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モンタナに揺れる、重要イベント通過後

2019/09/24 09:32

「ロイター報道で下落」

アメリカの中央銀行にあたるFRBが18日、政策金利を0.25%引き下げました。予想通りでしたが、金利見通しは市場の期待に反するものでした。政策メンバーの金利予想の分布をチャート化したドット・プロットで、過半数が年内と来年に追加利下げを予想していないことが明らかになりました。声明の大きな変更はなし。パウエル議長の記者会見は強弱感が入り混じり、金融政策の先行きに関してヒントを与えないものでした。

ニューヨーク株式相場はFRBの会合後にやや振れましたが、結局、会合後も市場の見通しは変わりませんでした。

FRBの会合前はサウジアラビアの石油施設が攻撃されたことを受けた原油相場の急騰が材料になりました。サウジ政府が2、3週間で生産が正常化するとの見通しを示したことで原油相場は落ち着きました。

原油高への懸念が一服し、注目されたFRBの重要イベントを通過したことで、市場の関心は米中貿易協議に戻りました。

米中の対面による閣僚協議を10月に控え、次官級による事前折衝がワシントンで19日と20日に行われました。期待感が大きかったのですが、中国の訪問団がモンタナ州の農家訪問を取りやめ、予定を早めて帰国したとロイターが報じたことで投資家の心理が悪化しました。事務レベルの交渉が不調だった、米中貿易協議での進展は望み薄になった、などの懸念を呼びました。

バロンズは、モンタナ州訪問の中止が株価を押し下げたことは意外だったと解説しました。ニューヨーク株式市場の主要株価指数は週間ベースでいずれも下落して週を終えました。モンタナ州訪問をキャンセルしただけ。地合いの弱さを示した形です。

ダウは先週284.45ポイント(1%)下げ2万6935.07で終えました。S&P500は0.5%安。ナスダックは前週末に比べ0.7%下げました。

「米中、FRB、中東」

ニューヨーク株式市場では、主要株価指数が過去最高値に接近したことで高値警戒感が強まっています。こうした中、米中の貿易をめぐる動きに引き続き敏感に反応することが予想されます。

金融政策を決める今月のFRB会合(FOMC)が終わり、ブラックアウトが解除されました。今週はFRB幹部が発言する機会が多くあります。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やクラリダ副議長を含めFRB幹部の講演などが多数予定されています。18日のFOMC声明やドット・プロットでFRB内の意見が大きく分かれていることが明らかになりました。FRB幹部の発言に株式相場が敏感に反応する可能性があります。

今週は国連総会にからみニューヨークを舞台にした外交がニュースになることが予想されます。サウジアラビアの石油施設攻撃をめぐるアメリカとイランの緊張がどうなるか。ウォール街が注視しています。

「10月は荒れる?」

9月もあと1週間。第3四半期がまもなく終わります。CNBCによりますと、ゴールドマン・サックスは10月の株式相場の振れが大きくなることを予想しています。

ゴールドマン・サックスのアナリストは、テクノロジー株とヘルスケア株の振れが最も大きく、主要株価指数と主要セクターが10月に大きく変動する状況が過去30年で確認されたとしています。単なる偶然ではなく、多くの投資家と企業が年度末を控えポートフォリオを調整する動きがボラティリティ(変動率)を高めるとコメントしました。

一方、ストラテジストのヤルディニ・リサーチのヤルディニ氏は、CNBCに対し、株式相場が来年末までに現在の水準から17%上昇するとの強気な見通しを示しました。

10月に入ると、2020年の大統領選に向けた動きがさらに活発になることが予想されます。トランプ大統領の民主党批判、民主党のトランプ政権への攻撃が加速しそうです。

週末のメディアは、トランプ大統領がウクライナの大統領に対し民主党の有力な候補であるバイデン前副大統領の息子の調査を要請したとの容疑を全面的に取り上げました。ワシントン・ポストの報道がきっかけですが、大きな広がりを見せています。バイデン氏の息子はウクライナ企業の役員をしています。トランプ大統領は報道を否定していますが、ウクライナのゼレンスキー大統領に電話し8回も圧力をかけたとの報道もあります。

ロシア疑惑に続く「ウクライナ疑惑」。選挙戦は当面、この問題が焦点になる可能性があります。

[September 22, 2019 NY170]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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