にやや軟化しましたが、アメリカの株式相場は引き続き最高値圏にあります。S&P500の株価収益率の平均は19倍と、歴史的に高い水準。当然ながら高値警戒感が強まりつつあります。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界のマネーがアメリカに集中。株式相場を押し上げています。株式が買われると、債券が売られ利回りが上昇することが多いのですが、いまは米国債も積極的に買われています。米10年物国債の利回りが歴史的な低水準で推移しています。「ドル資産バブルではないのか」との指摘が一部ありますが、まだ少数派。この動きがしばらく続くとの見方が優勢です。ただ、新型コロナウイルス感染の状況、民主党候補者選びの動向次第で、見方は大きく変わる可能性があります。

[February 16, 2020 NY190]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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