週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

PER対10年債利回り比はまだ低い

2019/07/29 10:01

「S&P500最高値」

激しい雷雨でニューヨークの一部では浸水被害が出ました。しかし、ニューヨーク株式市場は晴れ渡っていた、とバロンズが先週の展開を表現しました。

機関投資家が自身の投資パフォーマンスと比較することが多いマーケット全体の動きを示すS&P500は週間ベースで1.7%上昇、最高値の3025.86で取引を終えました。テクノロジー株のシェアが大きいナスダック指数は2.3%高の8330.21で1週間の取引を終えました。こちらも最高値。

ダウの週間上昇率は0.1%にとどまりました。終値は2万7192.45。指数を構成するボーイングが、737MAXの運航停止の影響で決算が予想を下振れしたことが影響して8.6%下落したことがダウの伸びを抑えました。

先週の主要企業の決算は概ね強い内容でした。例えば運輸のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)。決算が予想を上回り、強気のガンダイス(業績見通し)を維持したことが好感され1週間で17%も上昇しました。

グーグルの親会社アルファベット、ツイッター、スターバックスの四半期決算も強く、株価が急上昇しました。半面、決算もしくガイダンスが弱かったネットフリックス、テスラ、フォードなどが一時大きく売り込まれました。

FRBが利下げに転じるとの観測を背景に、長期金利の指標となる米10年物国債の利回りが大幅に低下したことが株高に寄与しています。株価を一株当たり利益で割った株価収益率(PER)は19.8倍。歴史的には高水準ですが、米10年国債利回りと比較すると株価は高すぎないとバロンズが解説しました。バロンズは、1950年以降のバリュエーションでまだ低い水準だと伝えました。

「今週は材料豊富」

今週は材料が豊富です。FRBの会合結果が発表されるのが31日水曜日。前日には上海で米中貿易協議が再開します。

重要な経済指標も発表されます。特に8月2日発表のアメリカの7月の雇用統計が相場を動かす可能性があります。

主要企業の決算発表も続きます。7月30日はアップル、P&G、メルク、ファイザー、イーライリリー、Tモバイル、スプリントが決算。31日はクアルコムとGE、8月1日はGM。そして、2日にはシェブロンとエクソン・モービルが四半期決算の発表を予定しています。特にアップルの決算がマーケット全体に影響する可能性があります。

「民主党討論会」

今週は注目されるイベントがもう1つあります。7月30日と31日の2日間に渡り2020年大統領選の民主党候補者による第2回討論会が開かれます。CNNがホスト役になりデトロイトで民主党候補者が1日に10人ずつ、2日間で20人が討論会に参加します。

先月末の1回目のテレビ討論会では、支持率で先頭を走るバイデン前副大統領が、ハリス上院議員に激しく攻撃されたことが注目を集めました。2回目の討論会でも2人が同じ日に登場します。

先週は、ロシア疑惑を2年に渡り捜査したモラー元特別検察官の議会証言が全米の注目を集めました。ただ、民主党が、トランプ大統領がロシアと共謀して2016年の大統領選に介入したという強い印象を与えることに失敗。トランプ大統領の弾劾の可能性が大きく後退、民主党がトランプ政権を終わらせるのは2020年大統領選しかなくなったなどと主要メディアが報じました。その意味でも、今回の討論会は民主党にとって重要なイベントといえます。

移民政策、人種差別とも受け取れる発言など、トランプ大統領をめぐる報道は引き続き盛ん。しかし、経済は堅調、株価は最高値圏にあり、支持率は就任以来で最も高い水準にあります。民主党候補がそれぞれ選挙資金を集めていますが、現役のトランプ大統領をめぐる報道は広告費に換算すると20億ドルの価値があるとされています。民主党候補が討論会で存在感を示せるか。どのような経済政策を示すか。ウォール街も注目しています。

[July 28, 2019 NY162]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)
topへ