週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

NY株、最高値更新する?

2019/10/21 10:59

「ダウ、週間ベースで下落」

先週のニューヨーク株式市場は、株価にとってポジティブな材料が多めでした。

金融大手JPモルガン・チェースや医療保険大手のユナイテッド・ヘルス・グループの決算が予想を上回りました。特にJPモルガンの好決算は、個別銀行だけではなく、アメリカ経済全体の健全性を示すものでした。FANG株の一角を占めるネットフリックスの決算も予想を上振れました。

イギリス政府とEUが離脱協定の修正案で合意、トルコがシリアでの停戦で合意したというニュースもウォール街で注目されました。

好材料が相次いだことで、S&P500は前週比0.5%高の2986.20で取引を終えました。テクノロジー株の寄与度が大きいナスダックは週間ベースで0.4%高の8089.54でした。

しかし、アメリカの各業種を代表する30社で構成されるダウ指数は週間ベースで下落しました。前週比0.2%安の2万6770.20で引けました。週間ベースで下げたのは、過去5週で4回目です。

ダウを構成するボーイング、ジョンソン&ジョンソン、そしてIBMの3社が大幅に下げたことが影響しました。ボーイングは、パイロットが墜落事故発生の前に737マックスの不具合を指摘していたことが明らかになったことを材料に週間ベースで8.3%安。ジョンソン&ジョンソンは、当局がベビーパウダーからアスベストを検出したと伝えられたことを受け18日の取引で6%超下落。IBMは決算が予想を下振れ、先週1週間で6.1%下げました。

「最高値圏内」

ダウとS&P500は最高値まで約1%に迫っています。ナスダックはあと2%上昇すれば過去最高値に並びます。

高値警戒感が広がる可能性がありますが、記録を更新するかは主要企業の四半期決算と業績見通し次第とみられます。今週はS&P500採用銘柄の24%にあたる120社が決算発表を予定しています。

23日水曜日の取引開始前に発表されるキャタピラーとボーイングの決算が特に注目されています。23日の取引終了後にはマイクロソフト、イーベイ、フォードが決算を予定しています。

今週はさらに、アマゾン、インテル、マクドナルド、3M、ビザ、ベライゾンなども四半期決算を発表します。

金融政策をめぐる会合(FOMC)を翌週に控え、FRBの政策委員の発言が制限される「ブラックアウト期間」に入りました。米金融政策はいったん材料からはずれる可能性があります。一方でECBの理事会の決定が相場に影響するかもしれません。ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる動きについてもウォール街が注目しています。

経済指標では、24日発表の製造業およびサービス業の購買担当者景気指数(PMI)と耐久財受注、そして25日の消費者信頼感指数が材料になる可能性があります。

ナショナル・セキュリティーズのストラテジストはCNBCに対し、強い決算と経済指標の組み合わせで、株価指数は最高値を更新しそうだとコメントしました。先週は強めの決算が多かったのですが、小売売上高など弱い経済指標の発表が相次ぎました。

「ブレグジット、次の展開」

イギリス議会が19日、ブレグジット(イギリスのEU離脱)の修正案をめぐる採決を先送りしました。これを受け、ジョンソン首相はEUに対し10月31日の離脱期限の延期を申請しました。9月に議会で可決した関連法で、19日までに離脱案が議会で承認されない場合は、離脱延期を要請することを首相に義務付けていました。ジョンソン首相は自身の意思に反して申請を余儀なくされた形です。

ただ、イギリス政府がEUに送った3つの書簡のうち、離脱延期申請書にはジョンソン首相の署名がありませんでした。「さらなる延期は誤りだ」とするジョンソン首相の署名入りの書簡が添えられました。

ボールはEUに移りました。結論がでるまでに1週間程度かかる公算。同時にイギリス国内では、ジョンソン首相が離脱案の承認を求める議会工作を再開、議会は22日に審議を始めるとみられています。

イギリスで総選挙が実施される見通しが強まっています。影響力がある49人の投資家にバロンズが週末に緊急アンケート調査を実施したところ、総選挙でジョンソン首相が率いる保守党が勝利すると考えていることがわかりました。投資家の多くがジョンソン氏を支持したとしています。

[October 20, 2019 NY174]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)
topへ