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2020年株式相場は減速か

2019/12/23 10:06

「2013年以来の上昇率」

アメリカの株式相場が堅調です。連邦議会下院がトランプ大統領に対する弾劾訴追を決めたにもかかわらず、上昇トレンドが続いています。アメリカと中国が貿易交渉の第1段階で合意し、事実上の休戦状態に入ったことで心理が改善。アメリカ経済の堅調さを示すデータが相次いで発表されたことも株式相場を押し上げました。

ダウ工業株30種平均は前週比で319.71ドル高、率にして1.1%上昇しました。S&P500種株価指数は1.7%上げて、終値は3221.22。初めて3200台に乗せました。テクノロジー株の比率が高いナスダック総合株価指数は週間ベースで2.2%高の8924.96で取引を終えました。いずれも最高値を更新しました。

ちょうど1年前、株式相場の下げが止まりませんでした。世界経済が減速、債券市場で長短金利が逆転しアメリカがリセッション(景気後退)入りするとの懸念が強まりました。そうした中で連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を引き上げたことで心理が悪化。株式相場は大きく崩れました。

ウォール街でいま、アメリカ経済が近くリセッション入りすると考えるエコノミストはほとんどいません。世界経済が回復する兆しがあります。FRBは今年3回の利下げを実施、年内最後の会合では2020年を通して現在の金利水準を据え置くことを示唆しました。1年前とは環境が大きく変わりました。

ダウは年初から先週末までに22%上昇しました。S&P500は28.5%高。ナスダックは34.5%上げました。S&P500とナスダックは2013年以来の高い上昇率を記録する勢いです。

「閑散取引か」

2019年のアメリカの株式市場の取引はあと6日を残すのみ。年内は相場を動かすとみられる材料が少ないです。

アメリカ議会はすでに休暇入り。米中貿易交渉に関する目立った材料が年内に発表される見込みはありません。

アメリカの経済指標では、23日の耐久財受注速報値、31日発表のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)とコンファレンスボードの消費者信頼感指数が相場を動かす可能性がありますが、注目度は低め。これらを除くと、23日の新築住宅販売件数、31日のS&Pケースシラー住宅価格指数など住宅関連の指標しかありません。

すでに休暇入りした市場関係者は少なくありません。クリスマス前から年初までの連休に入る参加者はさらに増える見通し。株式市場は閑散取引になり、材料難も手伝い、目先は方向感が出ない可能性がありそうです。高値警戒感が強まりつつあることから、利益確定の売りが増えるとの指摘が一部であります。

「歴史語る株高減速」

ウォール・ストリート・ジャーナル、バロンズ、さらにCNBCがそれぞれまとめたウォール街の2020年の株式相場見通しは、いずれも小幅高になるとの予想が優勢でした。

ロイターも来年のアメリカの株式相場は低い伸びにとどまる可能性があると伝えました。歴史的が物語っているとしています。

1928年以降の統計で、S&P500が20%超上昇した年の翌年の上昇率平均は6.6%にとどまっていて、全体平均の7.6%を下回っていると解説しました。

2020年11月3日にアメリカの大統領選を控えていることから、ヘルスケアをはじめ政治に敏感な銘柄の上値が重くなるとみられること、債券相場が落ち着くと予想されることなどを背景に、2020年の株式相場は低い伸びになると予想されているとしています。ただ、2020年中に株式市場がベア(弱気)相場入りすると予想する市場関係者はほとんどいないと伝えました。

年内は材料が薄いものの、2020年1月6日の週は相場に影響すると予想される材料が山積みです。2月初めのアイオア州の予備選も強く意識されることになりそうです。

年内はこれが最後の出稿です。1月5日(日本時間の1月6日)に再開します。良いお年をお迎えください。

[December 22, 2019 NY183]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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