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12月相場は強い、歴史繰り返す?

2019/12/02 13:03

「最高値から下げる」

サンクスギビングデー(感謝祭)が絡み取引時間が短かった先週のアメリカの株式市場。ダウ工業株30種平均、S&P00種株価指数、ナスダック総合株価指数の3つの主要指数が感謝祭前に最高値を更新しました。バロンズによりますと、ダウは今年15度目の最高値更新。S&P500は26度目、ナスダックは21回目の最高値更新でした。

3つの主要株価指数は、短縮取引となった感謝祭翌日のブラックフライデーに反落しました。ただ、週間ベースと月間ベースでは上昇。相場上昇の勢いが維持されていることが示されました。

ダウは前週比0.63%高の28051.41で取引を終えました。S&P500は週間ベースで0.99%高の3140.98。ナスダックは前週比で0.46%上げて先週の取引を終えました。小型株の指数であるラッセル2000は最高値を更新しませんでしたが、週間ベースで2.2%高と強いパフォーマンスを示しました。

月間ベースの上昇率は今年6月以来の大きさでした。ダウは前月比で3.7%高。S&P500は3.4%高。テクノロジー株の比率が大きいナスダックは月間ベースで4.5%上昇しました。

「米中と年末商戦」

今週のアメリカの株式市場では、米中貿易交渉の動きが引き続き投資家心理に影響しそうです。トランプ政権は12月15日に新たな対中関税を発動する計画。発動が延期されるというのがウォール街のメインシナリオですが、その通りになった場合は一段高になる可能性があります。香港をめぐる米中関係の緊張を背景に計画通り発動されれば株価が大きく下がるとみられます。12月最初の週となる今週は、米中の貿易交渉をめぐる動きに一段と敏感になりそうです。

感謝祭後のブラックフライデーの週末および2日の「サイバーマンデー」の小売各社の売上の状況が相場全体に影響する可能性があります。

アメリカの経済指標では、2日発表のISM製造業指数、6日の雇用統計が材料になりそうです。世界各国の製造業関連の指数も発表されます。特に週後半のドイツのデータが注目されています。

トランプ大統領は今週、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するためイギリスを訪問します。ロンドン滞在中、アメリカの連邦議会下院ではウクライナ疑惑をめぐるトランプ大統領に対する弾劾調査が次の段階に進みます。下院の司法委員会が弾劾をするための憲法の解釈を専門家に聞く予定になっています。

「12月は株高の月」

CNBCによりますと、12月は株価が上昇する傾向があります。1950年以降のS&P500のパフォーマンスが最も良い月は12月です。年末を控え投資パフォーマンスを押し上げることを狙ったウィンドー・ドレッシング(お化粧買い)、税金対策を目的にした取引などが相場に影響するとされています。12月の月間平均上昇率は1.6%。76%の割合で12月の株式相場が上昇したことを歴史が物語っています。

ただ、米準備制度理事会(FRB)のタカ派スタンス、世界経済の減速懸念などが影響した去年12月は世界大恐慌以降で最悪の12月になりました。歴史は繰り返すのか、それとも去年12月のように例外的な動きになるのか。米中貿易協議の行方が方向を決める可能性があります。

アメリカの株式市場の全体の動きを示すS&P500は年初から25%上昇しました。PER(株価収益率)の平均が18倍程度と歴史的に高い水準に上がりました。高値警戒感が強まりつつあります。

大統領選が実施される2020年の株式相場はまずまずとなると予想されていますが、多くのストラテジストが2019年と比べ上昇率が小幅にとどまると考えています。ウォール・ストリート・ジャーナルがまとめたウォール街の8社の平均上昇率予想は3%未満でした。慎重な見通しが12月相場に影響する可能性もありそうです。

[December 01, 2019 NY180]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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