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2020年に米ブル相場終わる?

2019/11/25 10:06

「最高値から下げる」

米中貿易協議をめぐる動きや報道に一喜一憂する相場展開が続いています。先週は、第1段階の合意をまとめる米中交渉が行き詰まっていることを示唆する報道が相次いだことが投資家心理に影響しました。ロイターは合意が来年にずれ込む可能性があるとのアメリカ政府筋の話を伝えました。トランプ大統領が「合意が非常に近い可能性がある」と言及、中国の習近平国家主席の部分合意への意気込みを示す発言が伝えられましたが、相場を押し上げるには不十分でした。「実際に進展するか見極めたい」というのが投資家の本音のようです。

先週のダウ工業株30種平均は前週比で0.5%安い2万7875ドル62セントで引けました。市場全体の動きを反映するS&P500種株価指数は週間ベースで0.3%安の3110.29。テクノロジー株の比重が高いナスダック総合株価指数は0.2%下落し、8519.88で1週間の取引を終えました。

年末が迫り、大手金融機関が2020年のポジションを決める上で参考となる見通しの発表がはじまりました。先週は、アメリカの株安、ドル安を予想するモルガン・スタンレーの展望が示されました。世界最大級のヘッジファンドが来年3月までにS&P500もしくはヨーロッパ株が下落すると利益が出るオプションに巨額資金を投じたとの報道もありました。

最高値を更新したことで、高値警戒感が強まっています。バロンズによりますと、S&P500のPER(株価収益率)は18倍。歴史的に高水準で、2020年の好材料の多くを織り込んでいるとみられます。「割高になった」とも言えます。

「感謝祭ウィーク」

今週のニューヨーク株式市場は薄商いになることが予想されます。サンクスギビングデー(感謝祭)で28日木曜日は休場。翌29日はアメリカ東部時間の午後1時で終了する短縮取引になります。連休をとる市場関係者や投資家は少なくありません。

決算は、25日にヒューレット・パッカード・エンタープライズ、26日が家電量販店のベストバイ、デル、ディスカウント店のダラー・ツリーなど、27日は農機具大手のディーアなどが四半期決算の発表を予定しています。1年でモノの値段が最も安くなるとされるブラックフライデーを29日に控え、ベストバイなどが年末商戦をどう予想しているか注目されます。

経済指標では、25日のダラス連銀の製造業指数、26日のフィラデルフィア地区の製造業指数と消費者信頼感指数、27日の耐久財受注と個人消費支出、そして、29日発表のシカゴ地区の購買担当者景気指数(PMI)が材料になる可能性があります。

25日夜に連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル総裁が講演、26日はブレイナード理事が発言する機会があります。27日にはFRBの地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されます。

「2020年に慎重」

4年に1度のアメリカ大統領選が11月3日に実施される2020年。アメリカ株がベア(弱気)相場に転じる可能性があるとするコラムをバロンズの最新号が掲載しました。

CNBCCがまとめたウォール街のストラテジストの来年の予想は、S&P500の上昇が5%にとどまるというのが平均予想でした。

見方は大きく分かれました。3110で先週の取引を終えたS&P500が来年末に3425まで上昇すると最も強気な予想を示したのがクレディスイスのストラテジスト。ゴールドマン・サックスのストラテジストは3400を予想、いずれも強気でした。

一方、モルガン・スタンレーとUBSのストラテジストは株安を予想しました。それぞれS&P500は来年末に3000まで下がるとみています。

「米中と大統領選」

企業の業績見通しと金融政策の方向に加え、2020年は不確実性がある2つの大きな要素があります。

米中貿易協議と大統領選です。後者については、前ニューヨーク市長でビリオネアのブルームバーグ氏が民主党の候補者争いに参加することを正式に表明しました。いまの候補者では「トランプ大統領に勝てない」というのが理由だとされています。これで民主党の候補者は18人。ブルームバーグ氏の参戦で、支持率トップのバイデン前副大統領と票を奪い合う可能性が指摘されているほか、富裕税を提唱するウォーレン上院議員やサンダース上院議員と対立する構図になります。議会でトランプ大統領に対する弾劾調査が本格化し、2020年の株式相場は政治要因が大きく影響する可能性がありそうです。

[November 24 2019 NY179]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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