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最高値更新後のNY株、どう動

2019/07/08 09:34

「ダウ週間上昇率1.2%」

ニューヨーク株式マーケットの3つの主要な株価指数が先週3日、そろって最高値を更新しました。独立記念日を挟んだ5日の取引では、米国の雇用統計が予想を大幅に上振れしたことを受け、FRBが積極的に利下げするとの見通しが後退、最高値から小幅に下げて7月第1週を終えました。

ダウは先週1週間で322.61ポイント、率にして1.21%上昇。2万6922.12で終えました。

ファンド・マネージャーらが指標にしているS&P500は3日まで連日で最高値を更新しました。週間ベースで1.7%高の2990.41で取引を終えました。テクノロジー株の比率が高いナスダックは1.9%高の8161.79でした。

FRBが積極的に政策金利を引き下げるという材料はすでに相場に織り込まれていました。新たな「買い材料」は米中貿易協議への期待感でした。G20大阪サミットの合間の米中首脳会談で、協議再開で一致、3000億米ドルを超す中国製品に対する新たな追加関税の導入が延期されました。トランプ大統領が記者会見で、中国通信機器大手のファーウェイに対する規制を緩和すると発言したことは「ポジティブ・サプライズ」でした。

バロンズによりますと、最高値を連日更新したS&P500がさらに上に行くという強気な見方が少なくないそうです。バークレイズのストラテジストは、S&P500が先週末の終値から9%高い3260まで上昇する確率が65%あると予想。ファンドスタートのストラテジストは、S&P500が3165まで上昇するとみています。FRBが利下げを開始してから平均で18%上昇するという過去データがあり、3165まで上昇というのは「保守的な予想」としています。

5日発表の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想以上に増え、労働市場が堅調であることが示されました。一方で、アメリカ経済が減速する兆しが増えています。先週発表されたISMの6月の製造業景気指数は2016年10月以来の低水準でした。先に発表されたシカゴ、ニューヨーク、フィラデルフィア、リッチモンド、ダラスなど地区連銀がまとめた製造業の景気指数がいずれも景気減速を示唆しました。米10年国債の利回りが大幅に低下、債券市場は「アメリカ経済が景気後退」することを予想していると指摘されています。

景気減速の中で株価がさらに上昇するか。ウォール街の最大の関心事です。

「パウエル議長証言と決算」

今週のニューヨーク株式マーケットで材料視されているのがFRBのパウエル議長の議会証言です。10日に下院、11日は上院で行います。10日にはFRBの前回会合(FOMC)の議事録が公表されます。

経済指標では、11日発表のアメリカの6月の消費者物価指数と12日の生産者物価指数が材料になる可能性があります。

四半期決算は、ペプシやリーバイス(9日)、デルタ航空(11日)などが決算を発表します。

米中の閣僚が電話で貿易交渉を今週にも再開します。交渉に関する高官の発言、関連ニュースに引き続き相場が敏感に反応しそうです。米国債利回り、米ドルの動きも株式相場に影響する可能性があります。

「議会審議が再開」

ロサンゼルスの週末のローカル・ニュースは、4日と5日に南カリフォルニアのリッジウッド近郊で発生したマグニチュード6.4と7.1の地震の続報でした。20年ぶりの大地震だったので、地震対策や警報システムについて幅広く議論されました。

ただ、地震が砂漠地帯、人口が少ない街で発生し被害が小さかったこともあり、全米をカバーするニュースでは「移民問題」がトップニュースでした。

独立記念日の週が終わり、議会が今週再開します。10月から始まる2020年度の政府予算に関する12の法案がまだ通過していません。

最も揉めそうなのが移民関連の予算です。トランプ大統領と共和党、そして民主党の意見が大きく食い違っています。9月末までに解決しない場合、政府機関の一部が再び閉鎖される可能性があります。議会審議の状況が株価に影響するため、ウォール街が注目しています。

[July 07, 2019 NY159]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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