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売り材料が見つかった

2020/01/27 13:09

「新型肺炎」

ダウが3万ドルの大台に乗せると前週号で伝えたバロンズが、タイミングを間違えたと伝えました。新型コロナウイルスに感染した患者の肺炎が湖北省武漢市で初めて確認されたのは1カ月前。先週になり大ブレークしました。アメリカで複数の患者が出たことで、感染への恐怖がウォール街に広がりました。

ダウ工業株30種平均は先週1週間で358.37ポイント、率にして1.2%下落し、2万8989ドル73セントで引けました。S&P500種株価指数は1%安の3295.91ポイント。ナスダック総合株価指数は0.8%安の9314.91でした。

経済指標は全体的に堅調。強弱感はあるものの、四半期決算はまずまず。米中貿易戦争はひとまず休戦。アメリカ・イランの対立が深刻化する兆しはありません。

売る材料に欠ける中で、新型ウイルスが世界経済に打撃となるとの懸念が広がりました。バロンズは「ようやく株価が下落する材料を見つけた」と伝えました。

ただ、新型ウイルスはドットコム・バブル崩壊と異なり、アメリカ経済をリセッション(景気後退)に押し下げるとは思えません。感染が拡大、死者数、感染者数、患者が出た国数が大幅に増えることが避けられないとみられますが、株式相場をどこまで押し下げるかは不透明です。

「米国債利回りと決算」

今週は、FANG株と呼ばれるアップル、フェイスブック、アマゾンなどが四半期決算の発表を予定して、市場全体に影響する可能性があります。ダウ構成銘柄のマイクロソフト、ボーイング、3M、コカ・コーラ、エクソン・モービルも決算を発表します。また、週半ばにはゴールドマン・サックスが投資家説明会を予定しています。

CNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、注目企業の決算発表が相次ぐが、最大の材料は新型コロナウイルスの感染に関するニュースだと伝えました。アメリカで新たに3人の感染者が見つかり患者数は計5人になりました。中国の死者数は80人、感染者は769人に増えました。

今週は、耐久財受注、S&Pケースシラー住宅価格指数と中古住宅販売、アメリカンの第4四半期(10-12月)の実質国内総生産(GDP)速報値などが発表されます。いずれも重要な経済指標ですが、それより米10年物国債の利回り動向に注目が集まりそうです。

米10年物国債の利回りは先週大幅に低下し、去年10月以来となる1.68%台をつけました。米10年物国債の利回りがさらに低下し、3カ月物財務省証券や2年物国債の利回りを下回る「逆イールド」現象が再び発生すれば、投資家心理が大きく冷える可能性があります。

「新型肺炎で注目される株式」

インターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)の株価がロンドン株式市場で目立って下げています。ロンドンを拠点にする世界的なホテルチェーンですが、他の欧米系ホテルと比べアジア・太平洋地区のシェアが大きいのが特徴。中国全体に1646部屋があり、売り上げ全体の8%を占めています。SARSが大流行した2003年には株価が27%下落しました。

IHGが今週、2019年通期の決算を発表します。新型コロナウイルスの影響、業績見通しをどう示すかに注目が集めています。IHGは、香港とオーストラリアの事業規模も大きく、抗議デモと森林火災の影響も注目されそうです。

IHGの株価が新型肺炎の影響の先行指標と考える市場関係者もいるそうです。

[January 26, 2020 NY187]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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