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弱気に傾いた米の大口投資家

2019/10/28 11:27

「最高値に迫るS&P500」

いま本格化している第3四半期(7-9月)のアメリカの企業決算は、3カ月前の決算シーズンと比べ、強弱感が入り混じるものになっています。予想を下振れる決算を発表したテキサス・インストルメンツをはじめとする企業や業績見通しを下方修正した企業の株価が大幅に下落しました。ただ、予想を上振れる決算を発表したインテルやマイクロソフトなどの有力企業の株価の大幅上昇が相殺し、先週は全体的に株高になりました。

ダウ工業株30種平均は先週、前週比で0.7%上昇し、2万6958.06で取引を終えました。7月15日につけた終値の最高値まであと1.5%に迫りました。

S&P500種株価指数は週間ベースで1.2%高。3022.55が先週末の終値。指数は一時7月26日につけた終値の最高値3025.06を超えました。取引終了間際に上げ幅を縮め最高値更新はなりませんでした。ただ、3週連続の上昇でした。

米通商代表部(USTR)が米中の閣僚級電話会議で貿易合意の部分成立に近づいたと発表したことも株価押上げ要因になりました。

「決算、FRB,雇用統計」

今週のニューヨーク株式市場は材料が豊富です。

まず決算。AT&T、アップル、フェイスブック、スターバックス、代替肉大手のビヨンドミートなど140社以上が第3四半期の決算を発表します。28日の取引終了後にはグーグルの親会社のアルファベットが決算を予定しています。

これまでに199社が決算を発表しましたが、78%がアナリスト予想を上回りました。ただ、利益の伸びは前年同期比で14%超下がりました。

アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が10月30日に2日間の会合を終え声明を発表し、パウエル議長が記者会見を予定しています。0.25%の追加利下げが確実視されていますが、「予防的な利下げ」の終了を示唆する可能性があります。声明とパウエル議長の会見が相場に影響しそうです。

アメリカ労働省が11月1日に発表する10月の雇用統計も材料になる可能性があります。自動車大手GMのストライキの影響などで就業者数の伸びは10万人以下にとどまると予想されています。同じ日に発表される全米供給管理協会(ISM)の製造業指数も注目されています。

高値警戒感が強まっています。アルファベットやアップルの決算、FRBの決定、そして重要な経済指標が、ニューヨーク株式相場が最高値を超えて上昇基調を維持するか、それとも下落基調に転じるかを決めることになります。

「20年ぶりの弱き」

バロンズが年2回実施しているアメリカの大口の資産運用担当者に対する調査で、株式相場が低迷すると予想していることが明らかになりました。

今後12カ月の株式相場見通しについて、ブル(強気)派はわずか27%でした。春の調査時の49%から急減しました。1年前の調査では56%が強気でした。強気派がこれほど少ないのは過去20年以上なかった結果だとバロンズが解説しました。

中立と答えたプロの投資家は42%。ベア(弱気)派は31%でした。弱気に傾いた背景は、高いバリュエーション(高値警戒感)、景気低迷見通し、政治問題と貿易摩擦。いずれも株価上昇の障害になると考えています。

2020年の大統領選に関しては、62%のプロの投資家がトランプ大統領の勝利を予想しました。

民主党の候補者が勝利するとの予想は38%。民主党の候補者選びで勝ち抜く可能性が最も高いのはエリザベス・ウォーレン上院議員。次いでジョー・バイデン前副大統領との予想。ウォーレン氏が民主党の候補に選ばれ、本選でトランプ大統領を破り第46代大統領に選ばれることが株式相場にとって最もネガティブであり、プロの投資家が警戒していることもバロンズの調査でわかりました。

[October 27, 2019 NY175]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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