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予想定まらないFRB利下げ幅

2019/07/22 09:20

「変動幅が小さい」

ニューヨーク株式マーケットは、FRBが今月30日と31日に開く会合(FOMC)で現在2.25~2.50%の政策金利誘導目標を引き下げることを決めると確信しています。だた、利下げ幅が0.25%になるか、0.50%になるかは予想が定まっていません。

先週発表された米国の6月の小売売上高、フィラデルフィア連銀の製造業業況指数、前週発表の6月の雇用統計がいずれもエコノミストの予想中央値を上振れました。0.25%利下げを含め、政策金利を変更する必要がないと思わせるほど強い内容でした。そうした見方を反映し、米10年国債利回りが上昇、株式相場は軟化しました。

しかし、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の18日の講演での発言で見方が変わりました。「景気悪化の初期段階で利下げが必要」だと非常にハト派的な発言でした。ほぼ同じタイミングでFRBのクラリダ副議長のハト派発言も伝えられました。ウォール街は「0.50%の利下げがある」との見方に転じ米10年債利回りが大幅低下、株式が買い戻されました。

先週の最後の取引となった19日金曜日には、ニューヨーク連銀が「ウィリアムズ総裁の発言は学術的なもので、政策行動の可能性を示すものではない」と火消し。今月会合での「利下げは必要ない」とのボストン連銀のローゼングレン総裁のタカ派発言も飛び出し、FRBの利下げ幅がどうなるかわからなくなりました。混乱していると指摘されました。

FRBの利下げ幅をめぐるウォール街の迷いを反映して、先週のニューヨーク株式相場は軟調ながら、変動幅が小幅でした。ダウが最も下げた日の下落率は0.42%にとどまりました。

ダウは先週1週間で前週比0.65%安の2万7154.20で終えました。

S&P500は週間ベースで1.23%安の2976.61、ナスダックは1.18%下落し8146.49で1週間の取引を終えました。

決算発表が本格化し、弱い決算を発表したネットフリックス、鉄道運輸のCSXが急落。一方で、好決算を発表したフィリップ・モリスが個別に急上昇しました。

「FRBめぐる思惑と決算」

今週も主要企業が相次いで四半期決算を発表します。CNBCによりますと、S&P500構成企業の130を超す会社が決算発表を予定しています。

FANG株の一角であるアマゾン、グーグルの親会社のアルファベットのほか、ツイッター、マクドナルド、ボーイング、ユナイテッド・テクノロジーズ、キャタピラー、コカ・コーラ、ダウ、キンバリー・クラーク、スターバックス、フォード、テスラなど幅広い業種の有力企業が決算を発表、一部は相場全体の心理に影響する可能性があります。

FRBの来週の会合での利下げをめぐる観測も相場に影響するとみられます。ただ、会合が迫り、FRB関係者の公の場での発言が禁止されるブラックアウト期間に入ったため、FRB関係者の発言はありません。26日に発表されるアメリカの第2四半期のGDP速報値をはじめ今週発表される経済指標に株式市場は敏感に反応することが予想されます。

このところ、トランプ大統領が米ドル安を誘導する政策に動く、アメリカが為替介入するとの観測がウォール街で広がっています。FRBの金融政策をめぐる観測と合わせ、トランプ大統領の通貨をめぐる不規則発言が株式相場に影響する可能性があります。

「相場上昇をけん引するハイテク株」

大手のテクノロジー企業が主要な株価指数を最高値圏に押し上げたとウォール・ストリート・ジャーナルが週末に報じました。

マイクロソフト、アップル、アマゾン、そしてフェイスブックは時価総額が大きく、4社合計のS&P500指数の寄与度は19%に達します。S&P500は11のセクター(業種)に分類されますが、そのうち7セクターは堅調で上場来高値圏にあります。半面、FRBの利下げの恩恵を受けるとみられる小規模企業の株価は最高値圏を大きく下回った水準のまま。

アメリカ経済が今後減速していくとの見方が優勢。こうした中で、投資家は景気減速下でもリターンが見込める銘柄選びに動いているとウォール・ストリート・ジャーナルが解説しました。

[July 21, 2019 NY161]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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